わたしの友人にいつも荷物の多い男がいます。荷物が多いとは文字通りの意味でどこへ行くにも大荷物なのです。想定されるであろうあらゆるケースに対応すべく万全を期しているのでしょう。
一方でまた別の友人に荷物を全然持ち歩かないタイプの男がいます。彼は極端な話平気で手ぶらで旅行に行くタイプです。
ただこの両者どちらも根っこには同じ『心配性の血』が流れているように思えるのです。
前者は言わずもがな、なんとなく想像がつくと思います。
後者は荷物を持たないことで心配する要因を排除していると考えられるのではないでしょうか。たとえば彼は基本的にサンダル履きの男なのですが、雨の中足元ずぶ濡れでも平気でペタペタ出歩くのです。曰く「靴や靴下を履くから濡れるのが気になるのであって、いっそ濡れても良い状態なら気にならない。これが究極のウォータープルーフ」彼の人間性が滲み出ているようなセリフです。
何が起こっても大丈夫なようにする前者と、心配するような状況がそもそも起こらないようにする後者。どちらも想定外の出来事にはすこぶる弱いです。