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第一回自主企画⑪

コトノハーモニーの遠野と北山です。
今回ははじめての企画に参加して頂きありがとうございます。一体何を言われるのかと身構えてる方もいらっしゃるかもしれませんが、物語を書く端くれとして、書き直すための材料として何が必要だと思うのか、真剣に意見を出し合い、まとめました。

批評『カーブ』くじら時計さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897953770

今回作品を読ませて頂きましたが、肯定的批評、批判的批評として語るより、全体を通しての批評の方が伝わりやすいと判断しました。そのため全体として批評する形を取らせて頂きます。

まず一つ目、最後に明かされる少女の正体が「地球」である必要はあるのか、という点が気になりました。なぜ夢という形で「僕」の前に繰り返し現れるのか、ループしながら主人公が答えへと近づいていく構成ですが、そこに主人公だからという理由があった方がより説得力があると思います。いきなり最後に地球と言われるとスケールが大きく、急に抽象的になった印象があります。家の近くの幼い頃に遊んだ森や川が開発されてなくなる等、もう少し主人公にとって関係のある場所の方が「夢に出てきて訴えてくる」ことに理由ができると思います。

二つ目、これは読者対象をどこに置いているのか、という点です。カテゴリ的には童話も入っており、それも意識しているのか難しい言葉はなく平易な文章です。しかし、ループというのは童話でもよくあるパターンですが、5回の繰り返しは多いと思います。今の展開では子どもの興味を最後まで引くのは少し難しいのではないでしょうか。昔話や民話も同じ展開を少しずつ変えて繰り返しますが、この繰り返しは3回まで、と言われています。読者対象を意識した上で、夢以外の現実パートも用意した方がより物語として、めりはりがつくと思います。

三つ目、「体が痛いから休んでいる」→「穴に落ちる」というパターンから、主人公の言動や行動に合わせて展開が変わっていきますが、最後に明かされる種明かしが逆に今まで何を暗喩しているのか、最後に疑問が浮かぶ構成になっていると思います。それが作者としては「最初から読み直して意図を汲み取ってほしい」という狙いもあると思いますが、逆に「環境問題を示唆しているとして、少女の姿なのはなぜ?地球にとって肺とは?好き嫌いとは?」という疑問も抱きます。「僕も好き嫌いをせずにご飯を食べようと思いました」という主人公の思考もそうですが、最後のパートは全体にやや唐突なイメージです。

この作品を書き直す場合、やはり読者に委ねたい部分もあるのだと思いますが、もう少し読み手が主人公に寄り添えるような導入、もしくは現実パートを用意することで(主人公が地球について考える機会があるだとか)主人公の夢とこれからの夢を抱くことに意味を持たせる方がいいのではないでしょうか。

今回は企画に参加頂き、ありがとうございました。
この批評も私たちの意見や主観が入ったものになりますので、全てを受け入れる必要はなく、それを望んでいるわけでもありません。どうかご自身のよりよいと思う作品を、これからも作り続けて頂ければ幸いです。

このような機会を頂きありがとうございました。
今後の活躍をお祈りいたします。

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