• 現代ファンタジー

リマリア夢日記「イカの大脱走」

皆さんは夢を見ますか?
そしてその夢を起きてからずっと覚えているでしょうか。

私は見た夢の内容を鮮明に覚えているタイプなのですが、変わった夢を毎日のように見ては起きてすぐにツッコミを入れるという日々を繰り返しています。


「なんで…なんでイカなんだ…」


ちなみにこれが最近の夢に対する感想です。

さて、そんな(どんな)悪夢ライフを繰り返している私ですが、この夢の内容を書き連ねていったらいいかもしれないと割と昔から思っていました。
今までは夢を見た後は例えばTwitterに気が向いた時に変な夢を見たと書くくらいのことだったのですが、どうせなら鮮明に覚えている内に何か形に残しておいた方が後で自分で見返したときにも楽しいのではないか。

そういうわけで、どこに書こうか考えている時に思い浮かんだのがここです。
せっかく「近況」を書く場所があるのだからここに書いたらいいじゃない。
それも小説風に。

文字を書く良い練習になるね。

そんな軽くスナック感覚で取り組むのが今回から始まる「リマリア夢日記」となります。


私においては自分の夢の記録簿として。
皆様におかれましては他人の夢を覗くような軽い気持ちで見て頂ければ幸いです。

尚、私が夢にみた内容をそのまま書くので当然中身に整合性というものはなく、支離滅裂な部分が多々発生すると思いますが、それも夢ということでお見逃しを。

ではまず記念すべき第1回目の今回はつい先日見た夢の内容を。



【イカの大脱走】

そこがどこなのかは分からない。
私は自宅のような自宅でないような不思議な部屋の中にいた。
大きな屋敷にあるような昔ながらの和室でとても広い。畳の香りがするような落ち着いた空間だ。

その部屋に私は立っている。
明らかに自宅ではないのに自宅だという不思議な感覚のするその場所で目にしたのはプラスチック製のごみ箱のような箱であった。
とても優雅な和室に置くには似合わないその箱の上にはなぜか軟体動物の姿がある。


イカである。
それも大きく立派な水イカだ。

私は思った。
『母さん、珍しくイカを買って帰ったのか。ってかこんなとこに置いてたらまずくない?冷蔵庫とか入れないと。』
そう思ってイカに手を伸ばそうとした次の瞬間、奴は動き出した。

立派で新鮮な水イカは唐突ににゅるにゅると動き出し、とてもイカとは思えないスピードで畳の上を這って行く。

逃げられる。今夜のご飯におけるメインがいなくなる。

とっさにそう思った私はイカの捕獲を試みようと後を追いかけるが追い付けない。
そうこうしている内に場面が変わった。




次に私が立っていたのは間違いなく自宅だ。見慣れた景色。
そんなダイニングのテーブルの上に "また" 奴がいた。


イカである。
先程よりもさらに大きくて立派な水イカだ。
それがテーブルの上を占拠していた。


大振りになると味も大味になってうまみが落ちそうだ。
などと考えている内に再び奴は動き始める。
今度はゆっくり、ゆっくりと這い出す。

これなら問題なく捕獲できそうだ。
というよりもテーブルの上に放置せずに冷蔵庫に仕舞っておくべきではないのか。

しかし、私がイカを冷蔵庫へ入れる為に捕まえようと手を伸ばしたとき母の声が聞こえた。

「ちょっとこれ見て。」


玄関の方である。
とりあえずイカの捕獲は後回しにして玄関へと向かう。
すると玄関ドアを指差しながら母が言った。

「この奥の方見える?あれ凄い水漏れしとるけぇね。今度修理せにゃ。」

玄関ドアのポストのような隙間の向こうには確かに滝のような水が落ちている様子が見えた。
尚、我が家の玄関ドアにはポストの穴など無い。

私はとりあえず頷いた後に母に言う。
「ねぇ、イカが脱走しよるんじゃけど。」
それを聞いた母は言った。「はぁ?イカが逃げよるん?」

2人でダイニングへと戻ると、イカは現在進行形で脱走の最中であった。
自分達の姿を見つけるや否や大量の墨を吐き散らして威嚇する。

「ほら、あれあれ。換気扇の方に行きよるね。」

私が言った時、イカは既に換気扇の隙間へと辿り着きその隙間から外へ脱出しようという時であった。
それを見て二人とも特にその場を動かずに "あそこまで逃げられたら仕方ない" という様子で立ち尽くすしかなかった。

結局、最後までイカを捕まえることは出来ずに晴れて自由を手にするイカを見送ることになったのだ。


ここで私は目覚めた。
そして開口一番に言う。

「なんで…なんでイカなんだ…」

-了-

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