資料
『日本国語大辞典』
柳田國男『野草雑記』ブックオフで数百円の『定本 柳田集』(第22集)がー 全集第12巻66~67頁
有岡利幸『春の七草』 まだ人魚とかもののけとかのジブリ便乗関係がでる直前の法政大学出版局
南方熊楠『綿神考』矢吹義夫さん宛書簡を改稿。手紙をなんかで発表て、昨今の「作家がブログ、ツイッターでの文章を編集して紙に印刷して発表」みたいな。
旧約聖書『エゼキエル書』『民数記』『列王記』岩波書店刊
広部千恵『聖書植物図鑑』 マンドラゴラ書いてある。ううっ
山口裕文『雑草学入門』
あとWIKI
ハハコグサ(御形 広辞苑には「ゴギョウ」「オギョウ」が載る)学名Gnaphalium affine
麦(が来たのは二千五百年くらゐ前)のおまけとして、ヨーロッパの辺から大昔に来たらしい(山口裕文『雑草学入門』P26)。食ふたら美味いらしいが、栽培植物かと言へば微妙。WIKIでも、「綿毛をうりゃっと採って播いておんどりゃっと覆土」(大意)とあるし。フィトンチッドがいい感じで虫よけになると言はれる。カリウムは異常にあるので民間療法での利用の他、畑の肥しはー、エレクトロマグネティック菌よりかはー、うーん。『本草綱目啓蒙』では、煙草の材料とある。ぱいぷうぃーど。
牧野富太郎大先生は、御形に関し、ゴギョウは誤読であるといってゐるらしい。ゴギョウ系の方言はするとさう言ふ誤読が出た江戸時代からの筈。
キク科の二年草で、秋に発芽、冬はへら形の白っぽい根出葉が地面に広がって(いはゆるロゼット)過ごし、春になると茎を伸ばして草丈15~40cmになる。蒲公英の近縁種だ。
春から初夏にかけて、茎の先端に頭状花序の黄色い花が密に集まって多数咲く。花が散って実がなると、綿毛のついたのがぶわーっと出る。かう言ふのが、『フュ―チャーイズワイルド』のグラスツリー(一億年後の超巨大高原グレートプラトーに生える植物で、全力で竹を主張し、タケノコが生えるが一年に一遍綿毛が出る)みたいな木化とか行ったらよからうなぁとか。
あと撫で物である這子(ほうこ)の代りに母子の穢れをはらふ目的で使はれたと言はれる(有岡利幸『春の七草』P120)。
異称ウカシブツは、かう言ふフェティッシュとしての「浮かし仏」だとする説がある。
支那で鼠麹草と呼ばれるほか、静岡県他各地で「鼠の耳」と呼ばれるが、静岡県の方言で「ウサギの耳」の他に奈良県北部で「ネコの耳」。この植物は、どっちかっつうとねずみっぽいのだが、なんでうさ耳や猫耳に准へたんだか 柳田大先生によれば「疑問」。
御形を「ホーコグサ」といふ文化圏人で、少年のころこの植物の漢字表記を「芳香」だと思ってゐた柳田國男大先生は、この植物を、西日本でよく餅草として利用され色良し香り良しで、てふかモチグサと言へばかつてはこっちだったと言ふが、有岡先生の方は、「毛が混じって食べにくい」とか言ってゐる。また柳田説では 「テンヂクモチ」といふ方言について、「生誕会(脇祭りで良いです)の時に花御堂の屋根を葺く」アザミ、紫雲英と並ぶ建材だからと言ってゐる。薊は兎が食べるのでウサギグサと言ふ異称がある。
豊前の宇佐地方での方言「ネバリブツ」はそのお餅の粘りから「粘り蓬」か、葉が綿っぽいから「綿蓬(ネバシブツ)」かも(柳田説)。
ただ、綿を指す語「ネバシ」は広辞苑説でスティッキーなもの(粘し)を指す。有岡利幸先生も「ワタグサ」「マワタソウ」といふ方言を紹介してゐる。
南方熊楠が、綿産業関係のマスコット的ヒロイン問題について、『ファイブスター物語』あるいは『ああっ女神さまっ』以前に運命の女神ってウルヅスクルドヴェルザンディも腸かなんかで織物を作ってゐるが、ラケシス、アトロポス、クロトの方をモデルに若くデザインするネタをやってゐた!そんで上から三十五~六歳(陰毛の色が海老茶で「後光が出るような」)、二十五~六(下の毛が薄紫)、素女(桃色の毛)と言ふ三人のおねえさんを出してどうのと言ってゐる。ちなみに彼は「南洋の土人の方が若干オーヴァーテクノロジー持ってるぞ」といふ言訳でタピオカ!!を出してゐる!!
後、杜仲と呼ばれる植物を紹介し、この木から「木綿(なんか繊維的なものらしい)」、「紙(パルプ的な)」「ゴム(グッタペルカかなんか)」が取れるのでこれ栽培とか研究とか開発とか育種とかしろよと言ってゐる。南方先生の説く学名はググっても出ないのがあるけど、杜仲の「Eucommia ulmoides」は現役と。
粘しき綿と言ったら、トラガカントゴムノキ(樹脂は根っこから取る上に野生)を指すヘブライ語はネホット。母音のA/O変換、子音のS/T変換は訛りのパターンでは、基本中のデフォであるから、ドタン(地名。「井戸」の意)での事件が後に土壇場と言ふ呼称となった如く、ネホットが綿の呼称ネバシの原語、
と言ふ説を出さうとしたけどやめてぇ。
アスクレピオスさんとかカドゥケウスの杖さんとかの他にありがたい蛇は旧約で青銅の蛇ネフシュタンと言ふのがあった筈。青銅の蛇「ナハシュ ハ ネホシェト」の略かなんかで。『民数記』21~で、カイクのあほにキレた神様が、使徒たるサラフ(咬まれると焼けるやうに熱くなる毒蛇)を遣はしてぼっこぼこにしたので、なんとかなった際に造られた、サラフの形を模したもの、ただ、『列王記』下18~で偶像として出てきた。ふん。さらに岩波旧約聖書翻訳委員会は、セラピムと蛇サラフの関連について不明とだけ言ってゐる。
あとまんこを指す語で、「みっちみちに詰まった」と言ふ意味のアッカド語ヌフシュとかの系統であるネホシェトと言ふのがあった筈(エゼキエル書のどっか)。
『出エジプト記』 30:34 ナフタ 岩波訳によれば何かオニュックスといふ甲羅的なもので、焚くとよい香りがするものらしいシェヘレト香、ラテン語のガルバヌム、ヘブライ語で「乳を出す」の意のヘムベラーの次にレボナー(乳香)。どすこいどすこい。
イタヤカエデのアイヌ語がトペニ(乳汁)とかでどうたら。
福岡イト子 『アイヌ植物誌』99頁 チキサニ(こすこすするもの ハルニレの意)衣服がどうたらとある。うむ。