中国経済が本当にデフレなのかどうかは最長でも18ヶ月ほど先には分かるのでは??

中国株が乱高下を繰り返しています。中国で非常に深刻な不況に突入したのではないか?…という疑念が広がりつつあり、それを受けて株価も不安定です。この結果から2つのことが言えるかと思われます。

●一気に大暴落したわけではないのでリーマンショックとはメカニズムが違う(今の所)
●株価は2-3度、谷を作って最後にドカンと下がる

…かと思われます。下に東証株価の推移をUPしました(資料元はwiki)
凄くわかりにくいのですがテッペンは1989年12/28日の38,916円。そして(見にくいのですが)三度目の大谷である1990年9/30引けに20,222円まで下がっています。

この前後を見ると、テッペンを付けた翌年の1月に一度やや大きめの下落があり、その後上昇した後、次に3月にかけて(上下を繰り返しながら)急落。その後で一旦は持ち直すものの力強さはなく夏休み前後には持ちこたえられずにストンと一万円以上の下落…の推移を辿っています。

恐らくこの1990年9月30日をもって「バブル崩壊の始まり」と考えるべきで、この後、株価は最高値の2/3程度をテッペンに上下を繰り返す横ばい≒バブル崩壊後のデフレに突入という事と考えるべきかと思われます。

日本の展開から見ても分かる通り、暴落したあと暫くの間は上下を繰り返すだけでなく「持ち直し」の動きも出てきます。市場が完全に死んでいるわけではないからで、これは中国でも今後、同じ動きが出てきます。また持ち直して横ばいになったとしてもストンと下げに転じたあとはダラダラと急降下を数カ月に渡って繰り返して二番底。このあともう一度急上昇してからストンと三番底でこのまま低位安定…という展開がよく見られます。この期間は短いと九ヶ月くらい、長いと18ヶ月くらいのようです。

この株価の推移は企業の債務破綻や信用不安によって金融機関がガタガタになったという場合に発生するパターンのようです。他方、金融機関が大規模に寸断寸断になった場合はもっと一気にドカンを落ちていく(先に資金供給先が死ぬので)ため、今回のような流れにはならないみたいです。よって中国の場合、金融不安もしくは第規模金融破綻が起きるのは(起きたとしても)もう暫く先です。いわゆる「谷」の前後の期間かと思われます。

よって今後、中国株価が上がったりしたとしても安心することはなく、かなり長い事見ていった方がいいでしょう。一度目よりも二度目、二度目よりも三度目のほうがより大きく下げていき、毎回持ち直したとしても、その大きな谷に向かって力なく失速して落ちていく…というイメージです。

意外かもしれませんが株価は結構持ちこたえます。この後(バブル崩壊確定後)でも結構上昇することはあるのですが、かつてのような持続的な上昇力(推力)はありません。上げ下げで終わり。そして株価以上に実体経済が傷んでいるというバランスシート不況発生という認識が当時の認識でした。結構長くかかったものでした(^_^;)

一喜一憂せず、差し当たり1年をメドに三回くらいの谷を経験しながら下落していくのではないか? …という流れをベースに上海株・香港深セン株を見ていくのが良いかと思われます。

ただこれはバブル債務総額 < 国民資産M2の日本国の株価の推移であり、中国は推測ですがバブル債務(推定で数京円) > 国民資産M2(Max4000兆円くらい)なので、あまり役には立たないかもしれません。もっと酷いことになるということです。

ただ、上げ下げを繰り返し18ヶ月をメドに三回くらいドカンと下げる谷が来たら、その時には本当にバブル崩壊ではないか?という感じで見たら良いのではないでしょうか??

8件のコメント

  • 思うに、その後の中国の展開がどうなるか?…ですが、「意外としぶといかもしれない」です。日本のバブル崩壊後のように「完全死に至るわけではない」という、やや楽観的なのかもしれません。
    推定される展開としては、

    ・中国は長期デフレになり「カネの価値は減らず、モノ(含む人間の労働賃金)の値段が下がる」ため、企業や金持ちはより高い金利収入とより安価な労働力を求めて「資金を逃がすor活かす」ために、より積極的に海外投資を行うようになる →中国から資本と技術が逃げていく(資本を逃がす)

    ・まだカネに余力がある間は、デフレで生産力・開発力・技術力で停滞した中国国内から脱出して海外へと趣向が向かう。なので個人のレベルでも海外旅行や海外不動産などの購入がダラダラと続く

    ・貧乏人はデフレで苦しむ

    …の流れになるのかもしれません。
  • ただしこの後で大規模な金融不安が発生した場合、また新しい未知の展開になるかと思われます。ただ普通は「谷」の部分が金融不安の結果です。

    このため、今回バブル崩壊しても中国国内単独での一人負けの可能性が大きく、しかしその後は日本のように展開するために「中国共産党は意外と死なない」という驚くべき結果で終わる可能性が高くなってきました。積極的な対外投資がやがてリターン収入に繋がり、その間に債務償還ができればデフレも終わるかもしれません。ただ気になる点が三つあって、

    ・債務の総額があまりにも大きすぎ
    ・貧富の格差があまりにも大きすぎ
    ・中共の対策があまりにもノロすぎ

    …の三つです。
    債務総額があまりに大きすぎれは金融の完全潰滅の様相を呈し、最悪、世界を巻き込むか中共が破滅し革命などへと向かうかもしれません。また債務整理がつかないならば延々とデフレが続くというリスクになりかねません。と同時に貧富の格差が大きすぎ(南アと並んで世界最大)、長期デフレに突入したときに広く小市民にまで投資習慣が根付いていたとしたら、今後個人が証券債権理財商品などで多数の自己破産者を出し、これが社会の混乱要因になるかもしれません。
    なによりこれらを抑止するための習近平政権の対策が「全く無能」で効果を上げていません。この事が国内外の不信感と不安を招いています。ただこれに関しては既にあまりにも多額の債務を建てており、これ以上の金融緩和の余地がないのではないかという事や、過去に中国では(借金爆増による)金融緩和以外の手段が成功したことがないことなどから考えて「既に万策尽きた」という状況かもしれないという事は繰り返し述べておきたいと思います。

    その意味では深刻ですね…(๑¯ω¯๑)
  • ……共産主義を掲げる国家の「貧富の格差が大きすぎ(南アと並んで世界最大)」というのは一体何の冗談なのでしょうか?(笑)
  • 中国、ジニ係数だと0.61くらいと言われ、南アとほぼ同じ値の世界最悪です(即死
    ちなみに0.4以上になると暴動頻発レベルの社会格差だそうで、米国はこのレベルとされています。なのでBLM運動など各種暴動騒ぎになるのもやむを得ないということです。0.39レベルが英国と韓国で、英国はもともと貧富の格差の大きな国。韓国は芸能人などが住む超高級地域と半地下のワンルームしか住めないという格差が厳然として存在する国です。この二国で暴動が起きないことがむしろ不思議ですが、さしあたり韓国では反日・反米運動が盛んなのは貧富の格差によりマルクス主義者が絶滅していないから…と考えると、とてもわかり易いかと思われます。

    ちなみに日本は0.32で比較的高いのですが、元々このレベルであり、またバブル崩壊後からは質が変容し、所得のない年金生活者が全人口の1/8程度と高い割合でいるためにデータ上は大きな格差が出ているように見える…と言われています。実際は(ある意味、もっと悲惨で)全所得階層で過去30年に渡って所得は低下する一方で、まさにデフレ経済とはこうなるという悪い見本でした…m(_ _)m
  • 一応なのですが、バブル崩壊はこの後も続きます。厚生労働省の資料(ということは国の公式見解)では1989-91年の間とされ、この間がバブル崩壊期ということのようです

    https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/11/dl/04.pdf

    ワイの今回の話はこの期間のことではなく、1989年のテッペンをつけたところから最初にストンと墜ちるまでの期間についてです。
    最初にボカンと落ちるまでに9-18ヶ月くらいのタームが発生するということで、これはマネタリズム的な解釈でいうと(かつてカルドアが言っていたようにマネタリストは)「貨幣供給が価格を決定する。この結果が実体経済に反映されるまでに経験則として6-24ヶ月かかっている」という事かと思われます。

    株価暴落はこの場合、多額の民間債務の焦げ付き≒信用不安を引き起こしていて、これはデフレ(不況)です。この信用不安デフレの結果が実体として株式市場に目に見える形ではっきり出たのが1990年9月30日の暴落だった…ということです。テッペンから2/3までおっこちた大暴落までの期間が約9ヶ月だったということです。

    よって中国株もテッペンから数えてこのくらいの期間が経ったら回復不能なレベルの下落になるのではないかという話でした。ちな、上海株式市場の直近のテッペンは2021/9/10もしくは2021/12-10で、コレ以後、今日2023/1/18までに二度ほどの谷を作っての上げ下げの後、ジリジリと下げ続けています(だいたいテッペンの78%程度の平均株価)。

    このまま力なくジリジリと下がっていく可能性さえありますね…ಠ_ಠ;
  • 我々は歴史的瞬間に立ち会っているのかもしれないなと思いますね……。

    日本は衰退してもはや中国には敵わないと思っている日本人は多いですが、あれだけ発展した上海でさえまだ日本人より平均年収はだいぶ低く、せいぜい二百数十万円なんですよね。

    中国人留学生の友人は、中国の若い世代の多くは共産党が嫌いだと言っていましたし、香港が中国領となったことで押しかけて来た大量の中国人は、鳥籠のような部屋で暮らしていると教えてくれました。中国のエリートは法曹ではなく官僚ですが、汚職をしていない官僚がいるのかというレベルで汚職が蔓延っており(この数年でだいぶマシになったそうですが)、大物では数百億円規模だそうです。
    土地を政府が全て所有しているような国なので、私のような日本人の感覚では何とも理解しがたいところもあると思いますが、素人目にもかなり危ういところまで来ているような気がします。本土からの富裕層の脱出が加速していきそうです。
  • そうなのですね@@;
  • なんかこう…、1991年の日本を見てるような気がしてきましたね。あのときには「数年で(不況も)終わる。また狂乱騒ぎが戻ってくる」とみんな漠然と思ってましたからね…。

    ワイの時には正社員として就職できたのですが、この数年後は正社員になれる大学生が激減しましてね…。若年層失業率が10%近くになるということは、実際には正社員になれる大卒は6割程度という感じで、しかも仕事(給料)はかなり低い方の職種のみ…というほど酷いんですよ。第一希望〜つまり大手にはほぼ入れないという感じでした。

    中国の若年層失業率は14%ということですから、ワイらに比べればもっと悲惨なことになるのではないでしょうか?

    失業率10%超えはもはや大卒は超エリート大学生でもないかぎり正社員さえ難しい…と考えるべきかもしれませんね(T_T)
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