豆
なかなか煮えないなど、調理がめんどくさい。なので煮た後発酵させる、納豆みたいな必殺技が開発される。
毒豆が結構ある
穀類の実は、叩けば下へ落ちるのだが、お豆さんは大体、熟すと種が弾けてどっかへ行く。収穫ができんわこんなもの。
お豆さんは栽培植物ランキングで、穀物に次いで二位。あとアオイ科(綿)、ナス科(ジャガイモ)と続く。まだ使へるよなこれ。マメ科に牧草であるうまごやs苜蓿うわなんだこりゃ、とかクローバーも入る。いいけど叔父貴の水田(俄ガーデニングとして使用)に、詰草が生える他、土筆(厳密にはスギナ)のフローラが。野生の野良ジャガが。あと野生の野良桑が生えました。辺境あるあるの、アスファルト、コンクリートを割って生える野良桑は、なんか文明の崩壊とかのディストピアみを感じさせますな(ポジティヴシンキング)。
1(結構広く食はれてる) サイトウ(ブドウマメ ウズラマメ インゲン サンドマメ phaseolus vulgaris)。育種されまくってアレ。あとピーナッツ。落花生中華起源説があったけど普通はアメリカ起源。
2(まぁメジャー) エンドウ ソラマメ(地中海起源系) ササゲ(アフリカ系)
3(ローカル) ダイズ アヅキ リョクトウ
4(マイナー) 多数 (中尾佐助 『著作集』p456『栽培植物の世界』1976年)
お豆さんと他穀物の輪栽は結構いけるので、『翔んで埼玉』における茨城のカスト(埼玉より下)の言訳、「納豆用の大豆しか生えない不毛の土地」は説得力がない筈。併録の『時の流れに』は、日本の首都である茨城県で起こった怪事件とそれに巻き込まれた茨城県民の娘さんの話。いいけど『翔んで埼玉』の設定で、田×角×や真夜峰央などのメジャーな為政者や偉人が「新潟県あるいは地方出身と称する実は東京の土人」である場合、実際に秋津島を動かしてるリアル地方人は、埼玉県民になるはずなんだよな。
葛 世界では凶悪な外来植物として有名。これは温帯性の植物なのだが、南洋メラネシアでも昔に北から来た、栽培植物みのある野良(p.lobata)が生えてゐる。(p.montana@台湾葛といふのも生えてる。これは宅地とかで生やされる)
澱粉の取り方は、根っこを潰して澱粉を流しだし、水にさらして集める。日本とかでは、葛湯、葛餅、葛饅頭とか葛切、葛根湯がある。それからパプア・ニューギニアで葛の根を焼いたものが食はれてたさう(周達生『悔やまれる葛根』によれば『葛の分類がどうたら』中尾佐助によるが、 これ著作集に入ってない 『著作集』p720に「メラネシア」でp.montanaが根っこを焼いて喰はれてると書かれる)とか、支那で、粉葛と呼ばれるp.thomsoniiの一種が、スープ種や、斬って、ちょっと湯がくか蒸した根が、適当なおやつとして流通(周達生)してゐる。他のp.トムソーニー種はお芋さんを食ふ。あと根茎なイモを食ふ系は広西、雲南、四川に生えてるp.edulisの他、インドのp.tuberosaがある。
ヒマラヤとかアッサムとか華南やミャンマーに生えてるp.phaseoloidesさんは、雑草除けクロップとしてヤシ園やゴム園を作る際に栽培される(これが凶悪な成長力で地表を覆ふのを利用する)。
葛は、江戸時代に栽培されてたらしい。でぇたそおす(中尾佐助『著作集1』p70)が、「佐藤信淵」あの、蛮學社中あるいは尚歯会のユニークなぢぢいとして『風雲児たち』に出てきた!!『帝都物語』で「江戸は東京と改名」案を出すやうなをっさんとして関東ユートピア構想がどうたらの際に引かれる!!同作者の『本朝幻想文学縁起』で「世界征服の本」を描いた人として紹介されてる!!平田篤胤と縁深すぎる!!、そのひとの文章を、中尾佐助先生も参照してて、コーヒー吹いた。
繊維をとるとかなんとか。被布、狩衣、袴、襖、屏風、壁紙、かや、布団、窓かけ、貼り布の材料となった。また、古代の帷子も葛で作った。
神武帝が土蜘蛛をやっつける際に網の材料として使用 なのでその辺を葛城(カツラギ)といふ。
葉っぱは翻るので、「裏見」が葛の葉につく言葉となる。あと「かへすがへす」 狐とか野干(『鬼灯の冷徹』では狐の異称とするが、南方熊楠によれば「ジャッカル」あと「クツネ」と読む文献がある)がどうたら。
ウマノボタモチ カイバ イノコノカネ ウマノオコワなど、飼料や動物のえさとしての呼称がある。私ゃ大昔、飼ってた兎にねっ、衒ひのないその辺の葛をあげて、飯食ってるとねっ、兎が鳴くわけですよ。なんだと思って行ってみたら、兎(牝)の後ろ足に葛の先っぽが絡まる(棒とかへ絡まるアレが発動したらしい)恐怖の触手プレイの真っ最中なわけですよ。なんとか外しましたけどもねっ、大自然の驚異を目の当たりにしましたよあの時は、えぇ。