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巨人と口関係

 ヨトゥンが一般名詞で、その末孫のベルグリシとフリームスルスと「スットゥングの子ら」は若干異なる巨人らしい。巨人がディヴァ―ジェンシーまで持つんかー みんなでヨトゥンヘイムに住んでるくせにー てふか「ヨトゥンヘイマル」(複数形)ってなんぢゃー 王様がいぱーいゐるとかかー うぉぉぉぉ。
 ヨトゥンがイートあるいは「超」と関連するのだが、その末孫を指すフィンランド語「ヤッテライネン」他、英語圏のエントとかエティンの前に、イェッテとかある。ちょっとこれは。ヒーって言ってるとトゥールも冬至には各戸を訪ふて車を引かせるちんばの山羊タングリスニ&タングニョーストを屠って振舞ふ神なのであれであるのだが。

 ヨトゥンの皆さんはシンタックス文化圏ならしいので、語彙が何となく人間のそれと似る。更にオーラルである。海のアールヘイム(鰻の故郷)、火を指すフレキ(貪欲なるもの)、森エルディ(火の糧)にさう言ふのを指摘する健部伸明編著『幻獣大全』では種の「エーティ(食物)」と言ふ辺りを指し耕作とかしなささうな点が指摘されてゐる。それと同じらしいWIKIでも同じやうな訳語を諸語に当てるが人間の言葉で種子は大麦(小麦は比較的新しい)を表すビュグださうで、北欧の人って百姓民族なのだなぁとか。
大地のイーグレーン(緑なるもの)とか天を指すウップヘイム(上の国)に、太陽がエイグロー(永遠に輝くもの)、雲はウールヴァーン(霧雨をのぞむ)、夜をオーリョース(無光)、風はエーピル(叫ぶもの)を紹介する『幻獣某』では、凪の「オヴフリュー(鬱陶しい空気)」と言ふのでわかりみを示してゐる。月について「スキュンディ(速駆ける者)といふ、時間が速く過ぎてくのを表す表現ぽいので皆さん夜行性なんかなーな可能性を示唆する『幻獣大全』はいいのだがさう言ふわけでwikiの採用する北欧神話の大御所谷口幸男は月の呼称を「韋駄天」インドヨーロッパ語族の―。
麦酒(エール)についてヨトゥンはフレイナレグ、「生(き)の飲物」といひ、ヨトゥンかなんかの一種スットゥング(毒の舌)はアルコールが大好きで、詩藝の源泉でドヴェルグが醸したミードを奪ってゐる他、彼の末孫はそれをスンブル(酒宴)と言ふ。

 ギュミル 『幻獣大全』説で「羊」WIKI説で「海」ヨトゥンの一

 ゲルズGerðr 『幻獣大全』では「原野」日本語版WIKIで、「垣で囲まれた播種された耕地」えーと。
Gymisgarðar(ギュミスガルザル 羊の囲ひ)といふ、焔に囲まれた所に住むギューグ(女性の巨人)で、諸般の事情でフレイ 厳密にはその使者から脅迫され、嫁ぐがあとはまぁ良い夫婦になってるらしい。

 ヨトゥンとかの北欧の巨人はサプミがモデル説。サプミだかサーメ@ラップランドのサプメラシュの皆さんは、極彩色の防寒具を著、スキーを駆って移動し、脱魂型のシャーマニズムを嗜み、欧州の皆さんの中で背が小さい。
 「飛ぶ者で客をビビらす」藝風を持ち、教員免許を持ち「教育あるいはインフルエンスできる程度の能力を持つ」押井守御大がNHKで制作に関はったアニメの原作である、ラーゲルレーフ『ニルスの不思議な旅』は地理の勉強をさせるための本として描かれ、重要な皆さんである鳥、アッカ隊長率ゐる皆さんが赴く「ラップランド」は、いはゆるヘイトスピーチの上に、ラプランド撃ちとやらといふ独特のアレがある「恐怖の人」としてサーミの人が受け止められてゐた他に、闊達な一族としても見られてゐたらしい。なので、人間にはアレで、神々には頓智などでやられるがまぁあんなもんぢゃないですかね系の「でかい外人」として外人から見られてゐるらしく、彼ら臭い巨人ヨトゥンだかフリームスルスは聡明でかつ人間臭いターミノロジーを持つ。さらにヘルマン・パウルソンによれば、ヨトゥンヘイマル(ヨトゥンヘイムは複数形でも言はれるのに対し『幻獣大全』は「何人かの国王が治める、複数の国に分かれて」ゐた可能性を示唆してゐる)は北方で、ラップランドではないかと言ふ。そんでもって、ゲルマンの皆さんとサプミの人はトロールを恐れ、ついでにサプミの人はスターッルと言ふ人喰ひのなんか(トロルみが強い)を恐れる。フィンランド、後のトーヴェ・ヤンソンといふ酒飲み、煙草喫みのレズビアンでムーミンをひり出すスウェーデン系の人がゐることになる所ではフィンランド語でスターロと言ふスターッルの系統がゐて、「月明りだけで歩ける夜(クータモ)」にはよい子を守るさうである。

 トゥルサス
 水木しげる先生の書かれるのは結構よき。フィンランドの巨人で水属性で樹木の関係らしい。焼き畑の創始者関係の可能性がある傳承がある。

北欧のa水属性でb巨人を指すThyrsと言ふタームはノルド関係ではフリームスルス的な、おまけがつかないと出てこないので、外来語である可能性がある。サプミの方が早いのでそこらが田舎ではと言ふのが『幻獣大全』説。

 健部伸明編集『幻獣大全』98頁の、トゥルサス関係におけるテュルソス(バッカスの巫女はんが振り回す棒)とかトルソー(「枝葉を取り払った木」の意らしい)との関連説。ううーむううーむ。

メカを操るサプミってふ衒ひもひねりもない処からのアレ。

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