幸せの青い鳥式の物語は、書くのがすごく難しい気がします。
別に説明するまでもないと思いますが一応…。「大切なものは一番身近にあったよー」のパターンのストーリーです。留意してほしいのが、幸せの青い鳥に対して苦言があるわけではなく、あくまでその形式をなぞらえるのは、並大抵の筆力では難しいということです。
つまり最初から近くにあった場合、今まで行ってきたことの全否定になる可能性が高いのです。確かに意外性はありますが、冷静に考えると冒険も謎解きも恋愛も全て無意味ではないか。無意味ならまだしも、トラブルメーカーで、ただ周りを引っ掻き回して、関係者各位を片っ端から不幸せにして終わる。そんな盲目的作品が多い気がします。
犠牲に対して成果が結びついていないのが原因です。「色々なことを経験してきたからこそすぐそばの大切なものに気付けた」という図式を最後まで忘れないことが、このパターンを成功させる秘訣だと私は考えます。
まあ、商業作品という性質が意外性を重視したり、ラストを軽んじたりするのかもしれませんね。