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読書の秋(1冊のみ)

「どくしょのあき」が流行っているそうなので乗りました。
でもフランスの本でタイトルがまったく出てこなかったので(笑)今読んでいる本を1冊だけご紹介します。

「プチ・ニコラ」Le Petit Nicolas

小学生の男の子ニコラが学校や家で起こったことを一人称で語る掌編集。友達との遊びや喧嘩、学校の先生のことや、お父さん、お母さんとの生活。なんでもない日常の些細なエピソードが、子どもの視点で生き生きと書かれています。

作者はルネ・ゴシニーという、フランスではとっても有名な人なのですが、この人の文章は、まるで本人が子どもに戻ってしまったんじゃないかと思うほど、等身大の感性で書いてあります。自身の小学校の記憶をもとにしているだけに、ひと昔前のフランスの子どもの生活が垣間見られるのも楽しいです(初版1959年)
家と学校と友達、それだけで子どもの世界はこんなにも膨らむことができたんだなと、その豊かな筆致に感じ入るばかりです。
 
児童書なので小学生ぐらいでも読めると思います。でも子ども向け、という書き方とはひと味違って、ちょっとした言葉遣いにフランスらしいウィットがあって、大人が読んでも充分に面白いです。親子で読むのもお勧めです。

あと、今年亡くなったジャン=ジャック・サンペの挿絵がまた最高に可愛らしいので、それも一緒に味わってください。さらさらっと描いたような絵なのに、すごく表情豊かなのです。

どこか懐かしくて普遍的な世界に浸れます。気持ちがざらついた時に癒されますよ。日本語訳も出ているようなので、ぜひ読んでみてください。

19件のコメント

  • イラストが、日本のかわいすぎるイラストと違っておしゃれですね。
    どくしょのあき、私も挑戦したけど、なかなか楽しかったです。
  • ありがとうございますっ!
    小学生の頃。今とは時の流れが全く異なっていたように思い出されます。
    断片的な記憶を紐解いてくれそうな作品ですね!
  • ステキな本があるんですね。
    ご紹介ありがとうございます。
    これ一冊を紹介されるくらいですから余程いいんでしょうね。

    私もどくしょのあき、挑戦してみたいのですが、最近本をほとんど処分してしまったので、書棚に本がなく、思い出せなくて諦めました。

  • フランス語の本を読む自分……憧れます。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
  • 澄田さん、
    そうなんです。イラストがシンプルなんだけどすごく可愛らしいんです。
    どくしょのあき、澄田さんのも見に行きますね 📚
  • 呪文堂さん、
    子どもの日常ってちょっとした事が大事件でしたよね。あーこんな感じだったなあと懐かしくなります。
    童心に帰らせてくれる素敵な本です^^
  • レネさん、
    本当はちゃんと揃えたかったのですが、自分も本がなくて......1冊だけとか、ただの本紹介ですね(笑)
    日本では知られていないかもですが、作者も画家もフランスの巨匠なんですよ。素敵な文と絵で、素朴な子どもの世界に癒されます。。
  • 上月さん、
    フランス語でも日本語でも......子どもの世界って同じですね。
    機知に富んだ文章に憧れます📖
  • あ、なんか見たことある絵です。
    以前にエッセイで紹介してらしたノルマンディー? の画家さんとテイストが似てますね。同じ人かな。

    絵も可愛いんですが、著者と画家の名前が仲良しっぽく並んでるのも可愛いです。
  • なんて可愛い本!
    子供の世界って豊かですよね。私も通学路に新鮮な驚きがあった気がしますもん。
    大人になると、驚くどころか疑っちゃうのが嫌ねぇ。

    しかし、柊さんは随所でセンスの良さを見せるわよね。わたしなんて最近買った本は、『お菓子な擬人妄想日記』よ。
    ショートケーキちゃんが「どうせあたしなんて定番すぎておもしろみのない女よ!」といじけていたら、作者が「ばかだな。一生をかけて愛したいのはお前だ」と言うの!
    下手な恋愛小説より、胸キュン♥
  • 橋本さん、
    橋本さんみたいに華麗に揃えたかったですが、フランスの本では難しかったですね。全然関係ない「ぷ」になっちゃいました(笑)
    画家はエッセイの人ではないんですが、テイストが似てるってすごく分かります。どっちもノスタルジーを感じる絵ですよね。個人的にこういう雰囲気好きです。
    それからサンペとゴシニーの名前が並んでるのチェックされるとは鋭いですね!ふたりは友達同士だったようです。おっさん二人が子ども時代を文と絵で描くって、どんだけ仲良しなんでしょうね。
  • 遊井さん、
    可愛いですよね。中身も微笑ましいというか、思わず笑っちゃうようなエピソードがいっぱいです。子どもの世界ってどんな小さなことでも豊かな冒険になるんですね。今は足元の犬の糞しか目に留まらない大人になってしまいました。
    児童書を読んで涙している大人がセンスいいのかは分かりませんが、お菓子の本は斬新で面白そうですね。ショートケーキと作者のやり取りみたいなのが続くんでしょうか。
    下手な恋愛小説より甘いとか🍰 なんてね
  • 柊さま。
    書き込みありがとうございます。
    エッセイの更新がなかなか滞ってる私の、せめて近況ノートでもあげようという苦肉の策です。
    珈琲の香り、ありがとうございます。
  • 作者自身が子供に戻ってしまったような……そんなふうに作品を描ける筆力、憧れます。子供のキャラクターを動かしているのに、つい硬い言葉や難しい熟語を喋らせてしまって……子供の台詞にはもっと易しい語彙が相応しい、と思いつつも、辿々しい言葉では書き手として伝えたい内容が読み手にうまく伝わらない。その歯痒さに負けてしまって^^;
    表紙もとてもお洒落ですね。日本語版、読んでみたくなりました!(*´꒳`*)♡
  • aoiさん、
    「どくしょのあき」の趣旨から大幅に外れてるのにこんな丁寧なコメント頂いて嬉しいです。
    ニコラの一人称を読んでいると本当に男の子が喋っているみたいで、大人がこの視点に戻って書けるのってすごいなと思います。
    言葉遣いもそうですが、無邪気さの中に疑問とか皮肉とか、子どもなりの複雑な思考や感情が書いてあるのがいいんですよね。
    イラストはシンプルなのにとてもあたたかくて好きです。もしよかったらお手に取ってみてください(*´꒳`*)♡
  • 柊さん おはようございます。
    拙作に評価を下さって有難うございました!

    読書の秋ですね。最近視力が落ちてきて以前みたく沢山の本を読まなくなりました。でも一応小説は買ってしまうわけで。。。
    現在読んでいるのはジェロームルブリの魔王の島。ファンタジーかと思っていたらミステリーだったという罠でした。
  • 悠木さん、
    こちらまでお越しいただき恐縮です。無言で読んで失礼しました。書くことについても、書く人たちについても、色々考えさせてくれるお話でした。
    視力が落ちると集中力を削がれますね。読みたい気持ちはあっても……自分は本をあまり読んでこなかったので、たくさん読む人ってすごいなと思います。
    タイトルはファンタジーっぽいけど、そうですか。面白い罠でしたね。
    書く方にも目は大事なのでどうか大切になさってください。季節の変わり目ですので、お体もご自愛ください。
  • 柊さま、この度は拙作「アドラメレク」へ素敵なレビューをいただき、ありがとうございました!!
    おかげさまで、作品をフォローしてくださる方が増えました。楽しんでもらえるといいな。ドキドキ。
    柊さまのコメント、力を入れて書いたところや知らんふりして置いた細かな伏線なんかをきっちり見つけてくださったのがすごく嬉しかったです。が! 鋭くて時々ヒヤリとさせられましたw 何度「バレたか…」と一人ニヤけたことか。
    今もレビューを何度も読み返しては、嬉しくてニヤニヤしております。

    画像の本、面白そうですね。空を見上げながら楽しそうに水溜りジャブジャブ。いかにもやんちゃな男の子、って感じのイラストも素敵。読んでみたいです。憶えておこうっと。
  • 霧野さん、
    ついに読み終えました!自分はコメントとかレビューとか結構悩むのであまり気軽に書けないんですが、気持ちだけ受け取って下さればと思って書きました。喜んでいただけたなら何よりです!

    レビューをきっかけにフォローしてもらえることありますよね。自分も参考にさせてもらっています。御作品はかなりの長編なので本当は躊躇していたのですが、最後まで読んでレビューを寄せている方々のお名前や内容を見てこれは確かだなと思いました。実際に読んでやっぱりすごかったです。

    伏線は全部気づいていたわけではないですが、力がこもっているところは感じられますよね。登場人物に対す愛情もヒシヒシ伝わりました。作者が愛情を込めて書いてる登場人物は息をしてるように感じます。この作品もそういう生きてる感覚がしました。上手く言えませんが。。

    プチ・ニコラはフランスらしいユーモア(でも毒っぽくないやつ)がいっぱいで楽しいです。挿絵もノスタルジーを感じますね^^
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