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やる気がない恋々

 こひ
万葉の頃は、故非(おそらく故(もと)は非(しから)ず)孤悲(多分「ひとりかなしむ」)と当て字をした。 媚ぶ と関連。「こ」は甲類。
 支那の方では「恋」は、いはゆる恋愛にとどまらない。何とかあっても断袖とか分桃とかのホモ的な方向へ行かない。また「攣」も使はれる。
物理学用語での「愛力」も出しうるアレが。

 そのジャパニーズオリジナルの相聞の気が狂ったやうなアレ、抒情の発生は、そりゃあ元々の照葉樹林文化圏での歌垣とかに端を発しはするんであらうが、大陸では辛うじてその古風が覗へる程度。

 現在でのアレをだな。なんか。その歌垣から発生した相聞の気の狂ったやうなあれは、断絶を繰り返し、「ポップミュージックの9割がラヴソング」と言ふ、世界的に異様な文化をひりだした。筈。

 まだいけるかー

 「壁がある>>それが壊れる>>>その先に愛しの君というおぞましい生き物が」と言ふフォーマットに向かってなんかうがーってやってる人が、タイムトラベルものにインスパイアし、「恋人が時空を超える」関係が出ることになった。さう言ふ作家が「『ドラえもん』見て」と言ひたいのだが、さう言ふのが一山あるハーレクインロマンスの作者はドラえもんに出てくるああ言ふコミュニティへ「受けないよこんなの」とエビデンス込みで言ふ人が大半。
 『時の流れに』(真夜峰央 『やおい君の日常(的でない)生活』ぢゃないや、『翔んで埼玉』所収)恋愛ものでタイムトラベルをと言ふのの一発目と言ふと、多分、これ以前に話はそのてのは一山あるんだー、さうなんだー。日本の首都はー茨城県!!も「東京が震災で壊滅して」かうなっとるな。壁と言ったら、『翔んで埼玉』の方は普通に身分差別なのでアレする。

 『お糸』(小松左京) 歴史を修正され、開国してるは江戸川その他に蛍だの淡水エビがゐる即ち公害がないわりにロボ駕籠がゐると言ふ謎の江戸時代で、さう言ふのを作った犯人を捜すタイムパトロール(ですよといふ具体的な描写なし)と、その時間での土人の娘さんがどうたら。彼らの恋愛はおまけ。しかもそっちに障害がない。 高橋留美子『うる星やつら』 未来を作る仕事をしてゐる運命製造局の人は、ドアの形で存在する入口を何かしらの形で現実とくっつける。運命は可能背の段階で、亜空間にドアの形でふよふよし、中身はドアノブの形で作られる。局員は、その可能性の未来と普通の亜空間を自由に行き来できる特殊な制服(男性がウサギの著ぐるみで女性がバニーガールの格好)を著る。

運命の花 「運命の触媒」として重要な材料で、製造局員は試験の際にこれを採取する。それの肥料は「しあわせな恋」。この時点でアイズナー賞は確定だ。恋愛に関するフォーマットとして、最初にぶっ壊れる「壁」候補に、適当に強度があり、相対的にそれをぶっ壊しうる契機として時間&それを超える手段(タイムリープ最高だね)といふのが、コメディ色の強いメインの方は、壁のやうなものがある、ウワーを最後まで貫徹するのでその脇で、時間と空間すらも置いた脇に、「見える壁」として試練が、若干関係ないけどアニメ版の監督を務めた押井守御大は、パトレイバー2とイノセンスで、然るべき人がその意中の君がゐる(「と思はれる」)処へ行く際に、儀礼的な「壁」とそれを壊す行動をやってゐる。パト2でラスト南雲隊長他は戦略上、あの島へ行くのにわざわざあのルートをたどる必要はないし、イノセンスのバトーさんも、船へ行く際に、海ルートで行かんでもいいらしい。イノセンスって没カットでAKIRAのリフト(アキラ君のベッドへ行くときの昇降機 かっこいい)があったとか。

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