くわばらやすなり

脳内に住まう「おしゃべりな自分」を書き起こしたような読感がいいです。ごく普通の体験の中で時系列や空間、果ては他人の家族(想像)まで縦横無尽に飛び回る「思いつき」に近いような発想を感…続きを読む

実体験や見たこと聞いたことを自然に、創作物の体を成して入れ込んでくる、どこかエッセイのような読感のある作風が好きです。

企画モノで圧倒的な筆の早さを誇るこむらさきさんがまたやりました。善意の人間がすぐに分断を思い付いてしまう現実を捉えた社会派短編。僕もはやく人権を獲得してエリジウムへ行きたいです。

まず一番特徴的なのは膨大な量の引用の数々ですね。チキったようにコンプラを気にかかるよりも積極的に作者の脳内世界を提示することを優先する姿勢に好感が持てます。かかってこいよJASRA…続きを読む

4つのオムニバス形式の怪談の順番が、ネットで怖い話を読む人にとって馴染みやすい形態順になっているのが上手いと思います。創作世界という地獄の門を一つ一つ進んで引き込むと同時に「後戻り…続きを読む

最初から黒い羽と月の光のコントラストが演出されていて視覚的な表現が上手いなあと感じました。こむさんの書くものには抑圧的な環境からの解放が根底に見られるものもあるのですが、本作はまさ…続きを読む