拝啓 薫風の候
皆様におかれましては益々もとい
久しぶりの近況ノートの更新です。
スポーツ大会風に言うと7か月半ぶり、11度目の更新となります。
そうですか。
さて、つい先日のこと。
新作小説である【メランコリア・A】の第3章を公開しました。
千年を生きる幼き少女、アンジェリカ・インファンタ・カリステファスを主役に据えた作品で、第3章では空飛ぶ戦艦がわーっとなって海の上にいる船ががーっとなります。
アンジェリカ、マリア、ロザリア、イベリス、アイリス、アルビジアなど、これまでの作品で主役を張ったヒロインたちに加え、シルフィー、アンディーン、リカルド、アビガイルといった新キャラ達の葛藤も鮮明になっていきます。
詳細は割愛しますが、【精神と戦争】【過去と未来】をテーマにして【世界特殊事象研究機構、国際連盟、ヴァチカン教皇庁、世界国家、グラン・エトルアリアス共和国】が激しい火花を散らす非常に重たい作品で、作者である私がこう言ってしまうのも難ですが、間違いなく読み手を選ぶ作品であると断じます。
【不可視の薔薇 -ウェストファリアの亡霊-】に続き、精神の解離にまつわる話や大衆扇動による戦争誘発の話、その他人類史が抱えている諸問題が作中には様々な形で取り込まれています。
フィクションではありますが、歴史として現実に起きたことをリンクさせているので、昨今の世界情勢に思うことがある方は純粋に物語を楽しむという気持ちだけでは読めないところもあるかもしれません。
現実に起きている(或いは起きた)出来事が心に突き立てられてくる雰囲気と言えば良いのでしょうか。
実際、そのような感想を頂いたこともあります。
※ただ、戦争ものの小説を書いている時に戦争が実際に勃発したというのはまったくの想定外で、ここに史実を絡めようという意図はまったくありませんでした。
いつか起きるだろうとは思っていましたが、それは西暦2030年を過ぎてからだろうと思っていたからです。
話を戻します。
わたしの書く作品群とは、ネットならではの「気軽に小説が楽しめる」文化の「気軽さ」が徹底的に欠けた作品で、読んだ後に頭の中がぼーっとするという作品であろうとも思います。
その点については【書きたい題材を描いたらそうなった】という意図的なものです。
こうした特徴も踏まえ、現在公開されている作品全てを読んで頂いている読者の方、またこれまで一部でも触れてくださった方に大変な感謝をしております。
この場でまず深く御礼を申し上げます。
この言葉を伝えたかったというのがこの近況ノートの趣旨のひとつ。
以外にもうひとつありますので続けます。
さて、この超重量級小説【メランコリア・A】本編が中間に差し掛かったところで私が思うことを少しだけ書き綴ろうかなと思い立ったのは今日のお昼のことでした。
お昼に焼きそばを食べた後に思い立ったことです。
からしマヨネーズは最高ですね。
そうですか。
時を遡ること2020年3月。
【イベリスの箱庭】を公開して以後、継続して2年と少し。
正直、よもやここまで長く1つの作品群の執筆をつづけることになるとは正直自分でも思っていませんでした。
私は飽き性です。
1つのことを長く継続するということが滅多にありません。
仕事に至っても、今の仕事に就く前で一番長く続いた仕事は5年。
以外の仕事は全て3か月から半年足らずで辞めてきました。
今の仕事はかれこれ6年目に突入していて、このまま数十年と継続しそうですが、それ以前というものは経歴書に記載するのも「どうなのか」と思うくらいだったのです。
これまでの人生において一番長続きしているのが【音楽を作ること】で、これは高校生時代から今に至るまで続いていること(とはいえこの数年は小説優先の為お休みしていますが)なのですが、その他のことに関してはまったく続いたものがありません。
自慢げにいう話でもないのですが、本当に継続性のない人間なのです。
そんな私のような人間が、途中で飽きもせず、諦めもせず、筆を折らずに創作し続けていること。
まずこのことが自身の中で驚嘆に値する部分で、自分自身を「凄い」と褒めてあげたいところでもあります。
尚、これまでの作品と同じように、現在のメランコリア・Aや執筆予定のマリス・ステラに関しても(リマリア自身に何事か起きない限りは)完結保証いたしますので、続編をお待ちの皆様方におかれましてはご安心頂ければ幸いです。
その中で思うこと。
自己問答ですが「なぜ、誰にも読まれないかもしれない作品を書き続けていられるのか」ということ。
よく考えてみれば、1日10時間以上頭を悩ませて書いた作品が誰の目に触れることもない可能性もあります。
先に記載した通り、私の作品は確実に読み手を選びます。万人に薦められるものではありません。
私の力量が足りないこともあり、実際にPV数も少ないです。
特にアイリスプロセスや眠りの妃辺りは悲惨です。
作者の方によっては、このPV数が伸びることが書く動機、モチベーションであるという方もいらっしゃるかと存じますが、私の場合はどうにも違う。
PV数は動画サイトでいうところの「再生数」ですね。
ニコニコ動画で活動していた頃は私も気にしていました。再生数。
ただ、音楽では非常に気にしていたそういった数字ですが、これが伸びても伸びなくても、私は小説自体は書き続けることが出来るんだと思い至りました。
では、何の為に誰一人として読まないかもしれない作品を書き続けているのか。
寝る前にたまに考えます。
「次のシーンではこうして…いや、待てよ。そもそも自分、なんでこの作品書いてるんだろう。誰も読まないかもしれないのにさ。」
などと。
それでも次の瞬間にはそうした思考は消え、次のシーンについて考えを巡らせているのです。
なぜなら偏に【創ることが好きだから】
元々、音楽だけで表現が不可能な領域を作り出すことを目的として始めた執筆活動。報酬を求めて始めたわけではありません。
でも報酬があれば尚嬉しいです。PV数やコメント、評価お待ちしております。
贅沢を言うと書籍化、アニメ化の話お待ちしております。
もとい。
創ることが好きであるのと同時に、創作によって【広がる世界観】がまた好きなのだと考えました。
小説を書き始めたことが契機となって、例えばTwitterでも小説繋がりでFFとなった方が多くいらっしゃいます。
創ること(自分の心の中を現実に表現すること)と、その創作が他者との繋がりを生み出すこと。
やはり基本的にこれが一番大きいのだと、繰り返しになりますがこの数日で改めて実感した次第です。
メランコリア・Aは折り返し地点を過ぎたところなので、これから4章と、最低でも5章までは物語が続きます。
きっと1章あたり20万文字に達するだろうと想定しますので、作品完結時には初の100万文字作品となるかもしれません。
それでも、書き切ることができると私は自信を持っています。
100万文字であっても200万文字であっても、自分の中にあるものを全て吐き出すまでは書き続ける自信がある。
なぜなら【創ることが好きだから】。
ただ、自分の中にあるこの考えを文章として書きたかった。
これがこの近況ノートの趣旨でございます。
この近況ノート自体も誰にも読まれないかもしれない。いえ、読まれません。
それでも、私は私の心の中にあるものを今後も書き綴っていこうと思います。
時に文字で、時に音で。イラストは無理です。挫折しました。
もし、私の作品に触れて「いいな」と思ってくださる方がいらっしゃいましたら、物語が完結するまでの間お付き合いいただけましたら幸いでございます。
では、7か月半ぶり11回目の更新はこの辺りで。
かしこ