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【第九回】小さく完璧な小説を書こう 報告会

https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054886439138

厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
この時期は人間も参ってしまうほどですが、パソコンもまたオーバーヒートしやすいですね。バックアップはしっかり取っておきたいところです。

それでは、報告会を始めていきたいと思います!

今回の参加作品は12作品でした。夏の暑さを感じさせるものや、ここのところ多い災害に関するもの、夏休みらしく(?)戦争を題材にしたものなど、様々なテーマの作品を読むことができて、企画者としてとても興味深かったです。
そして今回はどの作品もレベルが高い!
拙作が霞の中にすっかり隠れて見えなくなってしまうほど、個性豊かで文章力のある作品群でした。もっと他の人に紹介したい……!鍛えるべきは企画者の営業力だと痛感した次第。

十河冬青さんの『海に散る桜』の淡々とした語り口も、宇部松清さんの『春夏秋冬の』にみられる軽妙で爽やかな読み味も紹介したい!したいのですが、グッとこらえて一作品だけ、紹介させていただきます。



 リザレクション  作者 成井露丸

前回に引き続き紹介する形になりました、成井さんの作品です。
冒頭に関しては『CRIMSON』よりも若干の読みにくさはあったものの、それら全てが最後の一文に向かうための仕掛け。
仕掛けが分かれば何と言うことはない、と一蹴するかも知れませんが、マジシャンがタネを隠して人に驚きを提供するように、作家もまた驚きを提供するためにタネを仕込むのです。そして、仕込みが完璧であればあるほど、私たちは騙される。
私は騙されました。思わずツイッターで呻きました。
そして、本当に面白い作品は、仕込みを確認するために読み返すのを苦にさせません。
一度、読んでください。仕込みを知ったあなたは、二度目を苦も無く読むことでしょう。

あまり長々書くと初読の方の楽しみを奪ってしまうのでここまでにしたいと思います。



小さく完璧な小説、というものを自分もさまざま悩みながら書いておりますが、こうやって企画に参加してくださる方の作品を読んで「これはすごいぞ」と思えることが、こうして自主企画を立ち上げている動機の一つでもあり、私が負けじと良い作品を書こうと思うモチベーションの一つでもあります。
短編小説に脚光を。などと考えておきながら、その実、企画者が一番エネルギーを頂いているな、と感じるのはとても幸せなことだと思います。
ご参加いただき本当にありがとうございます。

これからも企画を良いものにし、ご参加くださった方々が「この企画に参加してよかった」と思えるようなものにしていきたいと思います!
次回の自主企画も、よろしくお願いいたします!

8件のコメント

  • 企画運営お疲れ様でした。

    「リザレクション」は自分も読んで圧倒されました。あのシンプルなネタをかくも鮮烈に描けようとは。かろうじて手前で気づきましたけど、そのときにはもう予測可能回避不可能の領域でした。自分みたいなミステリ読みからはかえって出てこないタイプの話だと思います。
  • 今回もお疲れさまでした。そして、★とレビュー、ありがとうございます。
    こちらの文で名前が出てちょっとどきりとしました。もうそれだけで胸一杯です。ありがとうございます。
    今回はさすがに無理かな、次回にしようかなと思いながらぽつぽつ書いていたのですが、何だか間に合ったので参加させていただきました。やはり目標があると頑張れちゃうものですね。
    次回ももし間に合えば、と思います。その時はよろしくお願いいたします。
  • 企画お疲れ様です、ありがとうございました。
    また的確な(そして過分な)レビューまでいただき恐縮です。

    コソコソと勇気を振り絞って参加させていただき良かったです。
    次回もあるようでしたら精進いたします。
  • 戸松秋茄子さん

    コメントありがとうございます!
    予測可能回避不可能のもどかしさも、醍醐味のひとつですよね。
    今回の戸松さん作品は、新しいことに挑戦している、という姿が見えてとても好印象でした。進化するぞ!ってエネルギーが感じられました。

    参加いただきありがとうございました!
  • 雷藤さま

    前回に引き続いて、ご紹介いただきまして大変ありがとうございました。恐悦至極です。
    作者自身としては、オチの驚き以上に、オチが分かったあとに理解できる主人公の追い詰められら切ない感情を一番の軸にしておりましたので、「二度目の読み」に言及してくださったのはとても嬉しいです。
    大変ありがとうございました!!

    戸松さま

    お読みいただきありがとうございます!
    「ミステリ読みからは出てこない」というコメントがとても嬉しいです。今回はミステリっぽくなりましたが、僕自身は、あまりミステリの教養?の無い人間でして「自分にはミステリはムズすぎる〜、書けない〜」と思っていました。(ちょっとだけコンプレックス)

    でしたので、そういうふうに「ミステリ読み」の方から違う角度で楽しんで頂けたのはとても嬉しいです!

    今後ともよろしくお願いします!
  • 宇部 松清さん

    コメントありがとうございます!
    私の企画が誰かのモチベーションになっているのであれば、それはとても嬉しいことだと思います。
    今回の宇部さんの作品のスッキリした書き味はとても好きです。
    読み進めるほどに引き込まれていく作品だな、と思いました。

    参加いただきありがとうございました!
  • 水飼戸さん

    コメントありがとうございます!
    実際に体験した自然の驚異、不幸な出来事を物語にするのはとても大変なことだと思います。しかし戦争文学などもそうですが、実際に体験した人の語る言葉というのは、経験したことのない人には気づくことがとても難しいものもあり、そしてそういう知識こそが次の防災につながるのでしょう。
    とても良い作品です。

    参加いただきありがとうございました!
  • 成井露丸さん

    コメントありがとうございます!
    読んだ後にもう一回読むことで味わいが深くなる作品はとてもよいですね。
    映画や長編小説などでそれをすると少ししんどい思いを私なんかはしてしまうのですが、10分程度で読める短編小説だと、短期記憶の残っているかいないか曖昧なところでガッとくるので(説明下手だな)、読み直すのが逆に面白いという。
    とにもかくにもとても面白い作品でした。

    参加いただきありがとうございました!
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