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ラーメン

先日、地元の駅前にあるラーメン屋に行ってきました。以前から気になってはいたのですが、今まで行く機会に恵まれず、小汚い外壁やこじんまりとした店舗に、なんとなくとっつき辛さを感じていました。というのもこのラーメン屋、私が生まれる以前から営業を続けているいわば老舗で、半世紀近く地元の高校生の胃袋を満たしてきたというのです。となれば、かなりの量が出てくることは想像に難くなく、スープもラードの塊みたいなものに違いないと覚悟していました。

…結果から言うと拍子抜けするぐらいあっさりしていました。麺の量も成人男性では全然足らないぐらいの、強いて言うならサッポロ一番一袋ぐらいで、っていうか味もサッポロ一番なんじゃね?っていう感じで、決してまずいわけではないのですが(サッポロ一番は美味しいです)しかしなんというか、半ドンで帰ってきたお昼に食べる、家のクズ野菜を適当に乗せた母親の手抜き料理みたいな味で、具材ももやしとニラを炒めた味気ないやつが申し訳なさそうにちょこんと乗っているだけで、それがさらに『家の飯感』を彷彿とさせるのです。

もう一度言いますがまずくはないです。しかしこれに650円は払いたくねえ。向かいの席に座る私の後輩は「最近野菜不足」とか言って、野菜増しの一番高いやつを他人の金で食ってるし…。と考えて何かこの光景をどこかで見たなあと既視感が蘇ってきたのです。

続く→

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