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自主企画の御礼とまとめ

エントリーくださった皆さん、改めてありがとうございます

 たくさんある自主企画の中から、(ちょっと面倒くさそうな企画主であることを感じつつも?)ご参加くださった皆さんには、感謝に絶えません。
 本当に、機会を賜りまして、ありがとうございました。

 さて、今回のテーマは、魅力的なキャラクター性に関してでした。
 企画を通しての気付きは後日、エッセイの方にまとめ直しますが、ひとまずはポイントだけ。


【魅力のある登場人物を描くために】

①説明はしないこと

 地の文で、この登場人物は○○な性格ですと明示するよりも、
台詞のやり取りや、具体的なエピソードの積み重ねから、「この登場人物は○○な性格なんだろうなぁ」と、読み手に発見させられると良い。

②人物評価は、具体例を用いること

 「あなたはすぐに泣くんだから」と言われる主人公は、その台詞が発せられるより前に、些細なことで泣く「事実」を示しておかなくてはいけません。

③書き手による人物評価と、読み手が受け取る人物の印象

 案外合致していない。
 書き手の脳内において、各登場人物の性格や生い立ちなどは、よくよく見知ったものだが、読み手の脳内では、作中に提示された情報を元にしか、人物を把握できないので。



【その他、広範に文章表現に関して気をつけたいこと】

①推敲は重ねること

 文章のねじれ、語句の誤用。設定の矛盾……たくさんあります。

②情報のまとまりごとに1文、1段落を区切ること

 文や段落を越えて、同一情報が展開される傾向あり。形式段落、意味段落など、要チェック。

③美しい言葉、語感の良い言葉を並べないこと

 雰囲気がありながら、今ひとつ内容理解に及ばない理由の一つがこれかと。
 しかし、書き手と読み手との相性も多分に作用するでしょうから、難しいところ。

④読み手は、何も知らないということ

 書き手の提示した情報のみを元にして、読み手は真っ白な紙に絵を描きます。
 場所はどこ、この人はどんな人。しかし、説明にならないように。

⑤書き手の自我を出しすぎないこと

 もちろん自己表現なんですから、自我は出して良いんですけれど。
 自我全開! な感じだと、こっちもレポート書きづらいと言いますか……まるっきり知らない者同士がコミュニケーションを取り始めるために、「あなたの小説」を批評することを手段としているのですからね。


 以上、レポートを書く中で、幾人かに渡って見られた特徴&注意点でした。
 


【要件定義の重要性について】

 以下は、前回分も含めて、私の反省点ですね。

 募集型企画を行う上で、重要になってくる力とは何か。

 自分が何を求めているのか、詳細に提示する力ですかね。要は下準備。エントリー用紙、応募要項の作り込み。
 明確に、解釈の余地なく、求める物の条件を出さなくてはいけません。

 ……私、南瓜プリンが好きなんです。固めで、たっぷり甘いの。
 だから、「こんな南瓜プリンを募集して、それに対してレポートを書きます」と言ったはずが、要件定義が甘かった。

 そして、条件外のご応募はご辞退くださいともしなかった。美味しさとか、人気とかに関わらず、カテエラはカテエラです。
 そうでありながら、条件外での応募を受けたさいの対応も、示していなかった。

 もちろんありがたく頂戴いたしましたけれど、レポートの評価軸は変わりませんからね。

「柔らかすぎます」
「砂糖が少ないです」

 それに対して、「クリーミーさが売りなんですけど?」とか「素材の甘みがわかりませんか?」とか、狭量だとか味覚の多様性がどうとか……まあ、物言いが付くのも必至ですわな。初めにちゃんと言ってないんだから。


 コーヒーと一緒に食べなくては真の味わいを得られないとか。
 カスタード・プディングを出して、これが顧客に求められる王道だとか。
 茶碗蒸しを出して、出汁の味を理解すべきだとか。茶碗蒸しは懐石の一品にすぎないのだから、これを食べたくらいで評価しないでくれとか。


 ……とはいえ、まあ、ここは私の事前通達不足&言葉選びの問題が大きいわけですので、多大なる反省をしております。
 同じ目線で物を見て、同じ言語を同じ了解の元で使用することが、何より重要なんですからね。

 要件定義。例外の提示。例外への対応例。
 レポートに至っては、まずお互いの認識を擦り合わせるところから。すなわち、用語や議題の範囲、意味合いを限定すること。
 なにより、穏やかな語り口調であること。



【余談】

 現在、1952年のハンガリーを舞台とした短編を一本書いています。

 世界史、とりわけて現代史とか……だいぶご無沙汰なんですが、社会主義とはなんたるかからお勉強し直し中。
 ハンガリーって東欧諸国に数え挙げられますけど、国民の多くはカトリックなんですってね、へー。というレベルからのスタートです。

 1万字。
 今月中の完成を目指します。

6件のコメント

  • 🍮🥄( ´・ω・`;)人に何かを過不足なく伝えるのは、難しいことですね。身につまされます。自主企画、お疲れ様でした!
  • プリン、ありがとうございます。
    不足なことは実感を持ってその弊害を危惧できるのですが、過剰なることへの意識は存外、欠けてしまうのではないかなぁと思います。

    ちなみになんですが、あの彼ら二人を対比したのは……私の見る目が鋭いからではありません 笑。偶然です、消去法でもありますが。

    ラジルを、少女漫画でいうところの「白イケメン:当初は本命ながら物語が進むにつれて当て馬へと変わる、柔和で優しいヒーローA」と見ると、ヴィランは「黒イケメン:初め、主人公はありえない!なんて否定するけど結局本命の座を勝ち取る俺様系ヒーローB」ポジションかなと思いまして。
    けれども、書き手の推しはヒーローCっぽいぞ、と思った次第です。
  • おつかれさまでした。

    私は何も考えずに脳内に浮かんだことをテキストに落としていくので、そういえばあまり磨こうというか、読む方のことを考えるというか、要するに推敲が足りませんね。
    改めて、そういうことを学んだ企画でした。
    あと、お星さまありがとうございます。

    そして、この自主企画に限らず、およそ自主企画というものは、企画趣旨や規定と違うんだけど……と言いたい参加者の、なんと多いことか。
    たとえばカクヨム上のコンテストでも、字数オーバーとかが指摘されているみたいですし。

    ハンガリー……二重帝国とか、姓名が姓が先、名が後とか、マジャールとか、そういうのしか思い出せません。
    ましてや、戦後となると、もうCOMECONしか分かんないよ状態です。
    頑張って下さい。

    ありがとうございました。
  • ありがとうございます

    こちらこそ、皆さまに参加いただいて初めて、企画が成立しますから、ご常連というか、私の批評を飽きずに来てくださる四谷軒さんには、本当に感謝しております……!

    四谷軒さんは、スピード感のある文章と共に、物語の辻褄が合っているのが、いつもながらすごいなと思って拝読しています
    (多視点とか、時間的・空間的・心理経過等の矛盾が生じない方が、おかしいんですよ……。書いた本人が覚えてられんのですよ……)

    自主参加規定に関しては、まぁ……だからこそ、1次選考は通って当たり前、2次選考からが本番、みたいな説が囁かれるんでしょうね

    執筆中の短編ですが、主人公の少年はハンガリー人ながら、もう一方の少年はレバノン人設定なんですよ
    なので、中東戦争とか内戦とかいっぱいありまして
    ……世界が平和になったら良いなって図書館の隅っこで思っています
  • 初めまして、斑猫と申します。
     特に接点はありませんが興味があったのでお邪魔いたします。
     実は元文学青年だったので小鹿様の自主企画には興味を持っていたのですが、生憎手持ちの作品(特にメイン連載)がどちらかといえばエンタメ寄りだと判断したのでエントリーを見送りました。
     それこそ、南瓜プリンを求めてらっしゃるのに南瓜味のアイスクリームサンデーを出してしまうような気がいたしまして……

     門外漢があれこれ言ってはよろしくないと思いますが、他の方の作品を読み、感想ではなく文学的見地で批評なさったのは本当に凄いと思います。
     私はスコッパーとして「個人的な感想」を書いているだけですがやはり気力とか消耗しますし……
     とはいえ、小鹿様がどういう見地で批評を行うか意思表明なさっているのに後であれこれ言いがかりをつける方もいらっしゃったみたいで、そういう意味でも大変だっただろうと思います。
     また条件の合う自主企画が出来たらこっそり参加したいなと思います。

     ではまた。
  • 斑猫さん
    ご丁寧なご挨拶ありがとうございます

     自主企画へご興味持っていただけて、大変嬉しく思います。
     私のレポートは、私と参加者さん以外からは読まれはしないだろうと思っていたので、ご参加いただいていない方にまで、お読みいただけていたとは、とても驚きました。

     それと同時に、主催者と参加者の閉じたコミュニケーションではなく、第三者が後々に読み返して学びとなるような、そんなレポートの書き方を意識することも必要だと気付かされました。
     叶うことなら、参加者さんの作品と私のレポートと、両方を読んだ上で批評する役がいてくれたなら、より公平で学びのある自主企画になるのではないかなぁと思いました。
     今の形態だと、どうしても批評する側の私の立場が強く、被批評者との議論が成立しづらいので。私を批評する役がいてくれたら、私のレポートの持つ強さも、相対的に弱まることでしょう。

     またいずれ、冬ごろに企画を行おうと考えています。内容は未定ですが、今度はもう少し間口を広く取る予定なので、よろしければぜひ、ご参加ください。

    ありがとうございました
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