参考資料
『幻獣大全』健部伸明編 新紀元社。
長髪。爪は鋭い。背が異常に高い(通常の人間の平均の二倍とか三倍とかくらゐ)。ものすごい怪力。目は暗闇で怪しく光る。
「水の底」を指すGrund(古英語)からアレしたと言ふのをあれする。
grinder(「挽き潰すもの」)関係~
デネの山中に住んでるこのオーガー系のアレの古英語の呼称、「Thyrs」(スュルス「巨人」)、「Niceras」(ニケラス「水魔」)、「Gaest」(ギャースト 亡霊)「Nihtmœre」(ニヒトメーレ 夢魔)、「Feond on helle」(フィーンドオンヘル「地獄の悪鬼」)「Deofol」(デヴィルのアレ)、とかは、シンタックスみがある(水属性のなんぞは汎欧州的にニックとかネッキとか言ふ)上、舞台はデンマークとか。で南スウェーデンの英雄ベーオウルフがやっつけに行く話なのでなんかアレ。しかもこの怪物は、Ylfe(エルフ系)やOrcneas(海魔)、Eoten(人喰ひ)などの関係であるカインの末裔と言はれる。その系統ギガント(Gigant ネフィリムかなんか)は神に対して戦ひを挑んで負けたらしい。
グレンデルが自身の住処の近所に館を建てて宴会開いて騒いでたフロトガル王と他にキレて、彼らをフルボッコにし、ナニであれなので一応二万%、陛下が悪い。
「一夜に15人の戦士を食べ、15人の戦士の死体を運ぶ」力を持つグレンデル(体に一応刃物系プロテクトの呪術がかかってゐる)が、龍の(Dracan)皮で出来た籠手(Gloveの前のGlof)だけで「30人力」のベーオウルフに勝負を挑んで腕をもがれ、てふのはなんかあるんでせうな。
ほんでいろいろあってママンが腕ゲットに、と言ふフォーマットが茨木童子のソレと似る。こっちはさう言ふわけなのでおかんグレンデルはフロトガル王の重臣エァシヘレをおまけで拉致る。うんうん。英語版のWIKIで辛うじて「グレンデルの母」の記事があった。
通常のソレ。既出の「甲羅」(サガフロンティア2)、「牛系」(ドラクエ)は襲ってもいい筈。あとは、汎ユーラシア的に牛と共に「水属性の精霊の形」とされる馬や、ふたなり系。「怪力のおかま」類型は夥しいものがあった筈である。カインのご家系を参照して赤毛ってふのはー。うーん。
非キリスト教圏では赤毛は普通にリコピンの発動やメラニンの欠乏で、「ある種の権威」にはなるけど「不良で悪魔の属性」として機能してゐないと思ふの。銀英伝のキルヒアイスは普通に良い人で、数億人の読者は「ムカつくキャラ」に入れてゐないし、アン・シャーリーだって、「凶悪な娘だと思ってたら本当にアイルランド系カナダ人は若干へぼい人だそうで、そらスコティッシュの彼女がそっちだって自称するわな」的な受け取り方をする非キリスト教読者は、多分ゐないし、諸資料を読んでさう言ふ分析を発見しても納得しないでせう。さうよねマシュウ。マシュウ!
原書房『ホビット:ゆきてかえりし物語』の方によれば、オークのターム起源説で作者は『ベオウルフ』のグレンデルの呼称からとりましたの次に「ORCneasは海系じゃねえし」と言ってゐる。映画の『ベオウルフ』でも土属性のグレンデル出してるとか、さう言ふアレがあるらしい。グレンデルさんは山ん中の沼地にお住まひであるが、その水は塩辛いさうなので、オルカなオークはいいと思ふんだけど、あとまぁ、彼らのお住まひの沼にはFyr on flodeと呼ばれる鬼火がちろちろしてゐる。水属性が対象化されたファイヤーを良くするとか、逆の、「彼らは身の内に燃え盛る炎を鎮めるため、沼地に生息しているのであった」的な物でウケるコードがあった筈。しかもグレンデルの館には、「その辺の武器を壊してしまう」怪力のベオウルフにも、使へさうな大剣があったので、使ってみるとなかなかいい感じであったと展開するので鍛冶屋系の言訳がでっち上げられる筈。
『ホビット~』に『ゴブリンの足(Goblin Feet)』と言ふ詩が、「作者的に、一応黒歴史」扱ひで、「でも流通」と言ふ解説と共に収録されてゐるが、ここでのゴブリンは、聞いてゐたくなるステップを踏んで踊るといふ魔道の一族であった。この設定は『ホビット』に一応なんとなく、ゴブリンがステップして踊る描写になんとなく。
魔剣オルクリスト(「オーク殺し」)やグラムドリングを「バイター(かみつき丸)、「ビーター」(なぐり丸)と呼称するのはオークの側であった。
アンナ・フランクリン説でFiendは犬系の形をとるらしい。Feondの段階でわんこ系かは不明。支那関係を忘れてゐるが、インド・ゲルマン系の信仰体系において、麻呂眉のわんこはスピリチュアルなものであった。冥府に四つ目のイヌが、といふのもこの信仰の延長(適当)の筈。