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  とり・みき『石神伝説』 1から3巻 文藝春秋  『山の音』の方もすこし。

 石を依り代にした信仰を持つ先住日本人の怨念を操る謎のお兄さん白鳥、その野望を食ひ止める自衛官石上 に巻き込まれるおねえさん桂木真理と東北の記者安孫子。

 作者によれば、星野之宣、諸星大二郎系を目指したところ「迫りくる大怪獣!邀え撃つ自衛官!」といふ東宝系になってしまったと。

 遮光器土偶を「アラハバキ」としてゐるので、そっち系と思ったら、そのエミシ領の筈の東京まで出張してきた東北の人の記者安孫子さんのモデルの人は斉藤光政さんださうである。なんつうか。しかも安孫子さんは自称「トンデモ本ライター」で、『石のパワーでハゲが治る!』とかの本を書いてゐる。そんでもってアラハバキは遮光器土偶の形の他ハハき即ち蛇神として登場する。客神は主神ににボコられて土人を支配するやうお願ひされた元土着の神と言ふ説を採用。アラハバキやるんだったらアラトか脛衣(脛に佩くからハギハキ~ハバキ)説の方だよなぁ。

 物部氏 モノノフもセクションの一つなので物部麁鹿火(アラカヒ)の末孫である石上なんとかが、大和の軍隊自衛隊に入って仕事をしてゐる。
岩楠舟を「石の舟」と解釈する。

 ケツミコ 樹木神を拝む説で行く。ケを「植物関係のエネルギー」と説明。その神の後に熊野の御宮で拝まれる素戔嗚尊を拝む元物部の一族「須佐の連(すさのむらじ)」がどうの。

 石を一応マナ・アーティファクトと解釈。銅鐸の使用法 ううーんううーん 諸星大二郎『孔子暗黒伝』での南(多分吊るして叩いたと思はれるパーカッション的な物)の使用法のがうーん。エンターテインメントとしては「あのぉ 「巨乳の地縛霊が股を主人公の顔に」みたいなお色気をですね」には違ひないのだが上だと思ふ。

 『山の音』での、ヤマトタケルの伝承を襲ひ、記紀の一説を引いて「神話の通りだ」といふ『暗黒神話』からのナニはマストだと思ふ。多分『ラピュタ』でのムスカのセリフ「黒い石だ 伝承の通りだ」も絶対影響受けてると思ふ。『孔子暗黒伝』にシシ神と呼ばれる“奇形の鹿”が出てきて、土人は怪獣扱ひなのだが支那の聖人は、「瑞獣なんでは」と言ってゐる。『もののけ姫』の、村から負け出たアシタカがけが人をアレしてると、『孔子何とか』に出て来るやうな「あいつらがシシを呼ぶんだ」と言ふセリフが、とやってたら、田中圭一先生が『ペンと箸』で、その辺のキャラクターの造型を使って「宮崎駿の諸星大二郎の影響」を解説してた。

 “耳の付いた蛇”あるいは“有翼の蛇”ううーんううーん。耳は水属性であるが、ちゃんと劇中で、亀がどうたらし(諸星大二郎のオマージュの可能性が薄い)、雨ん中、蛇がヒロインを襲ふ。

 石神井公園 ぴゃっとであるが、吾妻ひでお先生がモデル説のあるかたが屹立した石の棒を用ひて、ホームレスを糾合しなんかする。この石神様は(以下、特定の出版社に対するヘイトスピーチ)し、かつモデルであるらしいあじま先生をメジャーぽいマンガ家へ担ぎ上げた。とり・みき先生はリテレートの筈であるが、あうあう。

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