こんにちはこんばんは、小谷です。
昨日、富士見L文庫×カクヨム短編コンテストの読者選考が終了しましたね。
参加された作家さま、読者さま、お疲れ様でした。
選考が終わってもお気軽にお読みいただければ幸いですが、ひとまずは中間発表までドキドキしながら待っていたいですね。
改めて「その唇を待っている」をご閲覧いただき、ありがとうございました。宣伝などのご協力も感謝致します。また、あたたかいレビューやコメント、応援は励みになりました。
本作は、三度の改稿を重ねて、最終的な形は今の状態におさまりましたが、読み返すと「まぁ、へんてこな恋愛小説だなぁ」と。
思いついたときはテンションが最高だったんですが、よくよく考えるとこの話、二周しないと分からない仕様になっています。一話、二話で切られてもおかしくない。最後まで読んでも「?」ってなる。ある意味、私の中では博打作。
そして、私は読者様から「SF(すこしふしぎ)な恋愛ミステリー」だと言われて気づくポンコツ作者です。なんてこった。
さて。
内容に関してはネタバレになるので、ならない程度の裏話をします。
私は今回、何度も読み返せるような話を書こうと考えていました。それがきっかけであの仕様です。
お題は「恋の話」+「胸キュン」なので、青春×ハッピーエンドは決定事項。恋愛を書くと、どうしても女の子が病んでいたり死んだりしてしまうので、病まず殺さずを心がけ、とにかく爽やか甘酸っぱく。全四話の二人称でいこう。
ここまではすぐに出来ました。
問題は「文字数」です。
元々、短編が苦手なのもので、コンテストも当初は不参加でいこうかと考えていたんですが、何故か空目してしまい、4000〜6000字が40000〜60000字に見えたんです。だからあの仕様で進めてしまいまして。
気づいた時、私はテーブルを叩き叫びました。ゴリラのように。キーボードが生きているだけ、まだ理性はありましたが。
しかし、ここで諦めるわけにはいかず。書こうと決めた以上は書きたい。だったら6000字内で終わらせてやる!何故だか火がつきました。
そして駆け足になってしまった第一校目。
二校目は、文字数規定に踊らされて、一校目を削る作業。
三校目、文字数規定が6000字内となったので、削られた部分の復活+最終校正。なんとか形になりました。
Chapter1〜3までの主人公である上原は下の名前をChapter3を書くまで考えていませんでした。
だから「芯」という名前は突然湧いて出てきたものです。なんで「芯」にしたのか……多分、今までに思いつかなかった名前だからだろうと思います。
この上原くん、クラス内では割りと目立つタイプ……お調子者ってプロットに書いてありました。それで恋愛には奥手だったり深夜アニメ見てたり、周囲のカップルを羨ましく思いながらもどこか格好をつけていたりと、まぁ盛り沢山な人物です。小説の一文みたいな思考も持っているので、おそらく読書も好きなんでしょう。
一方、木ノ下は前述した通り、病まず殺さず「可愛い女の子」を心がけて出来た子でした。こういうタイプを今まで書こうと思わなくて……難しいなぁと書きながら考えていましたね。
こういうタイプだと、話し方が限られるんですよね。「〜だわ」とか。お嬢様ぽい。
でも普通の中学生だし高校生だし大学生なので「〜だわ」とか「〜よ」とか、上品じゃなくていい。普通の女の子はどういう喋り方なのか、悩んだらああなりました。
私の喋り方は参考にならないので。言葉遣い悪いし、語彙力ないし、加えて方言です。まったくあてにならない。妹は論外です。方言どころか武士のようなので駄目です。使えない。
普通の女の子っぽくなっていたらいいなぁと思います。
余談ですが「その唇を〜」で地味に気に入っていたのは、石野でした。身の程知らずにも木ノ下をふり、友人である上原に「くたばれ」と言われた男です。サラサラな黒髪に眼鏡という組み合わせ、完全に私の趣味です。
そして、前作の「21gのひと」にて出てきた夏木くんを登場させました。
これもまた趣味に走りました。別作品から人を引っ張ってくる、というのがしたくて。勿論「21g」を読んでいなくても問題ないんですが。
今思えば、楽しんで書いていました。仕掛けに気づいてもらえるかドキドキでしたが、思ったよりも沢山のお声をいただけて本当に嬉しかったです。
キャッチコピーを変えようかと迷ったくらいですが、あのままにしておきましょう。(「二度読んで下さい。でなければ、さよならです」を思いたんですがやめときます)
最後に。
「21g」もなんですが「その唇を〜」は簡単にいえば青春病みたいなものです。
好きな歌の歌詞に「青春とは病気」とありまして、それをベースに不思議要素を足して書き上げました。
少しでも楽しんだり驚いていただけたなら幸いです。ありがとうございました。
それでは、温度差で風邪ひきそうですが、ノベルゼロコンのホラーをこれからまた書き進めていこうと思います。