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鶏を崇めよメモ

 仏教説の弥勒浄土論では、釈迦入滅後五十六憶七千万年後、東西南北の諸大陸はメール山に集合し、ひし形の超巨大大陸となり、のんびりまったり、人間の身長は四十メートルくらゐ、戦争に関しては無くなってゐるらしい、上に「催したくなるとその辺で座れば自動的に屎尿用クレバスができ紅蓮がでてやれる」トイレのない理想郷、が強調される。その楽園の都市ケートマティは漢字表記が鶏頭末なのでかなんかで、ミロクを称するなんぞは鶏足を旗印にする。柳田國男説で奥羽には鶏さんトーテムみのある皆さんがをる。他荷渡り権現、鶏権現が多し。

 また西欧で、悪魔がよく鳥の足をしてゐるのは太古、多分北方獣類が発生した白亜紀初期辺り、恐るべき恐龍にいびられてゐた気の遠くなるやうな期間のトラウマが出たもの、といふ説を夢野久作でなくて南方熊楠が『鶏に関する伝説』他で何回か。超常的な存在として過去へ戻って『孔雀王』をドラマ或いはアニメ化する際に、問題がヒマラヤ山脈ばりに峩々と聳えてゐるのだが、デビュー作での夢枕獏関係の著作物と距離置く作業をさせる前に作者の父上が「悪書追放運動」の人で、あー。しかも高野山だから須らく何人かをジャニタレ為すべしで、北米でなくて南米のお山に認めて貰ふとかの作業の中で日系ブラジル人の主人公がとかで「裏高野(物理)」はばっちりで、さらにさう言ふ訳で触手や娘の裸山盛りの中、孔雀さんが悪者をやっつけようとすると欧州の悪者が孔雀さん見て
「ルシファー!!」
て行ってしまふ関係は何とかできる。ぁー。

良いけど『鶏に関するなんとか』南方先生が「雄鶏が生んだ卵持ってる」とかバジリスク譚とか、インキュバス関係とかホモの会話「さっき夢でお前に金の鶏やったよ」「おぉ偶然、俺もその夢見てブツ返したよ」といふの、が。

 16世紀のドイツ人的にワニさんブレスは致死性だと信じられた。これはクロコダイル(クロッカスかなんか)と同根で音がコケコケしてゐるコカトリス傳承がおんがらがった果てにできたらしい。なんか。

 白川静説における淮南子とかではなんか民族の同化とか征服とかで偉大なる中華の大地は「前のアルパカ民族が拝んでたアレ」が造ってアレしたのでこんなんなってがレイヤー構造で伺はれる(白川『中国の神話』)が、ヨルバの人も、至高神オロルンの子オドゥドゥアとオバタラが鶏を使ってアフリカの大地を作ったが、元々非ヨルバでイグボ族の天空神であったオバタラ大明神は創生の作業中良く酒飲んで寝る。そのデミウルゴスの使徒は五本の爪だか足を持つ鶏(檀原照和『ヴ―ドゥ―大全』)。鶏に関して全然意味付けをしてないアイヌに傳はる世界の始まり譚で、創生の頃、大地を鶏が踏みしめ鶺鴒が尻尾でぺたぺたして造ったと言ふのを吉田巌さんが収録してゐるらしい(南方『鶏に関する~』)。

『マンアフターマン』復刻版に入ってないに決まっとるOmni誌掲載の「なんとかMAN EVOLV」五千万年後の人類の脇でボロボロになった環境では鳥類の適応放散がある。

 豪州ウェスタンポートの辺に住む「Toor roo dun」さんといふ水棲の怪物さんは「前足のあるエミュー」といふ姿をしてゐるとされる。

烏骨鶏 破戒僧を指す。卵おいしい。

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