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恐怖で女王様

 怕鬼。ブギーマン はいいや。小豆洗ひ関係は、人を取って食ふ系がゐるらしい。あと夥しい梟に関するもの。ウブメ関係はないのだが、支那も入ってない感じだが、欧州での空飛ぶとか謎の乳汁で子供を殺す何かはをっさんを襲ひ、なんか乗ったりするとか。さう言ふ関係。エロと恐怖は関係した筈。トンデモさんで有名になってゐるフロイト大先生の「怪物のデザインは生殖器がデフォ」説はいいと思ふんだけども。

 柳田國男大先生の「妖怪はなんと鳴くか」関係における妖怪の声「ガンモウ」「ワンワン(食わん関係らしい)」が、田舎では「わんわんがわんわん言ふて来るで」が都市部になるにつれ「わんわんが来て食ふてまうで」になるとか説は、無視する。

 ソレ(妖怪談義だ)が引用される短編アニメ『カクレンボ』の鬼。キモトリ チトリ アブラトリ コトリ はよく言はれる怕鬼。
 肉こそげとしての匙が。(どの鬼の得物だったかすっかり忘れてゐる)オシラサマ― 狐―。
 トントン・マクート マクート(袋)を背負ったトントン(小父さん)が、なんぞハイチの辺にゐて、悪い子をナップザックだか南京袋へ入れるらしい。この手のしまっちゃふをじさん系の袋担ぎブギーマンはけっこうをる筈である。『世界の妖精・妖怪事典』うーん。汎世界的なブギーマンが収録だけどもうーん。
 ハイチの有名な独裁者フランソワ・ドゥヴァリエが関係する、ビザンゴと呼ばれるヴ―ドゥーの内のセクト的な秘密結社はゾンビ職人としてけっこうあれらしい。

 隠れ座頭あるいはやどぅか 叺背負ひ

 マクラトさんとその娘のアグラトさん。リリスさんの敵であるが悪魔さんの一種さんでもある。

 「刃状の棘がある鞭」か「柔らかすぎる刃」な剣を振り回す、ないすばでーな、おねいさん体系をしたいと思はない。
『鬼滅』の甘露寺さんの振り回すアレを参照できるかどうか、うーん。暴力機構の体系としての彼女を見て鼻血が。

 朝里樹『日本現代怪異事典』280頁によれば、大阪らしきある小学校で、雨の日に遊んでると、「鼠のばーさん」とやら言ふ少なくとも長髪の老婆が、その辺のガキャを階段から下へ落として地下の部屋で折檻するといふナニが語られてゐる。そこで描かれる学校のデザインなど原典のいろいろへする著者のツッコミの一つでこの怪異の人が「なぜ「ネズミのばーさん」なのか不明」。こっちは通読でもなく何ページか読んでると、くねくねやジェットババア、巨頭オどころか、「火龍そば」とか「タレサマダ」、「相那勝間」、なんかで背筋が凍り付く。
鼠のばーさんが語られる言訳に『おしいれの冒険』は無関係なんだよなやっぱ。

 同著に出てくる、鳥取県の春日神社の大椎の木で、冬には雪女、夏には七尋女房が出ると言はれるアレがあった。この雪女もでかいさうであるが、腕だけ長いと言はれるこの椎の木の七尋女房はサイズ他で八尺様に対抗しうれば。氷厘亭氷泉『日本怪異妖怪事典 関東』によれば八月朔日の花魁の白装束を雪女郎とする習俗があったらしい(吉野裕子先生の資料がー)。五行説で冬が玄冬つまり水属性でっつうてもブラック雪女は多分受けない。そして悪い子は雪女に折檻されると言はれた。

『捜神記』に出てくる「羽衣を著た人」がをっさんをこまして、元気な蛇の赤さんを作った話は保留。
羽衣傳説に関し、天女の羽衣をとる人はわんこブリーダーといふ謎フォーマットがある。
 太田南畝『譚海』にある、どっかの、吐息が異常に良い香りなをっさんのその息の原因についてご同輩が聞いたところ、「天女にキスされた」と返答があった、と言ふ話。どう言ふ経緯で彼が天女に唇を奪はれることになったのかは不明。杉浦日向子『百物語』での彼の造形もモブキャラっぽい。

 羽衣をフェザーだかダウン製の衣でなくて、ヤマカガシのヌケガラを吉祥とする言訳で天女の羽衣の材料であるとするのと、佩蛇の俗と、ミソギでなんか。

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