前回の記事の続き。
舞台は大正初期あたりの日本をモデルにしているという設定の為、色々とその時代の流行りやなんかを調べている。
あくまでも「日本がモデルの世界」であって忠実に時代をなぞる気はないのだけれど、それを言い訳にとんでも描写をするってのはどうも良くない気がする。出て来る人物が「超やべえ」とか言っていたり、露出度の高い女性が男に群がっていたり、そういった現代のノリを書く気にはならない。
で、色々調べて面白そうだなと思える当時の流行やなんかをノートに書き殴っていたので少しばかり吐き出してみようと思う。
主にネットで拾った情報なので大なり小なり間違いはあるのかもしれないけれどご勘弁。
まず新聞縦覧所。この施設は大正というよりも明治時代が流行のピークだったようだけれど、その変遷具合がなかなかにユニークで是非とも小説に取り入れたい施設だ。
名前の通り、この施設の主な目的は地域住民に新聞や雑誌、官報を無料で提供することなのだけれど、やがてケーキやコーヒーを提供する場所も生まれることになった(ミルクホールという名称も生まれた)。
そしてそして、後期になるといかがわしい商売(売春など)の隠れ蓑としても機能するようになる。
小説に取り入れるなら、この時代の情報源としてであったり怪しいスポットであったりと幅広く話を展開できそうな気がする。
次に「たちんぼ」とよばれる人たち。近年では夜に男に誘われるのを待つ女たちの事をこう呼ぶこともあるらしいけれどそれとは別。
まだ車の性能が良くなかったこの時代、急な坂の下には(諸説あるけれど)ふんどし姿をした男たちが集まっていて、車を後ろから押して坂を上るのを手伝い、駄賃をもらっていた。
主に職にあぶれた男たちがこういった手伝いで日銭を稼いでいたようなのだけれど、なかなかに泥臭さと人間らしさが感じられて良い。
例えば、この時代の女性たちはこぞってカフェーでエビフライやオムレツを食べていたりしたのだけれど(多分)、お洒落な感じで微笑む女性たちの目の端にプリプリお尻のふんどし男たちが映っていたらなんだか面白い気がする。
今とは違って(失礼)奥ゆかしい女性が多い中、その光景はどういう心情を生むのだろうとワクワクしてしまう。
(つづく)