前肢二足歩行性雑食蝙蝠
基本 「野生の段階で加工された物を食べる」「家畜に適した」生き物案。ペルム紀後期の哺乳類エステメノスクスは、多分腐葉土みたいなのを丸呑みしてゐたと言はれる。あとナキウサギは干し草を作るのでHaymakerと言ふ。トビネズミはなんか穀物を発酵させて貯蔵してゐるし、まぁシロアリ(塚作る系)やハキリアリなどの「キノコ栽培系」も入るか。
『鼻行類』のヤドリトビハナアルキ。前足以外の四肢が退化し、関節付きの尻尾で、飛び跳ねて移動する他、虫などを捕獲する。口器はおっぱいに吸ひ付く専用の構造をし、まづツツハナアルキと呼ばれる、雌雄ともに人間の胸部にあたるところへ乳房のやうなものが聳え立つもふもふの處へ持っていく。彼らは倒立したまま、ほぼ動かない。そこへ安全ですよの歌(をやらないとくっさいガスで襲撃されるので)を奏で、獲物を鼻(長く、先に抓める鉤がついてゐる)で持っていき喰はして、ナニから出る乳汁をいただく。
ちなみに、乳腺の基本は四つらしい。まだ乳腺がおなかに多数分布してる有袋類の一種と、さう言ふわけで一対しかないうえに乳房などと言ふ異常な器官が発達してゐる真獣類のがゐるが、あー、鼠径部から肩にかけての辺りの疣は、乳首の可能性がある。
『漁師の角度』に、「ジャケットのようなものを着、視覚器官がなく、ペットフードのみを食べる小さなもふもふ」が出てくる。多分、この作品のキモである「改変した団体の「人類を頂点捕食者以下の存在に」計画」や「複体の“イルカ”(固体化し、人とかを食ってる。北海道の土人はイルカと言ふが若干鳥類みがある)」には、筒井康隆先生の人間の天敵必要論(『私説博物誌』)とか、複体奇形の鳥「チンチンカモカモ(仮)」(『メタモルフォセス群島』)とかの影響が、で良い筈。小さいもふもふは恐るべきクロンボの兄さん青木に屠られてご飯なってるし、イルカ(タンヌと呼ばれる)の一頭はそれに喰はれた(在日って言ふか なんか「渋谷のハチ公像とかが漂着した」といふ描写がある)インディアンの遺族による復讐でその辺一同により美味しく喰はれるが。
筒井先生は「ティラノサウルスは鳶みたいな鳴き声だったかも」と言ってゐるが、実際は、白亜紀の北米と思ったらユウティラヌスがものっ凄く癇高い声で
「ぴぃひょろろ」
とか鳴くのである。大自然なんて大自然なんて。
シロヘラコウモリといふ白い殺人毛玉は雑食。確か。
若干歩けるツギホコウモリの土人の呼称「ペカペカ」は飛ぶものだかなんかを指す一般名詞の筈。
川上和人『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』で、スペキュレイティヴな妄想の助走として『アフターマン』での、フロンティア蝙蝠繋がりで、前足で歩く、島の頂点捕食者コウモリを上げた後、リアルでゐるツギホコウモリは普通歩いてるけど飛翔能力はある、点を紹介してゐたが、『フューチャーイズワイルド』『驚異の未来生物』に社会性ウズラとそれを食ふ昼行性肉食蝙蝠、社会性シャカイハタオリとソレを食ふ歩行性肉食蝙蝠(四つ足で歩く)が。なんか偶然。
ほんで『鳥類学者~』では、その飛翔性に特化した蝙蝠の宿命を語った後、肉食(人間の美女やワニを食べる)で四つ足歩行の歩行性翼竜の可能性が紹介されてゐる。多分四つ足だから退化した翼の方でaクジャクタイプbクロコサギタイプのバリエーションをだしてても、著内では『新恐竜』、ディスプレイとして翼を持つ二足歩行翼竜フラープ、飛べる翼で日陰を作る習性を持つ飛べる翼竜パラソ、が出てくるドゥーガル・ディクソン(『アフターマン』の作者)『新恐竜』に関する言及は一切出てないけどこれは「ネタが被った」だけでパクリとかでは無い筈。cクセニシビス(退化した翼で戦ってたらしい朱鷺)タイプとかのオリジナルまで出てくるし。なほ、『新恐竜』では、二足歩行で翼が完全に退化した文字通りの「ヨクナシヨクリュウ」が二種類ばかりニュージーランドでもふもふしてゐる。さらにそれらは「進化の終焉」的な表現で説明されてゐる。うむっ。
その『新恐竜』では、凶悪なセルロースを開発したイネ科植物が東アフリカで植物食恐竜を駆逐し、繁栄してゐたところへデンタルバッテリーな歯を持つ翼竜が文字通り降臨し、「草食動物」としてもふもふすることになった。「植物食翼竜」は、ゐた可能性は物凄く高いが、生息地では死体が物理的に骨の髄まで「森の肥し」として吸収分解されるため、化石に残るのが異常に少ない。辛うじてタペジャラ(「タペヤラ」とも)と言ふのが植物食だった可能性があるとか言はれる。アンキオルニス(多分肉食)だか奇翼(イー・チー 恐らく肉食)だかがゐるといっても、まだ植物食翼竜の可能性は高い。