• 現代ドラマ
  • エッセイ・ノンフィクション

冬晴れの朝、オルセーの時計裏

カクヨムコンも始まってお忙しいところお読みくださり、ありがとうございます。
コンテストとは関係ない話なので気分転換にでもおつきあいください。

今日は休みだったので、久しぶりにオルセー美術館へ行ってきました。現在開催中の特別展の評判がいいので、気になっていたのです。
今は美術館もほとんど予約制みたいになっていて、オルセーのような人気の場所は気軽に行くことも難しくなりました。特に今回は、印象派の陰のボスみたいなカイユボットという画家の特別展なので大人気。予約すら困難です。サイトを見ても全日程売り切れ。
うへぇと思って一瞬あきらめかけたんですが、
「予約できないなら朝から並べばいいのよ」
と僕の中のマリーアントワネットが囁きました。そうだ、予約にとらわれすぎて原点にかえることを忘れていました。
この季節には珍しい冬晴れ。着いたときにはもう行列ができていましたが、朝イチなので開館と同時にすんなりと入場することができました。午後になると人数制限がかかる特別展もそこまで混んでおらず、自分のペースで見ることができました。

パリの美術館でどこが好きかと訊かれたら、迷わずオルセーと答えます。親しみやすくてゆったりとして、気分が落ち着きます。できればここで暮らしたいぐらい。毎日いろんな絵の前に座って過ごし、駅舎の建物を散歩し、レストランの厨房で料理をして、大時計の裏にベッドを置いて寝たらどれだけ楽しいだろう。
一番の気に入りはこの5階の印象派のフロアにある大時計の裏。巨大な文字盤の向こうにパリの景色が浮かんでいるのが最高です。ここはいつもたくさんの人が写真を撮っているんですが、今回は朝イチだったのもあって無人の時計が撮れました。
朝から美術館に行くのも贅沢だなと幸せな気分でした。ときにはこういう心の洗濯もいいですね。
写真はその大時計です。

25件のコメント

  • 時計越しに見る景色、素敵ですね。オルセー美術館に行ったのは、大昔なので、覚えていませんでしたが、撮影スポットなのですね。

    私がパリで一番好きなのはルーブル美術館です。滅茶苦茶混んでいるのは嫌ですが。パリ在住でもないのに、元がとれるということで年間パスを買って滞在中1週間ぐらい、毎日行きました。それでも広大過ぎて、エジプトとメソポタミアの展示と、ギリシャ・ローマをちょっぴりで、他はモナリザ(でも人の頭を見てる時間の方が長かった)、ミロのビーナスとか有名どころをつまみ食いできただけです。またパリに行きたくなりました。
  • おお、ナイスなマリーアントワネットさんですね~。(*^。^*)
    先夜の日曜美術館で、パリ生まれのアーティストの個性的な現代彫刻を拝観しました。やっぱりフランスってすごいな~とあらためて。
  • 朝一番に美術館を満喫、羨ましい~(´▽`*)
    オルセーの話題は前にも書かれていましたね。確か元々は駅舎なんでしたっけ。
    大時計の裏、雰囲気満点!
    鋼鉄とガラスの時代がやってきたって感じの、レトロモダンなデザインが刺さります。
    素敵なお写真をありがとうございました。
  • 見事なお写真!
    時計の文字盤の向こうの街並みがまた素敵ですね(●´ω`●)
    観覧車ありますか?? 円形の装置が二重になっていて、ゆったりした不思議な時間の流れを感じますね。
  • 田鶴さん、
    この大時計は人気撮影スポットなので、無人状態が貴重で思わず撮りました。
    ルーヴルは広すぎてどこから回ればいいのか迷いますね。有名どころを抑えるだけでも大変かも。古代系に的を絞っておられたんでしょうか。パスを有効活用されましたね。
    モナリザは絵を見るより人を見るような感じですね(笑)僕は階段の踊り場にいきなりいるニケが好きです。また来られる機会があるといいですね。
    それからこの場で恐縮ですが、「二十年のち」をお読みくださり、たくさんの☆をありがとうございます。励みになりました。

  • 上月さん、
    チケットなしで朝から並べばいいという基本的なことを忘れてました。平日の午前が狙い目なので、都合がつけばまた行きたいですね。
    パリ生まれの彫刻家、誰でしょう?日本の番組でも取り上げられてるの、ちょっと嬉しいですね。
  • 鐘古さん、
    朝から美術館って清々しくて本当にいいです。
    オルセーのことはエッセイにも書いたことがあるので、覚えて下さってて嬉しいです。そう、駅舎の名残りがあって、展示品だけじゃなく建物自体が好きです。鉄とガラスの建築は19世紀好きのツボを刺激しまくりますね。大時計の裏で一度寝てみたい……
    こちらこそ、見て下さってありがとうございます^^
  • 陽澄さん、
    ありがとうございます!観覧車、あります。向こう側のルーヴルの隣に定住してます。
    文字盤の重厚な感じいいですよね。ローマ数字とか、時がゆったり流れそうで。文字盤に外の色が映るので、天気や時間によっても雰囲気が変わりそうですね。
  • 「予約できないなら朝から並べばいいのよ」
    このマリーさんとは仲良くできそうです!

    僕も博物館や美術館が好きなのですが、展示品そのものより、あの場が醸す空気感が好きだったりするのかもしれません。その意味でも人も疎らな早朝のオルセー、無茶苦茶贅沢なひとときですね!

    美術館で暮らす。気に入った絵の前に椅子でも持っていき、日がな一日眺めてみる。いいですね。そうかあ、柊さんはお料理上手だから、レストランの厨房も使えるのですね!なんか、映画『シャイニング』の冒頭を思い出しちゃいました。食材、使いたい放題!
    寝るのは大時計の裏。時を刻む音を感じながら、沈む街にぽつぽつ灯る明かりを暫し眺めてからベッドに潜り込む。急に気になって暗い回廊をぺたぺた歩き、お目当ての絵を確認してああそうだったかと頷く。また急いでベッドに戻る。…最高ですよ。

    いつの日か、今の仕事を引退したら博物館か美術館の守衛さんになりたい!そんな夢が湧き上がりました!
  • 柊さん、体調がよくなられたみたいですね。グッドアイデアも浮かんで、早朝にオルセーへ。無人の大時計の裏の写真。向うにルーヴルが見え、観覧車が映っていますね。この風景に、なぜ、こんなに心を打たれるのかしら。失恋もしていないのに。パリに住んで、オルセーに慣れていらっしやる方の特権の見方、感じ方。好きな絵だけ、好きなように、自分のやり方で楽しんでいらっしゃいます。旅行で行くと、時間内に少しでも多くを見なくっちゃと思うから、「知識」は増えても、リラックスはできないし、向うもなかなか素顔を見せてくれませんしね。でも、今はパリ王子がいてくださるから、少しその気分になれます。うれしいです。これ、近況ノートに書くにはもったいないのでは。あのエッセイにぴったりだし、小説にもなりますよね。お考え中かも。はい。文章は短く、余計なことは言わない、っと。
  • 柊さんの中のアントワネットは、庶民派なのですね。ふふっとなりました。

    カイユボット、パトロンでありつつも自分も画家であり魅力的な方だったのでしょうね。半分印象派で半分写実的なところに、彼の気質を感じます。
    私は最近、リャドの絵画を観に行きました。スペインの情熱的な印象派という感じで色彩が鮮やかで強かったです。

    美術館で暮らし、大時計の裏で寝る…私は『ノートルダムの鐘』を思い出しちゃいました。パリの景色を眺めながら、心豊かに暮らす。社会との距離感がいいですね。美術館で料理を作ったら、食器も盛り付けもアートっぽくなるかもしれませんね♪
  • 呪文堂さん、
    コロナのあとぐらいから、日時指定が当たり前みたいになってきて、予約しないと入れないって思いこんでました。マリーに感謝です笑

    そう、美術館は建物自体もかなり大事ですよね。僕は駅が好きなので駅舎の美術館は最高です。入った途端アドレナリンが放出します。特に壁の模様とか鉄の骨組みが大好物です。あと開放的な空間なのもいいですね。
    美術館ってなにげにひと通り全部揃ってる(厨房とかトイレとか)ので住めますよね? レストランの厨房使い放題やってみたい。で、ベッドは絶対この大時計の裏です。呪文堂さんの想像が楽しそうで目に浮かんできました。
    夜中の守衛さん、美術館を独り占めですね。想像の膨らむコメントありがとうございます^^
  • 九月さん、
    カイユボットの絵の話、ノートへのお返事もありがとうございました。ナイフの向きが確認できたのが満足です。これを見たとき九月さんのノートを思い出して、これは報告しなきゃ、となって笑
    特別展も、九月さんの記事を読んでいたおかげで親しみを感じました。紹介されていた絵がいくつもあって嬉しくなりました。
    住んでいる者の特権は素直に認めます。いつでも好きなぶんだけ見られる。でもいつでも行けると思うとかえって行かなかったりするんですよね。だから生活の中でこういう部分を忘れないようにしたいと思います。
    今回は実はエッセイにしようかとも思ったんですが、前にもオルセーのことを書いているので、近況の更新にしました。今ちょっとずつ短編を書いてるので出来たら読んでやってください。
  • 葵さん
    僕のアントワネットは実力行使派でした笑 
    カイユボットはやっぱりパトロンとしてのイメージが強いのですよね。特別展では絵描きとしての顔が前面に出ていて、優れた画家だったことが伝わりました。素描とか本作の前のエチュードとか、貴重でした。
    リャドって名前を聞いたことがあるぐらいでしたが、20世紀最後の印象派なんですね。画像を見たら色合いがスペインですね。気持ちが明るくなりそう。
    ノートルダムの鐘、あ、なるほど!まあ教会より駅舎の方が怖くないかな……笑 そういえば今週末はついに修復後のノートルダムのお披露目ですね。こちらも見に行きたいです。
  • パリのオルセー、確かに一番素敵なスポットのひとつですね✨柊さんの中のマリーアントワネット、グッジョブです💛いいですね、みんな自分の中のマリーアントワネットにもっと囁いて欲しいかも~!冬晴れのお休み、良い1日を過ごせましたね!札幌はもう雪景色で、寒くてへこんでます。私もお休みにお気に入りスポットで過ごしたいな~と思いつつ・・・お休み、たくさん欲しいです!
  • 時計の裏! 隠れ家っぽい雰囲気がいいですね。どのくらい大きいんでしょうか。
    美術館に住みたい気持ち分かります。お気に入りの作品の前にベッド置いて寝起きしたい。
  • 神原さん、
    オルセーは規模もちょうどいいですね。混んでなかったらもっといいけど(我儘)思い立って行った甲斐がありました^^
    札幌はもう雪ですか。きれいだろうなと思うけど住んでいる人には大変ですよね……ほんの少しの時間でも気に入りの場所で気分転換できるといいですね☕
  • 柊さん。
    書き込み失礼します。

    いま、カクヨムコンテストのことを考えていて、自分はもう出せる作品はないなあ。参加するだけ参加したいけど、あまりひどい作品もなあ、などと思っていたら,柊さんの、「二十年のち」を思い出しました。
    この作品は、何としてもこのまま静かに眠らせないで欲しいのですが,つまり、カクコンの短編部門に出品していただきたいのですが、お願いできないでしょうか? 柊さんのお気持ちはいかがですか。
    発表した時と比べて今は落ち着いて世に出せるというのであれぼ、どうか、何としても出品していただきたいのです。
    これはもっともっと多くの人々に見ていただき、正当な評価を受けるべき作品だと私は思います。
    どうか、勝手な要望かも知れませんが、出品のほど、よろしくお願いいたします。
    どうか、どうか!
  • 橋本さん、
    隠れ家って言葉がぴったりですね。実際は写真スポットになってるけど笑
    大きさは床から天井まであるので、大人が前に立っても数字から頭が出る程度です。けっこう迫力あります。
    作品の前にベッドを置くのもありですね^^ いつかウフィツィ美術館に泊まりに行きたいです笑
  • レネさん、
    「二十年のち」思い出して下さって嬉しいです。
    実は、もう短編部門に出してるんです、こっそり。
    どこかで誰かの目に留まるといいなと思って。
    すでに発表済みのものはなかなか難しいですけどね。それでも何人か読んでくださいました。
    今は新しいのをちょっとずつ書いてますけど、今年はさらにものすごい数の応募だし、読まれるのを期待せずに気楽に考えて出せばいいかななんて思っています。レネさんもまた気が向かれたら書いてください。
    ともかく声をかけてくださったの、すごく嬉しいです。ありがとうございます。
  • それは良かった。
    新作も楽しみにしております。
    じゃあ、気楽に。
  • 柊さん、こちらに失礼します。
    私の作品第2部への応援、コメントをどうもありがとうございました。
    とても嬉しかったのに、大変申し訳ないのですが、色々と難しさを感じてしまい、第2部は非公開にし、とりあえず第1部をもって完結としました。ごめんなさい🙏
  • 柊圭介さん、こんにちは😊

    パリのオルセー、確か、以前一番お気に入りのスポットで住んでみたいと仰ったような気がします。
    素敵な所なんですね。
    予約しないといけない美術館も柊さんの中のマリーアントワネットが囁き、朝早くから並んだことですんなり入れたようですね。
    グッジョブです👍
    大時計から眺める景色、最高ですね。
  • 風羽さん、
    わざわざお知らせ頂いて恐縮です。
    連載もまたお邪魔します。
  • この美のこさん、
    ずっと前にエッセイで書いたことがありますが、覚えていて下さって嬉しいです^^
    素敵なところはそれなりに人も多いですね。午前中オフになったらこういう時間の使い方をしてもいいなと思いました👍
    大時計からの眺めも素晴らしいので、やっぱり住みたいです(笑)
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する