土方歳三の元に女の子が訪ねてくるお話を書きたい
そう思い立ち、ストーリーを考え始めたのは、私が15歳になったばかりのころでした
思春期真っ只中の15歳が描く主人公は、
全てにおいて感情的で自省するところがなく、自分の気持ちを理解してくれない大人はみんな敵
そんな、読み返しては胃の痛くなるような、自己中心これ極まれりという少女でした
そのまま私の中学時代の為人だったのだと思います
二十歳を過ぎて、プロット状態だった当作を小説に直していくさいには、
主人公の性格へとかなり手を入れて、耐え忍ぶ健気さと親しみやすい素直さとを持たせました
書きながら、当時の扱いにくい存在だった私へと親身に関わってくれた中高の先生方を思い出して、
心の中で深く詫びを入れつつ、感謝を新たにしています
当作には、優しい大人がたくさん出てきます
私もいい加減、大人側に立たなくてはいけない歳になりながら、いまだ子どものままであることが恥ずかしく思います