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SF書いてる人って偉いよな

俺なんか人形姫アネットで3回下書きの段階で失敗してるからね。
『人形姫アネット』
https://kakuyomu.jp/works/16817330648552652166

おとぎ話の異世界恋愛でこれだもん。

1回目。人形姫の駄目さ加減に人形が呆れて自分の命を吹き込んだはずの人形に逆襲されて主人公、つまり自分が死亡。2万文字。

ダメダメダメ。元ネタは『マール王国の人形姫』なんだから。

そこで図書館に禁断の技術とされた『ラジエルの書』が置かれており(全然禁断じゃないんだけどね)、低レベル人形操術であってもコツがあるとして「人間を絶対に害さない」という制約呪文を絶対に同時付与せよという教科書が置かれているという事にした。このままじゃおとぎ話じゃなくてホラーになっちゃう。なんで『ラジエルの書』という名前なのかと言ったら本当はこの人形、録音や録画ができる人形に出来るのだ。ラジエルという天使は旧約・新約聖書では記録係の天使なのでそういう本の名前になってる。由来もちゃんとあるんだよ。

2回目。ダメな人形姫のために自分を身代わりに次々人形が機能停止。つまり死亡。5万文字。
ダメダメダメ。元ネタはry
身代わり地蔵じゃないんだから。おかげで人形姫、闇堕ちです。溺愛王子もドン引きです。

そこで人形に、「ある程度は自分自身を守ってね」という緩和命令を付与した。もちろん戦争時はこのセーフティーを解除する。人形と言っても奴隷じゃなくてアネットにとっては唯一心を許せるお友達なんだから。後から溺愛してくれる王子様が現れると言っても。

ただし、友達である人形を裏切ったら人形は操術者を見棄てることが出来る権利を持たせた。人権ならぬ人形権って奴。そんな奴、人形を操る資格がない。人形に命を吹き込む人は「命」である以上責任が重いのだ。だから、友達、なんだ。その代わり人間を裏切ると人形は数日でエネルギー切れで機能停止(=死ぬ)するが。だから、本作品は人形は裏切らない。アネットには人形への愛があるから。

俺思うんだ。大事なのはテクノロジーじゃなくて倫理なんじゃね。

3度目。ラストまで行った。やっとある程度おとぎ話を作ることが出来た。十万字までいった。サイドストーリーも付加した。人形も満身創痍で敵にやられるシーンもある。がこんな指摘を食らった。
「綿と布さえ入れ替えればコアが生き残っていてエネルギーを注入すると何度でも再活動できる。それって主人公たちどころか子孫も人間の死を見続けるって意味だよ。約800~1000年も」

ダメダメダメ。僕が書きたいのは『八尾比丘尼物語』じゃないんだから。
そこで魔石の寿命は約80年とした。人の死を見続ける人形って命を吹き込んだ人形ということは心を持ってるんだからそんなことをしたら可哀想でしょ。ただし子孫への相続は可能とした。

それで完成したのだ。

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