「ペン・クエスト」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883163617レビュー自体は2017年6月9日の時点で書いているのだけれど、前回、前々回の近況ノートにて話題にした当の作品であり、嬉しい事に無事見つける事が叶ったのでその報告も兼ねてのこぼれ話ということになる。
昨今の冒険小説というのはいわゆるテンプレートと呼ばれる異世界モノ作品で溢れていて、一種の飽和状態となっている。さらに面白いもの、面白いものと求めていくのならば、尖った設定であったり斬新な驚きを踏まえたものって事になるんだけれど、やっぱり「あー、また異世界モノね」という残念な既視感ともいうべき感覚がつきまとってしまう。
それを払拭しようとさらに尖った設定を持ち込んだり、扱うジャンルを細分化していったりと--。それはそれで発展の為には良い事なのだろう。
しかし、そうした中で思ってしまうのだ。「もっとシンプルで良いのに」
本作は特殊な設定(武器が筆記用具)こそあるものの、どこか懐かしい雰囲気を感じさせてくれる。
文体の柔らかさであったりキャラクターのわかりやすさだったりがそうした懐かしさを運んでくれるのだろう。
まるでドット絵のロールプレイングゲームを遊んでいるような。ボタンの少ないコントローラを握ってブラウン管TVの前にかじりつくような、そんなワクワク感がある。
今回、私がこの「ペン・クエスト」を再読したい為に探しているという旨を作者さんにお伝えしたところ、非公開にしていた本作をまた公開して下さった。
本当に感謝です。