屑木 夢平

希死念慮にまつわる詩です。

僕という存在の複雑性と曖昧性を文字という確実な表現方法で変換することによってしか、世界との関わりを持つことができない。そのおそろしさについての詩です。

片田舎にあるラブホテル『ホテル・カリフォルニア』で、私は出会ったばかりのあなたとセックスした。孤独な二人はお互いの欠けた部分を埋め合わせるかのように付き合い始めたが、うまくはまっ…

蒸発した母親の借金を背負わされる娼婦のリサは、人としての尊厳すらも奪われるという最低街（ボトム）へ送られるが、そこで出会ったハッカーのトオルにけしかけられるまま、自分を虐げてきた…

深夜に肥大する憂鬱についてまとめた短歌です。

天使を見たことがある人ならばわかると思うが、天使というものはどこにでも隠れているものである。 しかし、それを知っている人は意外と多くないのである。

私は人生へのエントリーシートを書き続けている。 誰に採用されるのか、あるいはされないのかもわからないまま書き続けている。 書類選考を通ったことがまだない私の、エントリーシートある…

過ぎゆく夏のスピードに取り残された感傷と熱情たちです。

書き留めた断章やふと漏れ出た呟き、文字の羅列の蓄積。 あるいは詩の、小説の一部にもなれなかった言葉の墓場。 私が生きている限りこのノートが完結することはない。

星に命を預けても、この感傷は誰にもやらない。

流れ星に何を願いますか？

短歌・俳句コンテスト二十首連作部門応募作品です。 感傷は物心ついたときから私のポケットにいつもありました。 そこに一握りの抒情が混ざったとき、出来上がった言葉たちです。

ぜんぶ意味のない空想だ

今の自分を好きになりなさい、みたいなことを言われるたびに吐きそうになる人生でした。

誰だって心に鬼を棲まわせているのだと思う。

朝日を好きになれなくなると、生きていくのが辛くなるなって思います

クリスマスの夜。蒸発した母親の借金を背負わされた娼婦のリサは、ついに返済の見込みなしと見なされボトム送りとなる。下準備としてリサの記憶の改ざんを命じられたクラッカーのトオルは、絶…

人間の脳に寄生して幸福を食い荒らす『幸福虫』が蔓延し、幸福を想起させる物が厳しく規制された世界。幸福誘発物の回収人であるネズミとその妹ネコは、幸福虫の危険から解放され、幸せが約束…

きっとぼくを見つけ出してください。そう書き残して失踪した彼を、あなたは探し続けている。思い出の場所を訪れ、彼との記憶をさかのぼるあなたは孤独の深みに沈んでいくが、それでもいないは…