前回が好評だった(たぶん)ようなので、引きつづき極私的誇大妄想的超豪華メンバーによる「キャラ紹介」をやります。

 ここからは〝脇役〟ということになります。

 主役級キャラというのは著者としての思い入れやこだわりも強く、その人物ならではの強い個性を発揮させたいと思うところから、どうしても特定の俳優さんに限定しにくいものがあり、「まあ、いちおうこの人にしておきますが…」という感じのためらいがどうしてもつきまといます。

 ですが、脇役となるとそれほどこだわりはなくなり、「彼ならうまく演じてくれそう」とか「この人のこんな役柄が見てみたい」というふうに、ある種無責任な期待感のような気持ちでキャスティングできます。

 こと脇役に関しては、むしろこちらのほうが楽しく、のびのびとした気分でやれる分、本編の「登場人物ノート」とは印象が違って華やかでにぎやかなイメージのものになっている気がします。

 では第2回をお楽しみください。


《純真なマチウ[胎動篇・生誕篇]キャラ紹介》②

◯ オルダイン
 スピリチュアルの勇将皇帝。イケメンの偉丈夫でないと、ということでイメージはケヴィン・コスナー。大根役者だと思うが、存在感は抜群だし強い意志と朴とつとした優しさもある。いかにも娘のカナリエルを溺愛している雰囲気が伝わってくる気がするのだが、どうだろう。ケイト・ブランシェットと並んでも見劣りしない。まさにハマリ役。

◯ ファロン
 作家の例にもれず私も悪役が好きだ。好きなので悪役にしきれなかったり、当初の予想以上に活躍(暗躍)させてしまったりする。「24」で大ブレークしたキーファー・サザーランドだが、あの役以外はほとんど冷酷な悪役のはず。私には親父のドナルド・サザーランド(「ハンガーゲーム」に出ている)のほうがイメージが強烈だが、その分息子にはファザーコンプレックスを見てしまうために、かえってファロンぽい感じがするし、甘く感傷的なところもあり、姑息なファロンを見事に演じてくれそう。

◯ クレギオン
 イメージは間違いなくショーン・コネリー。007卒業して渋さで勝負し始め、でもまだ鋭い眼光が印象的な「薔薇の名前」くらいの頃の。ショーン・コネリーはどんな映画でどんな役柄をやっても彼にしか見えないという大スターの風格を感じてしまう。新人類スピリチュアルの謹厳、誠実な将軍やってもらえたら最高だろうなあと思う。これからも重要なキャラとして活躍してくれるはず。

◯ エルンファード
 勇猛果敢だが素直でさわやかな笑顔の戦士でだれにも好かれるタイプ。つまりエゴイスティックなところをまったく感じさせない好青年ですね。ということで、ユアン・マクレガーがまさにぴったりだと。こういうキャラは書いていても気持ちいいが、この物語は人も運命も入り乱れるお話。けっして順風満帆にいくはずがないので、苦悩に満ちたエルンファードの表情も……。

◯ ウォルセン
 ツイッターでは言及できなかったキャラ。はしょったわけではなく、あまりにも個性的なために適役の俳優が見つからなかったのだ。ヒョロっとして頼りなく、浮世離れした壮大なことを妄想していて、周囲から浮きまくっている…そんな俳優いるのかと。本気でハリウッドの俳優名鑑でも調べようかと考え始めて、たった今ハタと思いついた。ジョニー・デップがいるじゃないか! [揺籃篇]の行軍シーン、あそこでケヴィン・スペイシー扮するムスタークと掛け合い漫才みたいな会話をしているのは、まさにジョニー・デップだ。おお、これは今回の「キャラ紹介」企画の最大の成果かもしれない。やってみるものだなあ……。

◯ ラムド
 ロッシュに憧れる青年(といっても同年だが)ラムド。素直で適度にマッチョで初々しい。となれば「プライベートライアン」の頃のマット・デイモンですね。ロッシュの側近になっていくはず…と書いたら、[揺籃篇]ではしっかり部下になった。内面的な葛藤とかはなくても、「ボーン」シリーズのようなアクションや不屈の闘志を見せる場面はぜひ描きたいなと思っている。ちょっと楽しみ。

◯ ツェントラー
 クレギオンの右腕。クールで論理的、とっつきにくい人間。映画「イミテーション・ゲーム」で見つけたのがベネディクト・カンバーバッチ。「スタートレック」や「SHERLOCK」も立て続けに見たが、もう完全にツェントラーにしか見えない。[揺籃篇]では毒のあるユーモアも見せていて、重要キャラになっていく気配濃厚である。

◯ バルトラン
 やることは派手、生意気な言動で騒がせるというイメージで、やっぱりトム・クルーズ。上流階級の品の良さはないが、ロッシュに張り合う意地の強さは十分表せるだろう。超豪華キャストにさらに華々しさを加えるという意味でもピッタリかな、と。イメージ的に底知れぬ野望だとか深みのある感情表現は似合わないが、戦場とか宮廷の派手な場面では抜群に映えそう。そういう役柄に持っていきたいと思っている。

◯ ムスターク
 クレギオン役のショーン・コネリーと同様迷わず演じさせたいのがケヴィン・スペイシー。他の配役だと「誰なら演じられるかな」と考えてしまうが、彼ならクセの強いムスタークを作者も驚くような意外性のあるキャラにしてくれそう。スペイシーがしゃべっていると想像しながらムスタークの出番を書いていると、それだけで想像が広がる。小役人から陰謀家まで幅広くこなせるのもいい。ロッシュの片腕となるのにまさにうってつけの配役だと思う。

◯ ドミニオス
 フィジカルのゴドフロアに匹敵するスピリチュアルのマッチョ。戦闘に夢中になるあまり戦況をかえりみないような直情径行の戦士。となるとやはりドルフ・ラングレンか。「ロッキー」に出た若い頃なら、スピリチュアル的なエリートっぽい気取りや生意気さも漂う。ロッシュ役のジュード・ロウを傷めつけるシーンにはぴったりだと思う。

◯ アラミク
 ヒロイン・カナリエルは当初ご想像におまかせしたが、圧倒的に華のある美女というイメージはあったから、将来の寮母となるアラミクはそれとは対照的な魅力の女性を、と考えて若い頃のデミ・ムーアを。清純さと一途さが売り物だった、あくまでも〝若い頃の〟という限定つきだが、これは納得してもらえるはず。ぜひ「ゴースト」か「ア・フュー・グッドメン」を見てください。


 ……さて、第2回のキャスティングはいかがだったでしょうか?

 読者サービスという側面はもちろんあるものの、執筆しながら私のイメージの足かせになるような配役は避けています。ただ単に豪華キャストであればいいというものではなく、読者の皆さんにもそれなりに納得してもらえて、なおかつ私にインスピレーションをもたらしてくれればと思いながらやっています。

 ともあれ、第3回をお楽しみに!

 では、また次回の更新で。