あー
荒俣宏『夢々』所収の聖徳太子の話で、厩戸皇子が朝鮮(この時代、まだここの国々は普通の準先進国であった!)へ黒駒を駆って渡りまくり仏典を入手した折、猫の中に認めた夜叉を、育てて、平たく言ふと夜叉のコネへお願ひして欲望を叶へる。アレはその代償。
「黒駒は従業員込みで信州まで行った」傳承はどっかにあった。渡鮮くらゐはいい筈。
フォローするやつで、アレなのときたら、集英社の荒俣コレクション所収の方での、座敷童子体系とか。が。
この、欲望に弱い主人公の欲望がかなって、てふかそれにより関係が破たんする話が連作の一話だけの形で発表(新書館のウィングス誌とやら 高河ゆんとかCLAMPがあれする以前)された頃・・・ドラえもんが、0巻の表紙見るとどう見てもこの造形が国民の知的共有財産にあるとは思へん、藤本弘さんの黒歴史の一頁ってんなら納得できるんだけど、なアレが、そろそろいくら何でも、それを基本フォーマットとして、ドライヴし始めてる、筈。荒俣先生は手塚治虫とか水木しげるとか、さう言ふ大御所の解説を書いてるなぁと思ったら、藤子F先生については、濃かった。
ドラえもんのタイムパラドックス、ドラえもんが人気マンガ描くやつは「情報の」それだし、便利に使ふとダメになる「いかさま師の」それはときどき出てくる奴はお金払っていいレヴェルだし、あと生殖のとか親殺しのとか、まぁこれはあれだとしても、でも欧米で、恋愛ものの基本である、壁、それがぶっ壊れ、その向ふに麗しの君が、についてうがーと言ってゐるハーレクインロマンスとかの、大量の作者のもとへ、あの猫型ロボットが現れてタイムトラベルについていろいろこいてゐる筈だ。ドラえもんフォーマットがみられる『フィニアスとファーブ』での兄弟衆の造形と周辺の皆さんの関係を見ればのび太君のコミュニティが東アジアのみでウケうるものだと言ふのはよくわかるわけであるが、それでもなほ!!
『竹取物語』どっちかと言ふと、帰るシーンで全身ぴっちりスーツに着替へた赫夜姫(こっちの字がどっかにあった筈)が、と言ふのが良いな。
ヴィクトリア朝の海岸には、更衣用の、「Bathing machine」と呼ばれる車があって、皆さん其処で着替へてゐたさうである。
いろいろあるが、トータルエンクロージャーのお召し物である可能性がある羽衣は折口信夫によれば、元来アストラルフォースだかマナを貴人へエンチャントするディシプリン儀礼を司ったふぢはら氏と関連する。
もりもと崇『難波鉦異本』の鞭打ちプレイのシーンで、お客さんを縛り上げたさう言ふ関係の人が
「上臈様とお呼びっ」
と言ってゐるが、ダンカン著『平成 顔を出せない偉人伝』によれば、大東亜戦争の頃、SMを「上海遊戯」女王様(娼婦の)を「羽衣」と言ってゐたさうである。
月 桂関係と蟾蜍と兎。『西遊記』では、こうがさんと嫦娥さんがゐるんだか何だかのオリジナル月世界があるらしい。搗薬用の杵で如意金箇棒と戦ふと言ふシチュはよいのだよ。
竹取の翁 竹細工してるからサンカ説はー、いいんだけどー。彼には讃岐造麿(さぬきのみやつこまろ)と言ふえらい名前がある。
なよ竹の輝夜姫 兎か蟾蜍か。うさぎっつうても薬搗か餅つきか。彼女がどう言ふビッチなのかはアレ。うさ攻蟇受となんか。
『異世界居酒屋「のぶ」』で展開する竹取物語的なアレは、「嫁げとーでめでたしめでたし」なので却下する。
竹のやうな木本の草が生えたフローラは東アジアのみで、西欧にはない。これは却下ポイントに入らない。
宇月原晴明『かがやく月の宮』では、
「仏の御石の鉢(土)」、「蓬莱の玉の枝(金)」、「火鼠のかはごろも(火)」、「龍の珠(水)」、「燕の子安貝(木)」
といふ、五行説の解釈と、インドのエレメント系に関するものがある。
ここでの「あまてらすとあるてみす」はー、『源氏物語』と紫式部も込みで無視。
石作皇子、車持皇子、右大臣阿倍御主人、大納言大伴御行、中納言石上麻呂。をどうするか問題。