カプツカヰ 礼文町の関係のなんぞ。見内神社といふ處の縁起に「乳房が長く、背負ってる人へ授乳ができる」お姉さんがゐてどうたらかうたらと言ふ傳承があった。このやうな「長い乳房を背負ってる」女性の傳承はてっちだかテンジといふ妖怪を含め汎日本的にあるらしい。うーん。
美幌のアイヌ語で、「カプ(乳房)」「カイ(背負ふ)」といふのは、資料があった。長野の南部ではアイヌ語関係の資料があっちの図書館に有ったりこっちの図書館に有ったりするので困るのである。
レプンカムイトット。アイヌの傳承で、背負ってる子供へ授乳ができる程度の長乳の娘さんは沖の神(シャチだ)おっぱいと言はれ、と知里真志保先生が言ってゐると朝里樹『日本怪異妖怪事典 北海道篇』にかいてあった。件の『アイヌ語なんとか辞典人間篇』では、「キムンカムイトホ」とよばれるアスト(立ってる乳房)と共に、めでたいとされるおっぱいで、さう言ふのを持つ娘さんを嫁にするのは大変良いと書いてある。
アイダ・ウェド
アフリカの傳承ではダン或いはダ アイダフウェドと呼ばれ、ウロボロス的な形で表される両性具有の蛇だったが別れるとされる。カトリックでの「王冠を頂く」「光背(ハロとかいふ)を二つ背負ふ」天空に座す聖エリザベト(Wiki説では「イサベル・デ・アラゴン・イ・シシリア」1271～1336年)の聖画で表される。檀原照和説で、その方はスペインのアラゴニアの王ペトロ三世の娘で、十二歳でポルトガル王デニス(WIKIでは「ディニス一世」)と結婚した後、旦那の女性問題でお妃が王宮を追ひ出される(理不尽)。妃だったころからフランシスコ第三会へ入るとか敬虔な生活して、そのアレと旦那崩御後は聖クララ会の修道院@コインブラで暮らすってドラゴンと全然関係ないので多分光背がどうたら関係の筈。
創造主の子である造物主マウ&リサ(近親相姦の関係の筈。ばあさまと若い兄さんとされる)とも関連するらしい。
なほクロンボもアイリッシュケルトと同じく創世神話にあんまりウェイトが置かれない。この関係のダンバラー・ウェドさんが、モーセ(蛇さんと結構関連)の他、アイルランドの守護聖人パトリキウス(「クロウ・クルーアッハ」てふと馬鹿にされるんだどうせ Crommといふ蛇の形の神をやっつけた)の聖画で拝まれるのは多分偶然。
虹と関連する。多分アボリジニのユルルンググルとか支那の虹蜺傳承(アンフィスバエナみたいな、両側に頭がある蛇状のもので、矮雄)にそこそこ通底する。
そこのアイダ・ウェドに関するヴードゥーかなんかの傳承で聖なる血を成して女は胸で濾して乳に、男は睾丸で精子にと言ふのがあった(『ヴードゥー教の世界』立野淳也)。
秋津島でのマナ的なものを指す語でチがあって、子造りの際に女性へインパクトを與へるのが父(チチ)、その子供へ與へられるのが乳(チチ)、てふのがあってニコライ・ネフスキー大先生がそこといろいろ関連するのが血(チ)である関係を『月と不死』で言ってゐたが、たぶん「ちんこ」「ちんちん」は少なくとも江戸時代までは毛の生えてないものを指してたのでこっちで「霊の處」説は無理。アイヌ語だと「ちんちん」関係の語はジェンダーロールが逆転する。
佩蛇の関係を ありゃ
リヴェシーム リヴーシュといふ語は、服を指すが、魂をかたち造るものとふことになってゐる。
少彦名大神様は、ガガイモ材の船に乗り、鵝って書いてあるけどヒ虫の皮を著る上に、大国主の魂Ａ、と言ふ説があるらしい。
エデンにあった時、カヴォドで全身を覆はれてゐたアダムとイヴは、智慧の実を齧ったためにそれを引っぺがされた。
代りに何かの肌着クトネト ハ 皮を與へられたが、それはリヴァイアサンか蛇の皮であったと言はれる。それはエデンの香りレアフはエデンの筈が出て、減ることはなく、獣を操ることができた。また、それはニムロド王の頃まで傳へられてゐたが、諸般の事情でエサウが奪ひ取った。エサウさんカッバーラの関係では若干バケモノ化してゐるのだが無視する。さらにアレッポ写本だかレニングラード写本では創世記の然るべきところはクトネトなのだが、カッバーラの関係ではガーメントオヴアダムはベゲドださうである。えーと。イスラムの傳承でも、シャイターンだかなんだかが蛇の中に入ってエデンへ行ってゐる。
モーセ クレタ島辺りから取材したらしい(石田英一郎大先生が支持してゐる)アトランティスの即位式では、半裸になった王陛下が、ど突き棒と絞めるための輪っかを持って猛牛(の飼育場があるらしい)と戦って締め、大変男らしい石柱(法律と王の義務が書いてある)の「私はこれを守ります」てふ文章へ牛の鮮血をかける。蛇と牛像のイコノクラズムまで儀礼とする言訳。
アダとナアウェ。なんか知らんけど出てくるユダヤ人の女性名