ARIEL
笹本祐一『ARIEL』 オールラウンドインターセプト&エスコートレイディのインターセプトを「邀撃」と訳してゐるのはよいですな。Scebaiの組織はアレで良いと思ふ。他、どっかからなんか攻めてくる~ロボの発明した人だと思ふが孫をそのロボへ突っ込んでGO~アレ、と言ふのを踏まえるへてゐるのは参照してよい筈。
אֲרִיאֵל ヘブライ語。「神の炉」だか「神の獅子」の意。 ARIにライオンの他、光関係の意がある。
イザヤ書29:1~では、エルサレムの別称Arielでうにうにする、神様的に悍ましいカイク共を、燔祭で使ふ炉Arielへくべちゃるとか何とか、と言ふ関係で登場する。エゼキエル書43:15の「ハルエル」はアリエル「神殿の燔祭で使用される、炉の頂上辺」と言ふことになってゐる。この語はアッカド語の「Arallu(冥府)」と関連する可能性があるさうな。
エズラ記に出てくる人と、サムエル記下23:20、歴代上11:22に出てくるモアブ人の人でベナヤさんに子二人を殺される人の名前は、「神の獅子」(ELが神でARIが獅子)。
ミルトン『失楽園』での堕天使の名前とか、アレグザンダー・ポープ『髭盗人』でヒロインの守護精霊にArielさんとやらが出てくるが、無視だ。
シェイクスピアの『テンペスト』に出てくるAriel。アルジェリアの魔女シコラックス(sus+コラクス 豚+烏の意とする説がある)が構ってたんだけどプロスペロが受け継ぎ、なんかする。ここのArielさんはAirとかAerialの関係っぽくない(ウリエルとの関連も考へられるらしい) のだが、ブリテン神話に出るこれのモデルの方は、あー、子造りの言訳になってゐるので木属性みが。
キャリバン 福田恆存先生が「カンニバル」も採用しててちょっと嫌。それでは「ハンニバルザカンニバル」でもよいではないか。
土属性(thou earthと言はれる)のキャリバンさんはシコラックスの息子。おかんはアルジェリアの人なのだが、澁澤龍彦説で、エディプスコンプレックスの対象としての「キャリバンVSプロスペロ」対立が見られるといふ。
澁澤説では、科学は倫理とかを抜くので、それへの外挿物としてえすえふが機能するはずなのだが、昨今のえすえふはテクノロジー書いてばっかでアレと言ふのを書いてゐた。あと、「テンペストってスルーされてるよ問題」を上げる。さういへばタイトルを、テンペストの台詞からとったオルダス・ハクスリ『すばらしい新世界』での人工授精によるナニは澁澤先生のいふ「サドのユートピア」みがある気が…。そして澁澤説はプロスペロがマッドサイエンティストの元祖と言ふ説を展開。『禁断の惑星』あぅ。
赤木リツコさん関係で使へるかどうか。危ない賢者がこっちの息子さんを何とかするためにこっちでなんかやってると従業員Aが秘密をいろいろ知り尽くした上あれしてダメにして逃亡するので、秘術を尽くしてナニすると、不詳の子供が、と言ふアレ。
ケレス(シーラーズは土属性)とかジュノー(風属性)とか。はい。
ミラノとかナポリとか。
プロスペロ― ブリテン神話におけるテギドさんは、アト・ド=ヴリースによれば「海底の王」で、『ケルト神話のなんとか』では湖底に住む禿頭の者と書かれる。
ミランダ 太陽と結婚する春だか曙の乙女 モデルCreirwyさんも原典で同じテギドさんの娘。パパがミランダへ書ける愛称「Wench」 うーん。
シコラックス アルジェリアの魔道をばさん。ヘカテ系 グレーハウンド、獺、ハイタカ、メンドリ、豚でカラス ううーむ。
でそのAriel モデルは、知恵を與へるものとしての「魔法の大なべ」を管理のさなか、あぅ。野兎、魚、鳥、穀物の実 ううーむ。ブリテンのでなくて北欧の方の伝承で、オーディンがどこぞから持ってきた、智慧の水を入れた薬缶から漏れた奴が、バルド(吟遊詩人だ)の祖先になったとかさう言ふアレがある。智慧の大鍋の失敗といろいろで生まれたタリエシンは次に、豊饒の大なべを掘り当てる。
キャリバン シコラックスの息子 プリアポスと関係する。けがれた魂。原典の「醜い三番目の息子」Morfran eil tegidはy fagddu(ア ファグドゥ「完全な暗黒」か「黒い海狸」)とか言はれる。ポスコロ関係でコンプラ的にまだらのキャリバン(カニバルをアレしたもの説がある)がナニでソレなのだが、生物学的にちゃんとしたクレオールを行ってゐると、ダルメシアンとかホルスタインのやうなまだらの皮膚になる可能性があり、つまり真の平等社会と多様性の発現のモデルとして「Pied キャリバン」なまだら皮膚の人間がふんぞり返るはずなのである。さらに皮肉その2として、植民者の人は現地の人へ自分らを「月よりの者」と自称してゐたさう(『テンペスト』に書いてある)であるが、ソレを襲ふ土人の方のキャリバンは天王星の衛星の一つに付けられてゐる。