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第一回自主企画①

コトノハーモニーの遠野と北山です。
今回ははじめての企画に参加して頂きありがとうございます。一体何を言われるのかと身構えてる方もいらっしゃるかもしれませんが、物語を書く端くれとして、書き直すための材料として何が必要だと思うのか、真剣に意見を出し合い、まとめました。

批評『青春って何味なんだろう』齋廻殿雫 さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054904188675

〇肯定的批評
・一人芝居のような饒舌で軽快な一人称
・モテるということを目標にしたときに、師匠をつくるというアイデアが面白い
・主人公が「これはモテないだろうな」というのが読み手に伝わる
・主人公の思考と異性との噛み合わなさがリアリティがある(つまらなくはなかった、など)

〇批判的批評
・この話でエピソードで見せてほしい場面がモノローグで終わっている(モテるための努力、野外学習、彼女への告白など)
・ビターチョコレート、星空みたいな恋等、直接的な比喩が多い(特にビターチョコレートのように苦いは、ビターチョコレート=苦いとわかる。カカオ100%のビターチョコレートのようだ、など味覚に訴える表現の方が良いと思う)
・主人公と彼女が付き合うようになった理由、もっと言うなら彼女が話しかけてくれるようになった理由、二人の距離感の変化が読者にはエピソードがないため見えてこない。そのため「青春バンザ〜〜イ!」→「振られた」のインパクトが小さくなっている。

〇雑感
・主人公の語るテンポに釣られて読み進められるが、主人公のモノローグだけで進むため、主人公の人物像や魅力が伝わってこない。
・現在進行形の青春が語りたいのか、「結末」とする青春を総括したいのか、時間軸が回想も混じっているため分かりにくくなってしまっている。
・主人公の人物像がわからないので読み手はずっと知らない人の話を聞いている感じがする。これは主人公の行動が具体的なエピソードや彼女との会話のやり取りとして描かれていないため、読み手には「なぜこの人はモテるようになったのか」「モテなかったのは容姿?言動?性格?」など疑問が残ったままになる。
・サッカー部のモテる先輩はただ近所の先輩とするより、幼馴染の先輩等の近い関係にしたほうがより自然に受け取れる。(ただ近所というだけでモテるサッカー部の先輩がモテない主人公を相手にしてくれる理由がピンとこない)
・一人称の語り手というより読み終わった後にモノローグとしての印象が強い。これは主人公の主観で思ったこと、感じたことしか語られていない事が大きい。一番の見せ場になるべき告白の台詞やそれに対する彼女の返事、周囲とのやり取りを描くことで主人公の輪郭が読者の中で浮かび上がってくると思う。
・せっかくタイトルで何味と言っているわけなので、書き直すときには読者が予想もしない(例えば、一緒に〇〇を食べた後に振られたから〇〇味)とエピソードに絡めた具体的なものにした方が良いのではないか。

今回は企画に参加頂き、ありがとうございました。
よりよい作品になることを期待しております。

1件のコメント

  • こちらこそ、今回このような機会を頂きありがとうございました。
    この批評も私たちの意見や主観が入ったものになりますので、もちろん肯定的・批判的共に全てを受け入れる必要はなく、それを望んでいるわけでもありません。どうかご自身のよりよいと思う作品を、これからも作り続けて頂ければ幸いです。
    今後のご活躍をお祈りいたします。
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