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トロルと媚薬

 『トリスタンとイゾルデ』(媚薬物と言ったら)うーん。

 南方熊楠は、支那で、マンドラゴラみのある、ただ「媚薬の効果が認められない」商陸また樟柳あるいは当陸、どっかの人の呼称であるShang LuかZhang luかなんかを音写してゐるので字が適当、といふ植物に関するいろいろ、光るとか服を著せられるとか、水を飲むとか百鬼を呼ぶとかなどの生態をNatureだかノーツ&クィリーズへ投稿したらそれがコピペでなくて引用されまくったので、南方熊楠の名前はなくなるとか他いろいろになったので改めて書いたとか(平凡社版南方全集第四巻)であるが、えーと、あのー、…
 REグィリー『魔女と魔術の事典』原書房刊344頁に、「中国人はシャンル―という薬用ニンジンに似たものを」媚薬に使ふとある。なほ、ここでは異字体のXiang lu(香鹿 ジャコウジカ)の方が媚薬みがあるといふ注釈がある。そのREグィリーは、マンドレークの方を、オレンジと龍涎香を添えてどうたらといふ。

媚薬関係は、類感魔道の一類なので、豪州ではカンガルーの金玉、北米ではビーバーの精巣が、そこの土人によってそれとされる。欧州ではバーベナが飲むんだか樹液を触れるんだかで効果を持つと言はれる。

『萌える!淫魔事典』154頁を引いてると原典のダイアナ・ウォーバートン『媚薬』がその辺のこずくぅよく行けるところで読めるんな。さう言ふものな人生って。の定義
1性感帯へ効果を及ぼすもの
2人間の意識を下半身へ向けさせるもの
3暗示によって精神を刺激するもの
4肉体をリラックスさせ理性のタガを外すもの
5栄養価が高く元気になる者
6セックスの時間を延ばすもの
 
 バイアグラに関する意味付け 血圧の薬がどうたらと言ふの、うーん。

その『淫魔事典』70頁では、フルドラを「北欧の」淫魔で「エルフの原型」とする。B・E=ワードの絵ってWIKIのフルドレ(トロル説)の記事でも採用されてた筈。本著で類似点が指摘される淫魔スクーグズヌフラは、その項では「スウェーデンの」とされるが後の項で「ロシアの」と言はれる。KMブリッグズ『妖精事典』でも牛の尻尾を持つハルドゥーフォークはエルフと関連し、丘の地下に住むとか言はれる。そんなわけでイングリ&エドガー・ドーレア『トロールものがたり』ではトロール体系として、フルドレが出る。『幻獣大全』でもトロルの一類として、独自の国を築き上げ、牛の尾をもち、人間を誘惑し、アダムとイヴの子で天主に隠れるやう定められたとされるフルドレを上げる。『淫魔事典』ではソレの他、イヴの前に作られた女性が「丘へ」追ひやられたと言ふ傳承も上げる。

 トーヴェ・ヤンソンはスエデーン系フィンランド人である。
怪物をトロルといふスエデーン系のヘイトしぐさで、トロルの特徴である相手へ1尻尾を付ける2鼻をでかくするがあり、
ムミーンにはそれが認められる。
亜種であるスノーク兄妹、山のトロルや海のトロル、家住みトロールと呼ばれる者も同様である。
 ムミーンのモデルはトーヴェがハイティーンの時、後にマンガ版を描く弟ラルスとのどうでもいい喧嘩の際にトイレへ書いた「ものすごくみっともない怒った小さな顔」で、
 その後ストックホルム工芸専門学校へ通ってゐた頃、叔父貴ってエイナル先生なんだな、の家で、下宿した折に小腹を満たすため食料貯蔵庫へ赴くクソッタレこびぃ@トーヴェへ襲ひかかる、ストーヴで待機するムゥゥゥゥゥウミンとやら(の造形の方は「シーツを被ったお化け」)が名の最初で、
 ああいふ造形でムミーン名義は御大がアテネウム大学在学中の1934年に書いた、「Det svarta mumintrollet(黒い小さなムーミン)」かららしい。

 1943年、就職したガルム誌で、ペンによって、ロスケ、ちょび髭の伍長野郎の両者を相手に戦はなければならなかっ さう言へばゲルマンの偉大なるあれを継承する伍長野郎さんへはノルド系だからさう言ふヘイトしぐさが可能なのだが、風刺漫画のセルフポートレートがSnorkenといふ、スノークみのあるものなので皮肉にも彼は人間で書かれ、ロシヤへの批判に至っては、出来た頃に国交が正常化し「真の締め切り」を過ぎてしまふと言ふアレのため、戦時中にも拘らずヘイトスピーチとして自粛せねばならなかった。ソレが公開されりゅのはミハイル・ゴルバチョフが書記長になった頃。

 ハーフトロル うーん。フルドレも交配が可能である。あらゆるものとの交配が可能なものとしてのトロルはいい感じ

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