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【先着30名】じっくり読みこんだ本音感想を書く企画【11】〜【15】

質問・返信は以下のノートにお願いします。
https://kakuyomu.jp/users/kamemushi_kazino/news/16817330647889422158

参加作品:
【11】三角形の頂点から垂線を落とす(サエグサナツキ)
https://kakuyomu.jp/works/16817139556084436756
【12】カフェ・ボヌールでひと息(浅川瀬流)
https://kakuyomu.jp/works/16817139556505295903
【13】僕の名前は…(ひよこ(6歳))
https://kakuyomu.jp/works/16816927859941563905
【14】料理人彼氏とメンヘラ彼女(ざるうどん)
https://kakuyomu.jp/works/16817139557178515581
【15】アノコのアノヨ 〜死後の世界で僕たちは地獄へ行くことも天国へ行くことも許されないけどそんな世界から脱出することを決意する〜(れむの)
https://kakuyomu.jp/works/16817139557546162309

【01】〜【05】
https://kakuyomu.jp/users/kamemushi_kazino/news/16817139558448303881
【06】〜【10】
https://kakuyomu.jp/users/kamemushi_kazino/news/16817139558641572246
【16】~【20】
https://kakuyomu.jp/users/kamemushi_kazino/news/16817139559021075559
【21】~【25】
https://kakuyomu.jp/users/kamemushi_kazino/news/16817330647559848000
【26】~【30】+【31】
https://kakuyomu.jp/users/kamemushi_kazino/news/16817330647793336857

⬜️企画説明。

参加条件:
・先着30名。一日一感想で九月内に終了(予定)です。
・一万字以内の短編。短い方が熟読できます。
・ジャンル不問。作者の好みの傾向はプロフ参考。
 よく知らないジャンルは、前置きの上で、わからないなりの感想を書きます。
・辛口でも泣かない。
 反論は近況ノートにて受け付けます。誤解があれば訂正します。
 それでも納得できない場合は「所詮一個人の感想」と割り切ってください。
・梶野の趣味や傾向が気になる方は、プロフや作品をご確認ください。
 いわゆるラノベより、やや一般小説よりかと思います。

ご注意:
・正直な感想を書くので、辛口の場合もあります。
 梶野の近況ノートを遡れば、どういう感じかある程度わかるかと思います。
・可能な限り、「自分ならこう書く」を提案するスタイルです。
 作品の改善を求めるというわけではなく、単なる作者の練習です。
 もちろん、提案通りに直していただいても構いません。
・テンプレ的な異世界転生やなろう系は、ほとんど読んでいません。
 それでも読んでもらいたいという野心作なら歓迎です。覚悟してください。
・星やレビューはお約束しません。内容次第です。
・その他、質問などがあれば、以下の近況ノートまで。
・初の企画で何かと不手際がありそうですが、よろしくお願いします。

5件のコメント

  • 【11】三角形の頂点から垂線を落とす(サエグサナツキ)
    https://kakuyomu.jp/works/16817139556084436756

    恋愛もの。三角関係がテーマという感じですね。
    内容的には三角関係以前、というか、三角関係突入というか。

    私もあります三角関係。
    二辺がくっついた方の角になれたことはないですが。
    まあおっさんのコイバナとか誰も興味ないでしょうし、さくさく始めるとしましょうか。

    感想、始めます。


    ⬜️読みながら雑感
    二読後の感想を、読みながら書きます。

    今作は一人称の恋愛模様であり、文章が洗練されています。
    繊細な表現も多く、これはうかつに手を入れられないと、
    私なりに十分な吟味をした上での感想だとお考え下さい。

    > 恋とか愛とか、そんなことはよくわからない。
    > と、彼女が言った。

    「と、彼女が言った。」は、私なら削ります。

    この言葉は30行ほど先で、彼女の口から語られます。
    ここは主人公と彼女、どちらの感情なのかわからないまま物語を進めて、30行先で答えを出す形式にした方が、ストーリーに奥行きが出ると思います。

    >高校の合格発表の日。住宅街の中の公園、それぞれブランコに腰掛けて。男女共学の公立校に合格した彼女が、軽くブランコを揺らして前に出る。

    ここは改行した方が絶対にいいと思います。

    > 負けじと地面を蹴った俺が春から通うのは、私立の男子校。合格者の番号が張り出されている掲示板の前で友だちと抱き合ってはしゃいでいた彼女だが、俺と目が合った途端、表情を消した。

    ここも改行がある方がよいと感じます。

    この場面、彼女は女友達と来ているようですが、幼馴染の仲から見るに、主人公とたまたま出くわしたより、一緒に見に来た方が自然な気がします。
    主人公の受験番号を何故知ってるのか、という疑問も解消されますし。
    (まあ表情から読めたのだろうとは思いますが)

    「掲示板の前ではしゃいでいた彼女だが」にすれば、十分成立します。

    >有名私立高校の特進クラスに受かっていた俺がまさか、普通の公立校に落ちると思っていなかったのだろう。

    主人公は彼女と同じ学校に行くつもりだったはずで、
    有名私立高校の特進クラスに受かっていたという事実は、その希望を弱く感じさせます。
    ここは彼女より頭がよい、という事実だけ示せば十分なので、
    「成績がよかった」「模試では合格確実だった」などに、私ならすると思います。

    > ごめん、先に帰ると友達に告げた彼女が俺の元へ駆け寄って、自分の人差し指を俺の指に絡めた。

    彼女がわざわざ主人公のために来てくれるのは高ポイント。
    人前で手をつなぐのは幼馴染の範囲を越えてる気がしなくもないですが、まあ個人差ですかね。
    私が最近の中学生の傾向に無知なだけかもですし。

    > うまく乗れないと泣いた彼女に漕ぎ方を教えた
    直前に「親が言うには~」という自身は覚えていない旨があるので、
    もし出会った時の話であれば、漕ぎ方を教えた記憶は不自然です。

    後々の話であるなら、「それからずっと、二人で公園に来るようになった」的な説明が挟まれた方が望ましいかと。

    >ブランコは色を変えて未だそこに存在している。
    「存在している」がちょっと説明的かも。
    「そこにある」の方が雰囲気には合うかもです。
    公園の遊具、最近は撤去傾向ですよね。

    >男子は家族みたいなものだったし」
    ちょっと?と思いましたが、その後の「小さい学校だったからな」で納得。
    「付き合ってるやつはいた」も上手いフォロー。

    >無理だろ、別れるよ。
    まあ中高生くらいなら、確率高そうですよねー。
    大学生くらいだと、遠距離でもないとそう問題に感じないんですが。

    >「恋とか愛とか、まだよくわからないからなぁ。高校入ってもきっと私は変わらない。彼氏もできないし恋なんてしないと思うよ」

    主人公に気持ちがあってのフォローとも読めるし、ただの天然にも見える。
    秀逸な台詞だと思います。
    これは主人公が、対応に困るのもわかる。

    >彼女の気持ちが俺に向いていないことはわかっていた、それなら
    ここは読点でなく句点の方が。

    >どうして俺はあの時、彼女を捕まえておかなかったのだろう。
    あるあるですねえ。
    もちろん誉め言葉です。だからこそ共感できる。

    >高校に入学して二週間過ぎたころ、ゴールデンウィーク前だった。
    これは文章おかしいです。
    「高校に入学して二週間が過ぎた、ゴールデンウィーク前。」辺りが妥当かと。

    >道場の壁に穴が空いたとかで部活が中止になって
    弓道部の部活で、壁に穴ってあくものですかね?
    いや、誤射ならわかりますが、日常茶飯事のような。

    他の理由かもですが、わざわざ謎の残る理由でなく、他に変えていいと思います。
    「老朽化した壁の修理で」とか。

    >男子校でなければさぞモテていただろう。
    先輩の描写に外見が一切含まれないのは謎です。
    顔の造詣は絶対必要だと思います。わかりやすいし。

    男子校出身者として言えば、彼女いるやつはいましたし、
    男人気と女人気ははっきりと別物でしたが……
    それはまあ置いときましょうw

    >「だろ?」
    先輩好感度アップ。

    >誰かの彼女が先輩に惚れて、そのせいで別れたなどの話は偶にある
    あまりにわかりやすい伏線だったのに、気付けませんでした。

    >咄嗟に、嘘をついてしまった。
    まあ、ありがちですよね。
    おっさんになると開き直れるんですが。

    > 好きな子がいるのか。
    ここは「片思いなのか」の方がわかりよい気が。
    つきあっていても「好きな子がいる」状態ですからね。

    >そう聞かれたら嘘なんてつかなくてすんだ、はいっと大声で返せたのに。
    この読点も、私なら句点にします。
    こう続くと、個性の範疇かもしれません。
    絶対に間違いとも言えないので、こだわりがあるならスルーしてください。

    > 駅と聞けば、彼女のことを思い浮かべる。
    この一文は不要です。
    次行からの説明で、十分に事足ります。

    ここで自分と彼女の通学事情を入れておくのは上手いです。
    二人の遭遇に疑問を抱かずに済みます。

    >嘘がつけなかった、目の前に本人がいたから。
    この展開はとても上手です。
    彼女も先輩も、ごく自然に誤解してしまう感じ。
    まあ先輩は薄々気付いている感ありますが。

    > すぐにわかった。
    ラブコメだと鈍感系が目立つ主人公ですが、こちらは敏感ですね。
    まあ普通はこうなりますよね。他人の恋心には敏感。わかります。

    >「あ、じゃあ……俺はこれで……」
    これも共感。
    悪手なのに、現実を恐れて逃げてしまう感じ、わかります。

    ここの先輩が誘う一連の流れ、意外性はあるのに違和感はない、
    理想的な物語の流れになっていると思います。

    >あと背が高くて顔がかっこいいとか。
    この情報は事前に欲しいところ。
    先輩のイメージを描くのに、最重要なので。

    >運命とか一目惚れとか、そういうものに繋がったのだろう。
    ここは「繋がるのだろう」の方がいいですかね。
    先輩と彼女は確定ではないですし、一般論としても。

    >その言葉に甘えて、俺は逃げ出した。
    「逃げ出した」はちょっと違和感。まあ現場からは逃げましたが。
    この後の独白を見る限り、チャンスを待ってただけで逃げてはいません。

    ここは「その言葉に俺は甘えていた」が順当かと。

    >恋なんて、愛なんて、一瞬で成るものなんて思ってもみなかった。
    まあここも全然確定じゃないんですが。
    最悪の想像を常にしてしまう辺り、共感しかありませんねw

    >嘘をついたのは久しぶりだった。
    いや、さっき嘘ついたとこでしょうw。
    「部活をサボったのは久しぶりだった」の方が的確でよいかと。
    「体調が悪いと言った俺を本気で心配」にして。

    > なんで知ってるんだよ、俺の部がそういうの厳しいって。
    チェック厳しい!
    ここら辺の嫉妬の表現、素晴らしいです。

    > 相談したいことがあったの。
    > と、彼女が言った。

    冒頭と同じ表現ですね。
    合わせてあるなら無理に変える必要もない、かな?

    >住宅街の中の公園、それぞれブランコに腰掛けて。
    >男女共学の公立校の制服を来た彼女が、ブランコの鎖を握りしめる。
    >軽く地面を蹴った俺の格好は、私立男子校の制服。
    >漕ぎ方がわからない、押してよーと言って泣いた幼い彼女はもう、そこにはいない。

    同じ文章を繰り返して、最後だけ変える。
    残酷な時の流れを詩的に表現していて、素晴らしいです。

    >「高校生になったからって、なにも変わらないと思ってた……中学の時は、男子は家族みたいなもので……」

    でもここは、繰り返し過ぎて重くなっています。
    「高校生になったからって、なにも変わらないと思ってた」で十分。

    >「変わらないものなんてないだろ。小さな子どもがいつの間にか、一人でブランコに乗れるようになるように……

    ここもブランコへの言及まですると、やりすぎ。
    主人公の気付いた事実は、彼女に伝えるには重すぎると思います。

    >別々の高校は、うまくいかないと思う」
    これはブランコ同様、以前の会話のリピートだと思うのですが。

    現状を見るに、「先輩と彼女がつきあっても上手くいくわけがない」と聞こえます。
    実際、その意図で主人公が言っているのか考えてみましたが、前後を見てもそうは思えませんし、
    彼女もそう受け取っていないようなので、言葉が浮いています。

    「別々の高校は、うまくいかない」と思っていた主人公が、
    つきあいかけている二人を見て、改めてどう思うのか。
    そこを書くべき場面だと思います。

    >「え? あ、うん……一緒に猫カフェに行った、最初のとき……私から」
    私からかー!
    これは絶望感ある。

    >それに彼女いるんでしょ?
    脈なし感がすごい。
    いたって現実的で問題はまったくないのですが、作劇としては、
    「主人公に彼女がいると言われたので、あてつけている」とも読めるくらいの、微妙な表現である方が、読者的にはラストに希望を持てるかな、と個人的には思いました。
    でないと、ラストの主人公が特攻隊になってしまうのでw

    > 先輩にしか言っていない、ましてや彼女にそんな話をした覚えはない。
    ここら辺、先輩の釘指し感がありますね。
    本気だ。

    >「いろんなことが全部嘘だけど……そうだな、恋とか愛とか、そんなことはよくわかってる」
    主人公が動くと決めた感じが伝わって、すごくよいです。

    >「でもこれが、そうなのかな……」
    ここ以降の展開と描写は、神がかっていますね。
    思わず読み込んでしまいました。絶賛します。

    >垂線はそのまま、真下に落ちて三角形は傘の形になるだろう。
    >下手をすれば、彼女と先輩を繋ぐ相合い傘を作ってしまうかもしれない。
    タイトル回収。
    三人の構図がわかりやすく説明されているのも上手い。
    相合傘も、意味合いが二重になっているのが秀逸。

    >危ないからブランコを横に揺らすな、と小さいころ散々怒った。
    >それでもやめない彼女がかわいくて、俺は呆れたように笑った。

    ここの描写は、以前の過去語りの際に入れておいた方がよかったかも。

    定まった軌道しか動かないブランコを横に揺らすことで、
    横恋慕を表現する描写には、唸らされました。

    >それでも今、欲望そのままに。
    冷静に考えればアウトですが、気持ち的には痛いほどわかる。
    これぞ恋愛という感じ。

    >鎖を持った手と反対の手のひらを彼女の頭に回す。
    ここはやや描写にもたつき感。
    「鎖を持った右手を手放し、彼女の頭に回す。」とか。

    >ブランコを横に揺らして顔を近づけた俺と彼女の、唇と唇がぶつかるように重なった。
    この後、三人がどうなるのか。
    思わず想像してしまう、いい終わり方だと思います。


    ⬜️全体の感想

    ・タイトルについて
    絶賛でこそないですが、印象深くよいタイトルだと思います。
    意味合いは物語で説明されていますが、傘の例えが秀逸でした。

    ・文章について
    一人称であり、特に凝った言葉を使っているわけではないですが、
    リズムや情感の込め方が巧みで、いつのまにか物語に引き込まれる、よい文章でした。

    長い片思いをかかえた高校生の繊細かつ愚かな心理の描写、
    同じ場面を繰り返す演出などが特に印象的で、お見事です。

    細部は指摘しましたが、ほとんど好みの域だと思います。

    もう一つ特筆すべきは、情報管理のうまさ。
    読者に必要な情報を、適切なタイミングで開示する。
    これができているのは、今回の企画を見る限り、かなり稀有です。
    作者が読者視点を確立し、細かにチェックされているのだと。

    派手なタイトルや飾り気ばかりの小説より、こういった文章の方が難しく、完成度は高いものだと、改めて思いました。

    ・内容について
    どこにでもありそうな、いかにもな片思いであり、恋話。
    読み手は共感しやすい反面、パターン化を脱するのは難しいものですが、今作ではラストに意外性があり、嬉しく思いました。

    唯一、瑕疵と思えるのは、「別々の高校はうまくいかない」の部分。
    ここだけは拾いきれていないと思います。
    もし直すとすれば、ここくらいではないでしょうか。

    ・オチについて
    最後の最後で主人公が決意し、行動に移した点を、男性として高く評価します。
    どれほど愚かしく思われても、そういう感情が存在すると知っていますから。
    なんだかんだで足を踏み出せない、昨今よくある展開とは一味違い、小気味がよかったです。

    ⬜️総評
    ・幼馴染の恋心の描写は文句なし。
    ・文章も巧みで、構成を考えて書かれている。
    ・久しぶりに突っ込まずに読めた作品。絶賛。

    読後は自分の黒歴史を思い返したりして、しんみりしました。
    物語の先が想像したくなる部分も、お上手の一言。

    絶賛します。
    よい作品を読ませていただきました。
  • 【12】カフェ・ボヌールでひと息(浅川瀬流)
    https://kakuyomu.jp/works/16817139556505295903

    現代ドラマ。ほのぼのものって感じですかね。
    この手の小説はほぼ読みませんが、ドラマは時々見ます。
    アイドル宣伝じゃないちゃんとしたドラマは、
    いわゆる「日常的なシナリオ」を学ぶのにうってつけです。
    これを量産できるライターってすごいなと、唸らされます。

    私自身は、ほのぼの系ってほぼ書きません。
    私程度では、ほのぼのだけでは売りにならない自覚があるからです。
    他ジャンルに添える素材、フルーツや漬物のような存在だと考えています。ほのぼのや日常会話だけで読者を満足させられるなら、尊敬するところですが。

    それでは、読んでいきましょう。


    ⬜️読みながら雑感
    二読後の感想を、読みながら書きます。

    プロローグ

    >どこか懐かしさを覚える。そんな物静かでノスタルジックな雰囲気が漂う街に

    ノスタルジーと懐かしさはまんま同じで、連続するとくどいです。

    >小さな茶色の猫は、軽い足取りで店の裏口へと向かう。
    じつはこれが萌花だった、という伏線ですね。
    この演出自体は、うまく使えば悪くなったと思います。

    ただこの場面、そう考えて読むと、ちょっとおかしい。
    会話から察するに大学帰りの萌花が、猫の姿で来る意味がないと思います。
    大学では人間に変身していたであろうに、危険な街中を、何故わざわざ猫の姿で? 
    裏口から店に入る萌花が人間の姿なのは、裏口を開ける為かなと納得するんですが、こちらは謎のままです。

    >東雲萌花(しののめもか)
    特に長短ある人名は、苗字と名前のルビを分けた方が自然になります。この場合は「東雲」に「しののめ」ですね。

    > すると、同じく裏口から小柄な女性が現れた。肩につかないくらいの長さで切りそろえられたこげ茶色の髪は、可愛らしく外にカールされている。

    詳細は不必要ですが、どんな雰囲気の女性なのか最低限の描写は欲しい部分。
    後に「つり目」と説明されますが、まったくそんなイメージなく読んでいました。
    これが台詞でおのずと伝わるようなら不要ですが、そうではないので。

    ちなみにマスターに求めないのは、初老の男性以上の情報が必要ないからです。

    >「はい。提出時間ギリギリでした」
    何かの伏線かと思ったら、全然そうじゃなかった。

    > ――十五分後。
    > ガチャッ

    「文章はそつがない」と書きかけていたのに、台無しです。
    こういう表現は、一般小説の読み手にとっては下手の最たるものです。
    あきらかにラノベラノベしてたらスルーしますが、この作風でこれはなしでしょう。

    >項垂れる。
    うなだれる。私ならひらがなに開きます。
    気楽に読んで欲しい小説で難読漢字は厳禁です。

    >プロローグ終了
    三人の登場人物が出勤しただけですね。
    ここからどんな物語が始まるか、期待が高まりません。
    企画でなければ、ここで読むのをやめたかも。

    キャラの魅力の一端を、ここで見せるのは最重要課題です。

    1話

    >私が働くここカフェ・ボヌールは
    一話ごとにキャラ視点が変わる一人称。
    物語に生かせるなら、おおいにアリだと思います。

    >人差し指を立てて小さな声で答える彼女。
    個人的には、指を立てて店員に声かけられる人を「おどおどしてる」と思いません。私が書くなら、店員に「一名様ですか?」と声をかけさせ、受け身にします。

    > そんな空気を変えるため窓を開ける。
    えっ、店員が勝手に? 断りもなく?

    >ここはお客様に幸せを届ける喫茶店なので。いくらでもお話聞きますよ

    リアルだったら、宗教の勧誘を疑います。

    >俯いていた
    難読。

    >「ため息をつくと幸せが逃げるんじゃなくて、幸せじゃないからため息が出るんだと私は思います」

    よくわからない理屈です。
    「ため息は幸せを逃がす」は、「落ち込まず気分転換すべき」という教えですが、「幸せじゃないとため息が出る」は単なる事実です。何も教えてません。
    「なるほど」のわりに話が転がらないのは、そのためです。

    >「帆夏ちゃんの話をまとめると
    相談がびっくりするほどざっくりで驚きました。
    詳細は後述。

    >「なら良かった。ちょっと準備するものがあるから
    えっ、ウェイトレスが自らコーヒー淹れるんです?
    普通、マスターが淹れるものだと思いますが。
    混んでるならともかく、多分他二名ヒマしてますよね?

    注文取らずに世間話に興じた上、客に待てという。
    しかも客の好みや注文も聞かず、ブラックコーヒーを出す。
    好感度ダダ下がり。
    私が客なら席を立つところです。

    後に特殊な店だとわかるとはいえ、この時点で読む手が止まっては台無しでは。
    接客マナーや気遣いは、きっちり踏まえるべきだと思います。

    >私は急いで裏方へ行き、ある豆を選んだ。
    コーヒーを淹れるシーンは調べられたようで、しっかり書けています。
    ただ、残念ながら「説明書を見ながら書いた」以上には見えません。
    立ち昇る湯気やコーヒーの香り、温かさ。
    少しでも、作者自身が感じたものを織り交ぜれば、リアリティが出るかと。
    純喫茶に行くとか、可能そうな経験は「やってみる」のも大事ですよ。

    >「――今日は話を聞いてくれてありがとうございました。
    えっ、相談終わり?
    フレーバーコーヒー、ただ出しただけ?

    私なら、フレーバーコーヒーの蘊蓄を帆夏の相談に繋げますね。

    「ブラックコーヒーにフレーバーをつければ甘く飲めるように、
     帆夏ちゃんも外見を変えてみたんだね。
     それは何も間違っていない。
     でも、その自分を好きになれないなら、無理があったのかも」
    「フレーバーコーヒーには、チョコやキャラメルもあるんだよ。
     自分も友達も好きになれるフレーバー、きっとあるんじゃないかな」

    みたいな。

    >人があまり多くない通りに、風で木々が擦れる音が聞こえる。
    この書き方だと、幹がこすれ合う台風みたいに読めます。
    私なら「風が梢を揺らす音が聞こえる」。

    >きっと今頃「なんでコーヒーなんて買ったんだろう」と不思議に思うはずだ。

    店の記憶ごと消えるなら、
    「このコーヒー、なんでバッグに入ってるの?」になりません?

    >やっぱり同年代の子だと会話も弾むのかね
    女子高生と女子大生が同年代は無理があると思う。
    (クレームはご遠慮願います)

    >大した助言もできませんでしたが、
    ほんとですよ!

    >やっぱり彼女の様子が気になった私は、こっそり帆夏ちゃんの最寄り駅に向かった。

    ヒマな上にストーカーか!
    「後に偶然、駅前で見かけた」で十分だと思いますが。

    >帆夏ちゃんは昨日とは違い、
    服装を変えました、で済む問題なのかなという気はします。
    とくに女友達の間柄では。
    もやもやが残ったまま、締められてしまった感じ。

    >人混みの間をスルスルと抜けていく。
    これとか電柱の陰とかは猫の伏線だったのかもですが、
    どっちとも取れるし微妙なので、特に言及しません。


    2話

    > 平日のカフェ・ボヌールの開店時間は午後三時。
    開店時間遅すぎませんか。
    カフェ&バーとか?

    > ――目が覚め、身支度を済ませる。
    無意味な展開なので、削るべきです。
    無駄な文章を減らすのは、短編の基本です。

    >またお客様の様子をこっそり見に行ったんだな。
    テンションだけで、ここまで読めるのが謎過ぎます。
    せめてこれが朝とか駅前とか、ヒントが一つあれば違うんですが。

    >「いいよね、萌花ちゃんの姿ならこっそり観察してても不審がられなさそうだし」

    いや、女性の時点で不審がられませんけどね。
    むしろ猫の方が面倒ごと多そう。猫好きに絡まれたり。

    >「ふふっ、静哉さんはアウトですね。その姿で都会にいると注目浴びちゃいますもん」

    ここら辺の伏線の出し方はアリなんです。
    ただそれが、まったく面白さにつながっていないのが問題。

    >スーツ姿の男性が
    私なら「若者」にします。
    スーツの男の年齢幅は広すぎるので。

    >初夏の訪れを知らせるような氷の音を聞きながら
    そう、こういう表現です。
    これがコーヒーにも欲しかった。

    >「それって、俺が青二才って言いたいんすか?」
    ヤクザもびっくりの因縁。

    >切れ長の目が僕を見つめる。
    ここは目の形より、怒っているかの情報を書くべき。
    私なら「睨んでいる」と書きますね。

    >僕がその場でおどおどしていると
    客商売に向かない人っぽい。

    >「いやいや、確かに俺は新社会人なんでお兄さんは間違ってないっすよ。そんなに怯えないでください」

    この台詞から感じるのは、「なんだコイツ」です。
    四十代の窪田を「お兄さん」呼びするのが、まず変です。
    普通は「店員さん」でしょう。お兄さん呼びするのは風俗の人だけです。

    因縁めいた発言後に「怯えないで」と言われても、恫喝のように聞こえるだけです。
    普通はここも「そんな気はなかったんです。すみません」くらいでしょう。

    >確かに俺は新社会人なんでお兄さんは間違ってないっす
    本当にこの理由でブルーハワイにしたなら、ケンカ売ってますけどね。
    なぜ窪田は否定しないのか。

    >窪田さんはおいくつなんすか?
    名札を見て店員の名前呼んでくるの、普通にヤンキーですよね。

    >「あ、俺は懸田翔って言います。二十三っす」
    この始まり方で名前と年齢教える客に、寒気を覚えます。
    これは相当ヤバい客に違いないw

    >俺ほんとダメダメで……と、悲しそうに笑う。
    冗談はさておき、
    「生意気そうな新社会人」という書き方とこの台詞はそぐいません。
    私なら「ほんとワケがわかりません」にします。

    >わからいことをわからない
    「な」が抜けています。

    >何でもかんでも質問するんじゃなくて、まず自分で考えてやってみた上で、どこがわからないのかを明確にするんです

    ここら辺は正論で、異論はありません。
    ただ新人教育のいろはみたいな話なので、面白みはありません。
    今は上司側がもっと厳しいこと要求される時代ではあります。
    (会社によりますけど)

    >すごく真面目な子なんだと気づいた。
    ここは当初と違い過ぎてどうかと思わんでもないですが、
    まあ言動にギャップがある人という意味では、ありですかね。

    >「わんこみたいで可愛らしい方でしたね。イケメンだったし」
    わんこ?
    イケメン?
    そんな情報は皆無だったので、まるで共感できません。

    >今時はああいう子がモテるんだな
    モテの要素、どこかにありました?

    >「何言ってるんだい。あれは静哉くんに甘えてるんだよ」
    この二人の関係自体は悪くないし気になるんですが、
    小説内では、ここで触れられるだけという。残念としか。

    3話

    >今日も午前十時から開店のカフェに妻と二人で向かった。
    朝四時に起きるお年寄りなら、開店に並びそうなものかと思いました。
    「席に座れたが、客がいっぱいですぐに帰った」の方が、
    店の雰囲気を語る上でも適切な気がします。

    >私と同じくらいの年の男性が入ってきた。白髪混じりで少し背中が丸まったその男性は、珍しいものを見るような目で店内を眺める。

    「男性」が被っているのが気になります。
    私なら、
    「私と同年代の男性が入って来た。白髪混じりで少し背中が丸い。その背を伸ばすようにして、珍しそうに店内を眺めている。」

    >「柏木さんはご家族は?」
    お年寄りに限れば、客から話しかけてくる展開もありそうですよね。
    それでも、初見の客のフルネーム聞くとかどうかと思いますが。

    >定年退職したばかりの彼
    65歳だとすれば、腰が曲がるイメージはないですね。
    まあ個人差はありますが……白髪や老眼はよく見ます。

    >理想としているアットホームな雰囲気のお店に近づいてきて私は嬉しく思った。

    特殊なお店だとは思いますが、誰も雑務してないのが気がかり。

    >新婚旅行がフランスだったので、なんだか懐かしくて
    むしろここでこそ、話が広がりそうなものですが。

    >肩を落として笑う私に
    「肩を落とす」はがっかりした時などの表現です。
    私なら「肩を震わせて」にします。

    >僕もう恥ずか死します!」
    こんな四十歳、見たくないなあ。(おっさん意見)

    >静哉くんに目を向けると
    「水を向ける」の方が雰囲気出るかと。

    >今日も平和なカフェ・ボヌールは、温かい笑い声で満たされた。
    「平和なカフェ・ボヌール」という表現が、どうにも締まりません。
    老人の一人称なので、余計にそう思われます。
    私なら、うーん。
    「カフェ・ボヌールは、今日も笑い声に包まれて閉店した」
    辺りでどうでしょう。

    エピローグ

    >――彼らの正体は妖怪。
    妖怪大好き人間なのに、まるでワクワクしません。
    理由は後述。

    萌花の猫がしっくり来るくらいで、男二名はまるでイメージが違いますね。
    マスターはタヌキ。静哉はキャラが薄くてイメージすら湧きません。

    >この狭間には人間に化けることができる妖怪しか
    「この狭間には」は被ってるので、削っても意味が通じます。

    >たまに不安定な心の人間が迷い込んでしまうことがある。
    あのくらいの不安定さで迷い込めるなら、フリーパスも同然ですね。

    >彼らはマスターたちのことを覚えていない。
    完全に忘れてしまうなら、アドバイスとかも消えてしまいます。
    「心に生じた変化だけは残る」的な説明が必要かと。

    >――人のいない空間に三人の足音だけが響き渡る。三人は石畳の敷かれた神楽坂の路地裏を歩いていき、現世と繋がっている神社の鳥居をゆっくりとくぐった。

    定点カメラで遠ざかっていくイメージの文章。
    事前に赴きのある会話があるとか、行先に捻りがあるとかなら、
    この文章も効果を発揮するのですが、この会話と行先では……

    >さて、明日はどんなお客様に出会えるだろうか。
    うーーむ。ううーーむ。


    ⬜️全体の感想

    ・タイトルについて
    いかにもというタイトルですね。
    ありがちしすぎて、訴求効果は低そう。
    ボヌールの説明が文中にあるのはよいと思います。

    ・文章について
    基本的にはそつなく読み取れる文章だと思います。

    たまに擬音が過ぎたり、手抜き感のある表現が散見されるのが気になるくらい。
    あと、難読漢字がルビなしとかは、気を付けるべきです。

    あと、今作は一話ごと主格の変わる一人称ですが、
    文章自体はほとんど同じで、女子大生、社会人、老人の個性を表現していません。
    一人称であることをしばしば忘れるレベルで、これなら三人称でよかった気さえします。

    ・内容について
    「リンゴの入っていないアップルパイ」みたいな作品です。
    なまじ文章がそつなく、一見してわからないのが余計にたちが悪い。

    この場合のリンゴとは、「面白さ」です。

    私はドラマとか見ていますが、この手の作品の柱となるのは、
    キャラクター、相談内容、舞台の三つだと思います。
    どれも面白さに直結するものです。

    まずキャラクター。
    客はもちろん店員についても、ほぼ情報はありません。
    本来の仕事や店員同士の関係。読めるのはそれくらいでしょうか。
    何が好きで、何に怒り、どんな人生を歩んできたのか。
    それらがまったく書かれておらず、平坦な人格です。

    それでも物語が成立しているのは、キャラが「ごく普通」だから。
    ひるがえせば、キャラの魅力はほとんどないことに繋がります。
    後述しますがこの問題の原因は、作品の構造にもあると思います。

    次に相談内容。客と言ってもいいです。
    相談はどれもごく普通、一般的な悩みです。
    これはまあよいです。ほのぼの系なので、難題とかは求めません。

    ただ、アドバイスする店員側もごく普通のことしか言わない。
    これはダメです。面白みがまったくありません。
    キャラの魅力を最大限発揮できる場面を、放棄しているんですから。

    女子高生の問題は、本質である内気な性格や友人の選択に言及していません。
    老人の相談は、世間話のレベルです。

    まともなことを言ってるのは静哉くらいですが、それも社会人的には常識レベルで、
    「居酒屋のオヤジの方が気の利いたこと言いそう」という内容です。
    居酒屋に負ける話をわざわざ小説にする必要性を、私なら感じません。

    最後に舞台。
    この作品では喫茶店であり、じつは妖怪絡みの店だったというオチですね。
    喫茶店なのは可もなし不可もなし。
    作品としてはゴロゴロしてるので個性はありませんが、問題もありません。

    問題は「幽世と現世の狭間にある」「妖怪がやっている」という設定。
    これが、物語にまっっったく関与していない点です。
    ぶっちゃけ、この設定を取っ払って、「普通の人間が経営する風変わりな店」にした方が、よほど魅力が増すのではないかと思うくらいです。会話を忘れる設定も、むしろ魅力を減じています。

    妖怪大好きな私が、最後に三人の正体を明かされても「だから?」で済ませるくらい、この話とオカルト要素は関係がありません。
    それ故、最後にタネを明かされても、まるで盛り上がらないのです。

    伏線もあちこちありましたが、客や相談にまったく関係していないので、読者的には気にしてもいません。どうでもいい話です。

    キャラと物語の弱さの二点については、小説の構造から来たものだと推測します。
    この小説はプロローグとエピローグに挟まれたキャラごとが主役の三話だけです。
    キャラについての描写が一話に限られ、加えて客の描写も求められるので、踏み込んだ設定を開示できなかったのではないかと思われます。
    相談事についても同じで、オムニバス形式にしたが故の薄さではないかと。

    まあ、キャラについては、そもそもがあまり練り込んでいない印象があります。
    人間としての生活に妖怪という設定が加わり、リアリティが吹き飛んでしまっているというか。後付けで妖怪設定を加えたのでは、と疑うレベルです。

    最後に。
    この手の「日常会話物」は、読むのは簡単ですが、書くのは超難しいのです。
    それ故、たいていの物語は「ただの会話」以上のネタを併用します。
    殺人、刑事、恋愛、バトル、主軸がなければ、会話だけでは面白さをキープできない。

    それを持たせられる、面白く書けるというのは、本当に才能です。
    私自身、その域に達しているとは口が裂けても言えないくらいです。

    最初に危惧した通り、今作も「やっぱりな」という感じでした。
    初心者のうちは、このジャンルに手を出すのはお勧めしません。
    私なら妖怪要素を前面に押し出し、妖怪ネタで「面白さ」を繋げますね。まあ、そんな作品五万とあるので、わざわざ書きませんけど。

    ⬜️総評

    ・文章はいいが面白みゼロの「中身のないパイ」。
    ・全てにおいて「薄い」。こだわりを感じない。
    ・オムニバスにせず、まずは「まともな一話」を。

    一万字近くあるとはとても思えない内容ですが、
    「すごく軽く書けている」と考えれば、長所ではあります。

    書き忘れましたが。
    この小説は、起承転結でいう「起」が3つ並んだ作品だと思います。
    「承転結」が弱すぎる、ゼロの時もある。
    それでは、読者が満足するわけもありません。

    「雰囲気を楽しんでもらいたい」という考えもわかりますが、
    私は「雰囲気と物語を愉しめる」小説を選ぶと思います。
  • 【13】僕の名前は…(ひよこ(6歳))
    https://kakuyomu.jp/works/16816927859941563905

    ⬜️読みながら雑感
    二読後の感想を、読みながら書きます。


    >平凡は人間は
    平凡「な」

    >特別な人間は、どんな状況においても特別で、平凡は人間は、どんなに努力をしても平凡なのである。

    冒頭が内容に反映されているかは、ちょっと微妙。

    >映画館のスクリーンから出た後
    スクリーンから出る?と思いましたが、これは多分、映画を上映する空間が「スクリーン」と呼ばれているものを、そのまま使ったものだと理解しました。
    この部屋の名称、調べましたが出て来ませんね。
    正式名称がないのかもしれません。
    「スクリーン〇番」とか「シアター〇番」と呼ばれてます。

    ただ、スクリーンと書くと、ほぼほぼ銀幕の方と勘違いしますし、
    正式名称でもない。結構厄介な問題です。

    私なら、「スクリーンに背を向けた僕は」としますかね。
    これなら部屋とも銀幕とも読める。
    映画を見終えて立ち去るのも伝わると思います。

    >僕は声で小さく呟いた。
    「僕は小さな声で呟いた。」

    >周りにも聞こえそうな声量ではあるが
    小声なのに?

    >トートバッグについた鈴の音が全てをかき消してくれた。
    リアリティは皆無なんですが、妙に雰囲気があって、
    こういう世界なのかな?と思ってしまうw

    >その後、映画館入り口に戻り、映画館で
    ここはロビーとかの方がよいかと。
    映画館が被るので、二度目は削れます。

    >ノートを一つ
    「一冊」。

    >取り出されたノートは
    「取り出した」と書いた後なので、不要です。

    >今まで映画の感想が書き連ねた
    感想「を」

    >様々な方向に折曲り
    誤用ではないですが、「折れ曲がり」の方が一般的。

    >まるで、自分が冒険してきた世界の『旅行記』みたいなものだろう。
    なかなかいい一文。

    >よくある入れ替わりのだった。
    「入れ替わりもの」だった。

    >男女がある時突然入れ替わり
    男女がある時「、」突然入れ替わり

    >お互いの素性の少しずつ
    お互いの素性「を」少しずつ

    >そ互い惹かれ合い
    「お」互い惹かれ合い

    >お互いに恋をする。
    「お互い」が被るので不要。

    >そんなありふれたストーリーだ。
    >映画のストーリーとしても凄くありふれたものだったが
    ストーリー被りすぎです。
    映画以外のストーリーじゃないんですから。

    >2倍、3倍と面白いストーリーに魅せてくれる。
    2倍、3倍「にも」面白いストーリーに魅せてくれる。

    個人意には、音や映像でストーリーはごまかせるかは微妙と思いますが。

    >感想を書き終わりふと周りを見渡して見ると
    感想を書き終わり「、」ふと周りを見渡して見ると

    >SNS書き綴っているのだろう
    SNS「に」書き綴っているのだろう

    >僕はスマホを外出の際、一切持ち歩かない。
    僕は外出の際、スマホを持ち歩かない。

    >スマホを持てば、仕事に対する進捗の確認の連絡や、取引先との連絡で通知が鳴る

    気持ちはわかりますが、仕事に支障が出るのではw

    >自分が以下に『凡人』であるか。
    自分が「いか」に『凡人』であるか
    如何に、でもいいです。

    >その経験から一切私は、スマホを携帯することを辞めたのだ。
    もう解約すべきではw

    >今も僕のスマホは家で、誰も見ることの無い通知音を虚しく鳴らしていることだろう。

    時々、妙にセンスを感じる文章があるのが面白い。
    誤字だらけなのに、不思議に期待している自分がいます。

    >僕の最寄り駅に到着をした。
    「自宅」の最寄り駅に到着をした。

    >僕の実家はかなり田舎で
    実家と書くと、住んでいない場所にも聞こえます。
    「僕の家は」で十分かと。

    >それはまるで、一生帰ることの出来ない、闇の世界への入り口の様だ。

    大仰すぎる表現ですが、なんか咎める気にならない。

    >今となってあすでに慣れている。
    今となって「は」すでに慣れている。

    >闇の世界の住人化の様に、闇の世界へ軽快な歩調で僕は歩きだした。

    闇の世界の住人「か」の様に、軽快な歩調で僕は歩きだした。
    被りは省きましょう。

    >段々と少なくなっていく街頭の
    段々と少なくなっていく「街灯」の

    >もし自分が映画の監督だったら、向こうの世界にどの様なものを見せるか。

    映画オタクらしい視点で、嫌いじゃないです。

    >僕の左側に強い衝撃を感じ、そのまま右側に倒れてしまった。
    >そして、頭に強い衝撃を感じた後、僕の意識は途絶えた。

    状況説明が下手すぎます。
    私なら、
    「僕は突き飛ばされるような、強い衝撃を感じた。
     倒れた拍子に、頭に激痛が走る。そこで意識は遠のいた」
    くらいで。
    右とか左とかの情報は、絶対必要な場面ではないので、読者の想像に任せましょう。
    同じ単語をできるだけ使わないのが、文章をくどくしないコツです。

    >鈴を震わせたような声に応じるかの様に、僕は顔を超えのする方向へ上げた。

    僕は顔を「声」のする方向へ上げた。

    ここも声が被ってるます。
    応じるかの様に、は実際に応じているので「かの様に」も不要です。
    「鈴を震わせたような声に応じて、僕は顔を上げた」

    >かすかに、右側頭部に痛みは感じているが、特に出血などは感じられない。

    仮に左右の情報が必要でも、ここで書いてあるので伝わりますね。

    >一安心だと思っていた矢先、目の前に、再度頭を殴られたようなショックが全身を貫た。

    「目の前に」は不要。「貫いた」。

    >これまで見たこともない光景が眼前に展開され、息を呑んだままその光景を見ているとなる。

    とくに最後、どう考えてもおかしい。
    そして文章がくどいです。
    「これまで見たこともない光景が眼前に展開され、思わず息を呑む」
    くらいかなと。

    >目の前に僕がいたのだ。
    >何度見返しても、僕だったのだ。
    ここの繰り返しは、印象付けとしてアリです。
    引きとしても上手いと思います。

    第二話、日常が非日常に

    >オタクとはこういうものだ、と意思表示をしている、チェック柄の赤いシャツ。

    ちょっとくどいですが、まあ味の範囲かな?

    >つまり、映画を大量に見ている僕からすれば、こんなものは日常茶飯事なのだ。

    一周回って面白くなってきました。
    滅茶苦茶ですけど、個性的には間違いない。

    >見えるのは、スマホのライトで照らされている
    どっからスマホ出てきました?
    相手の僕は服装が同じなら持ってないでしょうし、自分自身はまだ使ってないですよね? 他人の持ち物だし。

    >ただし、僕の安否を問う声は、鈴を震わせたような声だった。
    かなり疑問に思うところ。
    声は体(声帯)に属するので、体が入れ替われば、声も入れ替わるのでは?
    男の体に入ったら、女性でも男の声になるはず。

    >きらびやか音色で、それでいて透き通っている。
    透き通るはともかく、きらびやかな音色から声は想像できません。

    >「入れ替わってますね。」
    声のことがなければ、ここの推理はなかなかのワンシーンですが。

    ここまで冷静に判断している主人公が、何故、自分自身(服装や顔、体つき)を調べないかは、かなり疑問に思います。
    この後もずっと調べないままですし。

    >僕は目の前に居る自分に向けて、言い放った。
    ここから相手は「自分」と呼ばれていますが、
    当初は「目の前の僕」だったので、どちらかに統一すべきです。
    例えば『僕』や『自分』のように、わかりやすく。

    >その声は、鈴の音から、吹くと音がなる駄菓子の様な声に変わっていた。

    たまに出る面白い表現。

    >『こいつに、早く現状を認識させて、今後の指示をしなくては。』
    思考の表現なら、()でくくる方が一般的です。

    >そして、目の前に居る自分の肩をがっと掴みながら、入れ替わっている現状、今後戻らない可能性があることを、説明していった。

    そろそろ主語が欲しいところ。
    「僕は、目の前に居る自分の肩をがっと掴みながら、入れ替わっている現状、今後戻らない可能性があることを、説明した」

    >入れ替わりを戻す方法とは、各種映画によって異なっている。
    入れ替わりを戻す方法「は」、各種映画によって異なっている。

    >いきなり入れ替わりが戻るかもしれないし、なにか条件が無いと入れ替わりは戻らないかもしれない。
    ここも被り。
    「いきなり入れ替わりが戻るかもしれないし、なにか条件が無いと戻らないかもしれない。」

    >そう考えた時、まずはこの人との信頼関係を構築することが重要だと考えた。

    まあ、間違ってはいないw

    >僕は、最初に彼女にそう訪ねた。
    いきなり「彼女」になるのは違和感。

    >そのリアクションに驚いたのか、彼女素っ頓狂な声を上げた。
    「そのリアクションに驚いたのか、彼女「は」素っ頓狂な声を上げた。」

    そんな驚くような台詞でもないですが。

    >自分の姿で僕に笑いかける様子、なんとも滑稽である。
    サイコパス味を感じますが、これも味かな。

    >一応コミュニケーションは取れるだろう。
    いやいや、もう取ってるでしょ!w

    >入れ替わりの時に一番大事なポイントは、『疑われないこと。』
    なんかポイントずれてる気がしますが、まあ重要……かな?

    >香川さんが僕の家に、僕は香川さんの家に帰るという事を提案した。

    もう夜ですしね。

    >香川さんのリアクションは、苦虫を奥歯で噛み締めた様な顔をしてる。

    「リアクション」は不要ですね。

    >年頃の女性の家に、僕みたいな男が勝手に入るのだ。
    年頃なら、さっきの情報の時点で書いておかないと。

    >つまり、僕は彼女の可愛らしい容姿に、
    容姿を調べた描写がないのに、あまりに唐突です。

    >その様子は、まるで愛する我が子が殺されないように、身を挺して守っている母親のようだった。

    なんか妙にツボに入る一文。

    >自分が可愛らしいリュックを姿に少し滑稽な気分に浸っていた。
    日本語がおかしいです。
    多分、
    「自分が可愛らしいリュックを背負う姿を想像し、少し滑稽な気分になった」
    辺りでしょうか。

    >「中身はそのまま持っていてもいいので、鞄だけ交換しましょう。」
    頭いい。
    でも、電話番号交換しないのは頭悪い。
    まあスマホ持ち歩かない人だもんな……

    >第三話、
    なんでここだけ、サブタイトルがないんですかね。

    >彼女と別れてから、改めて今の体に意識を向けた。
    ここに至って、入れ替わった自分の服や体を調べないのは流石にどうかと。
    これだけ状況分析している主人公らしくありません。
    映画の登場人物は全員やってます。揉んだりとか。

    >ただ真っ暗であるはずの道が、怪しくも幻想的な光を放ち
    ここはよくわかりません。
    精神的な昂ぶりの表現?

    >誰かが作った、二番煎じでしか味わう事のできない世界
    ???
    ここもよくわかりません。二番煎じとは?
    単純に「映画のような世界」でいいと思いますよ。

    >僕は、主人公になれた感動に、手をたたき歓声を上げそうになる。
    これはまあ共感できる。

    >下腹部にに小さな違和感を覚えた。
    下腹部「に」小さな違和感を覚えた。

    >女性としての体になっていたので、気づく事はなかったが、
    いや、同じでしょ。
    ……同じだよね?知らんけど。

    >普通の僕であれば
    「普段」の僕であれば

    >そう考える自分の正義感と、尿意の間で、
    「正義感」より「倫理観」の方が適切ですかね。

    >個室しかしか無い女子トレイに事に新鮮さを感じ、僕は女子トイレを後にする。

    突っ込みが追いつきません!
    「個室「しか」無い事に新鮮さを感じ、僕は女子トイレを後にする。」

    >その際、相手の驚いた顔に、
    いきなり相手と書かれてもわかりません。
    トイレに入って来た女性とか、洗面所にいた女性とか書くべき。

    >相手の驚いた顔に
    まあ、この時点で男に戻っていたという伏線だとは思うんですが。
    ぶっちゃけ、リアルならこの時点で事案ですね。

    最終話

    >警察官も、度々往来をしている様子が見て取れる。
    なぜこんな状況になっているのか、最後まで理解できませんでした。

    >『入れ替わり』の現象を不老不死と捉え、警察等の権力を自由自在に操る大富豪に狙われる主人公。

    ああ、なんかありそう。

    >その思考をし始めた僕を、止めるものは誰も居なかった。

    この間違ってるようなもうこれでいいような、微妙な表現!

    >恐怖感で氷の様に固まった足を、決意と勇気の炎で少しずつ溶かし、

    この表現、いいですね。

    >ようやく彼女の家の目の前に
    「ようやく彼女の家の前に」

    >彼女の家に向かうためには、必ず警察署を通る必要がある。
    どういう立地なのか、謎過ぎる。

    >一歩進めば振り返り、また一歩進めば振り返る
    警察署は前にあるのでは?

    >母親に抱擁されているかの様な安心感に身を包まれ
    なんでこう、私のツボに入るのかw

    >だが、ドアは開かない。
    カギがかかっているんじゃ?

    >伝わってくる布の感触
    これはわかりません。誰の布?

    >全身から抜けてた緊張に利子がつき、全身をこわばらせた。
    これもセンスのいい表現ですね。

    >僕が振り返る前に左肩を叩いた人物声をかける。
    「僕が振り返る前に「、」左肩を叩いた人物「が」声をかける。」

    >僕は、震える声を出来る限り抑えながら
    >「大丈夫です。」と答えながら後ろを振り向いた。
    ながらが二回続いています。

    >鈴の音の様な声がよく似合う綺麗な女性が佇んでいた。
    >「君、名前は?」

    主人公が男に戻っており職質を受けた、というのはわかるんですが。
    女性が何故戻ってきていて、何も言わないのか。
    警官を呼んだのは、そもそも彼女なのか。
    警察署が近いから目についただけなのか?
    などなど、謎が多すぎる終わり方でした。

    うーん、ラストは消化不良。
    これでオチがよければ、そこそこは褒めたくなる感じだったんですが。


    ⬜️全体の感想

    ・タイトルについて
    君の名は。のパロディだとは思いますが、物語的にはイマイチ。
    せめて「僕の名前」が関係する内容ならアリだったかと。

    ・文章について
    これまで企画内で読んだ中で、ダントツの誤字率です。
    誤字脱字は、ゼロにこそしにくいですが、読み返せば確実に減らせます。
    これだけ誤字があるということは、チェックをまったくしていないということで、
    作者への信頼と作品への期待を、大きく損ないます。最悪読むのを止めます。

    誤字の残った小説を読ませるということは、散らかったまま、掃除機もかけていない部屋に、彼女を招待するようなものだと思ってください。
    結果はまあ……想像つきますよね?

    あと、文法も、このスタイルなら基本を守った方がいいです。
    段落最初を一文字下げたり、思考時の()とか、「」内の。とか。
    まあここら辺はウェブ小説では個性の範疇ですが、書き慣れない間は基礎を守る方がよいかと。慣れてから色々実験すべきです。

    さて、誤字は多い文法もたまに滅茶苦茶という有様ですが、
    不思議なことに、時々キラリと光るセンスを感じました。
    大仰ではあるんですが、妙に個性的で、ツボに入りました。
    このセンスを残したまま文章力を上げれば、面白い書き手になる気がします。
    書き慣れるほどに消えてしまう可能性は高いですが、ちょっと期待します。

    とりあえず、よく書きよく読んで、基礎を高めましょう。
    そして必ず、書き上げた後に読み返すこと。できれば二回くらい。

    ・内容について

    映画マニアが入れ替わり現象に遭遇するも、映画の知識から解決を探る。
    という筋書きは、なかなか面白いと思います。
    文章が独特なせいか、キャラも立っている気がします。

    ただ、方向こそ正しいものの、それを面白く書き上げる筆力が足りなかった感じ。
    もっと映画から借りたアイデアを生かしたり、マニアックに状況を調べたり、
    映画での解決方法を逐一試したり、女性が引くような行動を取った方が、
    この作品は絶対面白くなったと思います。

    入れ替わりに対する反応が淡白なのも残念。
    驚く必要はないですが、それこそ主役になれた晴れ舞台です。
    後半の警官に対する主人公の気持ちくらいの書き込みを、女性トイレなり検証なりで見たかったところです。

    ・オチについて
    正直、期待外れでした。
    まあ、ちょっと期待しすぎた面はありますが。

    「いつのまにか戻っている」は、使い方次第では悪くないアイデアですが、読者がおかしく思うほど自分の容姿を確かめないところや、警官や警察署の突然すぎる登場が、いかにもご都合主義的で、興ざめの原因になっています。
    最後に登場した彼女も、何か意味があるようながら、まったく意味が見いだせず、結局なんだったんだという感じです。あそこは何か台詞を与えて、「何故こうなったのか」を読者に伝えるべきでした。

    ただ、入れ替わりものの面白いオチは難しいとは思います。
    私も恒例の「私ならどう書くか」を半日考えましたが、いいものが思いつきませんでした。うーーん。矛盾をなくして説明を丁寧にするくらいしか。
    なので、あまり強くは言えません。難しい題材です。


    ⬜️総評
    ・下手ながら、妙にセンスを感じる文章。期待。
    ・ストーリーの構成はまだまだ。読者目線を大事に。
    ・一番突っ込まされたのに、妙に憎めない作品。

    書き続けて上手くなったら、見違える気がします。
    まあ、その前に投げ捨てるかもしれませんが。
    個人的には、微妙に期待しておきますw

  • 【14】料理人彼氏とメンヘラ彼女(ざるうどん)
    https://kakuyomu.jp/works/16817139557178515581

    「恋愛もの」ですね。
    かなり意外な結末を迎えるので、もし感想から読んでるかたがいるなら、
    小説を先に読むことをお勧めします。ネタバレ全開なので。

    それでは、感想行きます。



     
    ⬜️読みながら雑感
    二読後の感想を、読みながら書きます。
     
    先に言っておきますが、一読目は見事に騙されましたw
    恋愛タグで全然先入観がなかったからでしょうが、その点はお見事。
     
    二読目はそこら辺意識しながら、チェックしていきます。
     
    >幸せ太り
    新婚向けの言葉という気がしますが、物語を凝縮したような言葉。
    タイトルはこちらの方がよいかも。
     
    >私には少し年上の彼氏がいる。
    彼氏じゃないだろ。
    と思ったけど、メンヘラだししょうがないかw
     
    >私は世界に不満を漏らし
    間違ってはいないですが、何か微妙。
    「不満を抱き」の方がよい気がします。
     
    >人攫いが横行しているという噂があった。
    警官も横行しそうですが、まあ置くとして。
     
    >淡い期待と恐怖心で高まる鼓動で歩みを進める。
    鼓動で歩みを進めるのは変。
    「高まる鼓動を抱いて、歩みを進める」
     
    >これが私と彼を繋ぐ産声だった。
    なかなか秀逸な表現。
     
    >「料理は僕のおまかせでいいですか?」
    ここで主人公があっさり頷く点は共感しづらい。
    普通は「何でやねん」と言うところでしょう。
     
    私ならここで主人公に理由を問わせて、
    「料理修行のために屋台をしている」「お代は結構」を引き出します。
    あと、イケメンだし許した、とかも。
     
    >見たことのない長い名前のワインが紙一面に書かれていた。
    現実的に考えると、
    小さな屋台で豊富なワインを揃えるのは難しそう。
    私ならそこを逆手に取って、
    「この料理のため、ぼくが厳選したワインです」にします。
     
    >今日いい肉が入ったので
    この伏線は気付きませんでした。
     
    >私はまだ料理人の端くれでして、お金を取れるような料理は提供できない
    先に破産するだろ、と思ってましたが、
    結末から推測するに納得。商売じゃなく趣味だったとは。
     
    >粧し込み
    めかしこみ。
    これはルビが必要だと思います。
     
    >太った足を無理やり履いたストッキングで細く見せていた。
    足より腰が気になりそうなもんですが、女性視点だとそうなのかな?
     
    >彼と出会ってから同じ日常で退屈に見えていた世界が、刺激で満ちたり、異世界が広がっていた。
     
    まとまりが悪い文章。やや冗長。
    「退屈に見えていた世界は、彼と出会ってから刺激で満たされ、まるで異世界のようだった。」
    くらいで。
     
    >「今日も食べに来たよ。」
    他に客いないのかな、この店。
    先客いたら、殺しにかかりそう・・・
     
    >「実はそろそろいい頃合いだから、お別れしなきゃならないんだ。」
    「いい頃合い」が伏線なのはわかるんですが、
    お別れって言われて、メンヘラ主人公が素直なのは不自然かなと。
    ここは「店を閉めようと思って」でいいのでは。
     
    >粧し込んできた化粧は涙と同化していた。
    直接過ぎです。
    「粧し込んできた化粧は台無しになった」とか。
     
    >初めてであったが
    ここは「初めてだったが」の方が自然。
     
    >一通り終えると、私達は他愛もない会話をした。
    この前に改行入れた方が、事後感出ると思います。
     
    >「愛してるよ。これからもずっと一緒だよ。」

    二読すると、主人公と彼氏、どちらの台詞かわからないようにしてるんですね。
    巧みな手法ですが、最後の説明が舌足らずで拾われていない気がして残念。
    読者に想像させるのが、ちと早過ぎた気がします。
    詳細は後述。
     
    >多発していた誘拐事件の連続誘拐犯の男性を逮捕しました
    わかりやすい説明ですが、誘拐とは発表されないかと。
    この主人公も誘拐はされてないわけですし。
    マスコミ調なら「行方不明事件の犯人と思われる男性」くらいかなと。
     
    最初に読んだ時は二度見しましたw
    驚きという意味では、まさにしてやられましたね。
     
    >人間の血の付いた調理器具が見つかっています。
    私なら、食器や調理器具にします。
    「体の一部」だと、微妙に「食べる」に繋がりにくいので。
     
    >「自分の体の一部にしたかった」
    ここは台詞内の台詞なので『』の方がいいかも。
     
    一読目だと、意味が分かりませんでした。
    「料理して店で出してる」のは調理器具や無料であることから読み取れたんですが、「体の一部にしたかった」=食べる=歪んだ愛?だとすると、愛する人の肉を他人に食わせるかな?とも思われたので、しばし悩んだ覚えがあります。
     
    まあ、人一人食べきるのは大変だし、残りを料理に回したのかな?
    くらいに解釈してしまいましたが……ここら辺も後述したいところ。
     
     
    ⬜️全体の感想
     
    ・タイトルについて
    まず彼氏じゃないw
    あと、捻りが足りないのも気になる…と思っていましたが、
    これ、読者を騙すためのものですね。今気づいたw

    「幸せ太り」の方がタイトルには向くと言いましたが、騙す上でなら今の方が合ってます。
     
    ・文章について
    時々、突っ込みどころがありますが、平均点はあります。
    伏線の隠し方はとても自然で、上手かったと思います。
     
    この作品に関して言えば、メンヘラの情念が書き切れていない部分は課題でしょう。
    後に回しますが、今作の一番の穴はそこかなと思います。
     
    ・内容について
    タグまで選んでホラーオチを隠したのは徹底していて、個人的にはよいと思います。
    (読者からクレームが来る可能性はありますが)
    伏線も自然で、すっかり騙されてしまいました。
    オチが飲み込めず、ややスッキリしなかったものの、解釈する限りでは納得のいくものです。

    ですが、何故か「すごく面白かった」という感じがしない。
    最初は、綺麗に騙され過ぎて悔しい故かと思っていましたが、落ち着いて考えた末に、不満の原因に気がつきました。

    主人公のメンヘラ属性が、ほとんど拾われていない。
    せっかくの殺人鬼とメンヘラの組み合わせなのに、絡まない。
    消化不良を覚える理由は、これにあると思います。

    メンヘラ設定は冒頭のミスディレクションやラストの緊迫感では生かされているのですが、ストーリー的には添え物で、生かされていないと思います。
    例えば、メンヘラの重過ぎる愛と殺人鬼の愛の対比。
    もしかすれば近しいものがあり、主人公は彼を受け入れて死んだのではないか。
    そんな方向を示唆できれば、物語はもう一段奥深くなると思います。

    私がざっくり考えた感じだと、

    「カッターを首に当てた場面で目を覚ます彼氏。
    物静かに理由を問う男に、主人公は思いのたけをぶつける。
    「私一人のあなたでいて欲しいから殺す」という主人公に、彼氏は
    「君とぼくは、とても似ているよ」
    「君が好きだ。その気持ちを料理にこめて来た」
    「君と別れるつもりはない。本当だよ」
    彼氏の言葉にカッターを落とす主人公。
    彼氏に抱きしめられ、抱きしめ返す。

    「愛してるよ。これからもずっと一緒だよ。」(この台詞は絶対に外せない)

    以下、ニュースのエンディングへ」

    ……てところでしょうか。
    「メンヘラさんの出番もうちょい欲しい案」てとこです。

    その他、読んでて思いついた案。

    ・幸せ太りの強調
    彼氏が太らせて食ってることがわかるように。
    主人公登場時、不幸なせいで食事が進まず、ダイエットに無縁だった設定。
    彼との会話で太って来たことを言う。彼氏は「理想通り」だと言う。
    主人公、これが幸せ太りかと思うが、さすがに言えない。

    ・舞台を彼氏の部屋に移す
    あんな噂のたってる場所で謎の屋台を夜な夜な出してるのは、流石にリアリティがないので、女性が釣れた時点で部屋に誘導する、とか。
    「本気の料理は屋台じゃ出せないから」とか言って。
    以後、屋台でなく部屋に通い、料理を食べる。
    関係も早めに進めれば、「彼氏じゃない」という指摘も解決です。
    最後は「試食はこれで最後」といえば、メンヘラさんなら別れを感じてくれると思います。

    ・オチについて
    「自分の体の一部にしたかった」
    ここが分かりづらいので直せないか四苦八苦しましたが、うーん。
    どれも元の台詞と大差ないですね。これがベストかもw
    あえて変えるなら、
    「理想の彼女と一つになりたかった」とか。
    「一つになる」も「一部にしたい」も同じですが、「理想の彼女」を加えることで、料理で彼女をブリードしていた感が出るんじゃないかと。
    あとは食器ですね。これで確実に食べてることが伝わるはず。


    ⬜️総評
    ・あの結末に持っていく、プロ根性はお見事。
    ・最後に若干の不満があるも、総じてレベル高め。
    ・せっかくのオチなので、そこだけはわかりやすく。

    ストーリーだけ見ればわりとよくある筋書きですが、見事に騙されたのは、緻密な計算あってのものだと思います。そこは大いに評価したいと思います。
  • 【15】アノコのアノヨ 〜死後の世界で僕たちは地獄へ行くことも天国へ行くことも許されないけどそんな世界から脱出することを決意する〜(れむの)
    https://kakuyomu.jp/works/16817139557546162309

    企画初の長文タイトル。
    梶野は、長文タイトルは便利でいいと思っています。
    タイトルだけで読むまでもないと判断できるので。

    もちろん長文タイトルにも名作はあるはずですが、あえてここから探すより、普通のタイトルから探す方が良作率高いというのが、私の肌感覚です。
    この企画がなければ、絶対読まなかったと思います。

    そんな梶野の先入観を、今作が覆してくれるといいんですが。
    それでは、感想始めます。


    ⬜️読みながら雑感
    二読後の感想を、読みながら書きます。

    今回、全体的に文章がイマイチなので、逐一は取り上げません。
    どうしても気になるところだけ拾っています。


    >プロローグ 橘花未知瑠の死因
    苗字と名前、両方に難読を用いるのは悪手です。
    書き慣れていない初心者がよくやる奴です。
    私なら「橘花ミチル」と開くと思います。

    >僕はいつだって一人だった。
    どの時点の主人公の独白かわかりません。現在なのか、当時なのか。
    幼稚園時代に友人二人と出会い、二人がいれば大丈夫という描写がありますが、その時点ですでに一人じゃないですよね。
    この直後でも「二人とは友達だがいつもは話せない」語りがあり、一人は言い過ぎです。
    「僕は友達が少ない」か、「僕はずっと一人だった」(今は違う)が適切かと。

    >でも二人とも忙しいから
    学生なのに? 芸能人か何か?

    >低い声で喋る研究をしてみた。
    「練習をしてみたり」が適切。中学生くらいですかね。

    >だから、僕はやるべきことをやった。勉強だ。
    何故そこでソロプレイを……?

    >そうすれば、もっと周りの誰かと一緒にいられる時間が増えるかもしれないって思った。

    普通に考えて、勉強時間の分、一人の時間が増えるのでは?

    >あ、この二人の前では僕っていうようにしたんだ。これが本当の自分だから。

    一人称は主人公の気持ちをそのまま書くので、この場合の自称は僕一択です。
    俺とを使ってないことを伝えるなら、台詞で「僕」を使って違いを出すべきところ。

    >僕が模試で必死に頑張っていたら一位を取れて
    模試ってことは受験対策?中2か中3?
    一位って、全国模試一位って意味でしょうかね。

    >勉強する事によって、僕は寂しくなくなっていった。
    とてもそうは思えませんが、まあとりあえず。

    >『橘花さん、お子様の学力は日本の中で片付けてしまうのは勿体無い。そこで、海外留学をされてみてはいかがでしょうか?』

    「お子様」よりは「お子さん」の方がいいですかね。
    「片付けてしまう」は意味不明。「国内に留めるのは」くらいで。
    海外留学、目的がよくわかりませんが。
    まあ中学生でもあるようですし、ここはよいでしょう。

    >「寂しい。やだ。離れたくない。そのために頑張った勉強なのに。」

    いや、自分で決めてたでしょ。

    >』飛行機に乗る前に、思わず僕は悠真くんと勢二くんに言っちゃった。
    空港でってことですか?

    >話を聞いたら、二人は、僕と同じ大学に行くために頑張ってくれていたらしい。

    は、大学?
    高3ですか? それとも飛び級的な意味で?
    声変わりって書いてた辺りから、時間が過ぎてる?

    それに友達二人も揃って?
    流石にご都合主義ビンビンです。

    >でも結局、そんな二人の心はあんまり意味がなかった。
    多分、心遣い的な意味合いだと思う。

    >人が叫び声を上げながら燃えていた。40歳くらいの人だった。
    >キャビンアテンダントのアナウンスで知ったけど、エンジンが爆発してしまったらしい。

    見える範囲の人が燃えてたら、もう爆発後ですね。
    墜落以前に空中で爆発四散。アナウンス以前に見てる余裕もないはず。
    あまりに無現実味がないので、燃えてる人は消して墜落程度の描写に留めるべきです。

    >そして、僕は気づいたら知らない場所に立っていた。天国でも地獄でもないみたい。

    なんですか、この説明口調は。
    ここに限らず、この小説は基本的に描写ゼロです。
    「天国でも地獄でもない」と伝えたいなら、まず「ここはどんな場所か」書いてください

    >第1話 アノヨ

    >未知瑠は自分が死んだことは理解できていたが、煉獄という言葉を聞いたことがなかった。

    話が続いているのに、いきなり三人称に変化したので違和感がすごいです。
    せめてプロローグを飛行機落下で終わらせ、アノヨで目覚めたところから人称を変えるべきでは。
    また、一人称の方が未知の世界を模索する臨場感が出るので、プロローグを三人称、本編を一人称にした方が個人的にはよいと思われます。

    >「ん〜………そうね…煉獄には、2つの種類があるの。
    実際の煉獄、詳細は知らなかったので調べてみました。

    「キリスト教において、神により罪をゆるされたが,その罪の償いをまだ終っていない死者が天国に導かれるまで,残された償いを果すための場所」くらいの意味だと思いますが。

    作中の二種類の説明、どちらもこの定義に該当しません。
    片方を当てはめた上で、もう一つをオリジナルで追加するのがセオリーだと思います。

    また、煉獄という宗教臭の強い名前を先に出し、「アノヨ」と名付け直す展開にも作為を感じます。

    「ここは死後に来る場所。
     死者の行先はいくつかあって、天国とか地獄とか煉獄とか
     色々呼ばれるけど、ここは単純に「アノヨ」って呼ばれてる。
     未練を残した死者が集まるの」
    くらいにした方が自然だと思います。

    >浴衣を着た、美しい金色の長い髪を持った女性
    浴衣に金髪って、似合わない気がしますが。
    いや、黒の浴衣なら映えるか?せめて浴衣の色が欲しい。

    >「えっと……僕は橘花未知瑠っていって、みんなからは、みっくんって呼ばれてるんですけど、貴女のお名前は………?」

    激しく動揺している人間の台詞じゃないです。
    「動揺した」と書くのではなく、動きで動揺を伝えるべき。

    >風優は常に何かを諦めたような微笑を浮かべている。
    説明不足で心に伝わってきません。

    >出身が江戸時代では、きっと他の家族や友達はもう成仏してしまったのだろう

    そもそも、この「アノヨ」にいて、どうやって過去を乗り越えるんでしょう。
    現世に関与したりできるようでなし。

    >「先に行っておくけれど
    「言」っておくけれど

    >その言葉を聞いた瞬間、未知瑠の目はキラキラと輝いた。
    >そんな未知瑠の目を見た風優の目も、きらりと光を反射させる。
    安すぎる表現。

    >未知瑠はなんて良い賭けなんだろうと思った。
    賭けでもなんでもない。ただのヒント出しですね。
    普通なら風優の秘めた策謀があるとか考えるところですが、
    「多分、何も考えてないんだろうなあ(作者が)」という気分です。

    「ここから出る方法」って、どこに行くという意味ですかね。
    主人公が何も疑問に思わないので、まったく共感できません。

    友人に会いたいという気持ちはわかりますが、会ってどうなるのか。
    そこら辺について想像すらしていない主人公は、単なる考えなしのようで、とても海外留学を勧められた秀才には思えません。

    >未知瑠は、飛行能力がなぜあるのか知ると同時に、風優の過去が辛いものであり、ここから出ることが難しいからここに留まっていることを理解した。

    あらすじみたいな一文。
    不要です。物語の中で伝えれば十分。

    >私たちはこのチカラを心って呼んでるのよ。」
    特別感を出すために『』で括るのはよいですが、毎回括るべき。
    この場合は『心』。

    >「僕、生きてた頃の世界に、たくさんの未練があるんだ
    いや、言われて思い出す程度のは、未練とは言わないです。
    せめて死んだと気付いた時に出て来ないと。

    >これは雅楽の心と言って、舞うように自分の体を自由に操れる能力なのよ。空を飛んだり、腕の長さを変えたりね。

    雅楽の『心』にすべき。
    飛行はわかるとして、腕の長さが変わる?まったく繋がっていません。

    >「あなたは黒だから……賢者の能力を持っているわ。」
    『賢者の心』、じゃないんですか?

    完全記憶は別に悪い能力じゃないですが、
    主人公としては地味で、使いづらくはあります。
    元より天才系の主人公に与えても、パッとしません。
    私なら、完全記憶は元からの素質で持っていることにして、
    別の使いやすい『心』を与えていると思います。

    >このときの未知瑠はまだ、この自分のチカラのせいで、この2度目の人生が困難なものになるだなんて知る由もなかった。

    二度目の人生になるんですか、これ?
    私はこのチカラのせいで、物語が(作者的に)困難なものになる予感がします。


    >第2話 安宿部倭という人物

    >小学校の受験のために幼稚園の図書室で勉強をしているとき
    幼稚園に図書室ってあるものです?
    寡聞にして知りませんが。

    >ただただ友達も母親もいなくて寂しかったから、みんなもいつかするであろう勉強を早めにやっていたら、幼稚園の先生に小学校の受験を進められ、その時はよくわからなかったが頷いておいたのだ。

    設定が無茶苦茶で、頭が痛くなってきました。

    >知らない男の子二人が、ノートと鉛筆を持って両脇の席で勉強を始めたのだ。
    このエピソード、プロローグで出てきた時は中学生頃でしたよね。
    声変わりとか説明ありましたし。
    ここだと幼稚園時代の話になっていますが、どういうこと?

    >他の友達なんていらなくなったからだ。
    >それくらい二人はいい友達だった。
    プロローグの「僕はいつだって一人だった。」はどこへ。

    >商店街と住宅街が融合したような街で
    全然イメージが浮かびません。
    そもそも現世と隔離された場所、時代くらいは特定すべき。

    >右からは焼いた肉のいい匂いがしてくるが、左では深めにフードを被ってギターを持った人が縁側でギターを演奏している。

    「が」で繋げる文章じゃないです。

    >「確か勢二くんは甘いものが好きだったはず!」
    カブト虫じゃないんですから……
    人を探すのに、なぜそこから入るのか。

    >未知瑠は小さな声で『すみません』と言った。
    ここは「すみません」。

    >その人は笑いながらフードを脱いだ。
    ここで見た目の描写をせずに、いつするのか。

    >俺は『水面みなもの心』の持ち主さ。
    このネーミングは悪くないです。

    ただ、読心術なんて教えたら人間関係壊れるので、
    普通なら絶対教えないと思いますけどね。

    >『俺らに心ってあるだろ?』
    台詞から当てるのは悪くない展開ですが、
    『心』がどの程度希少なものかわからないので、驚きはイマイチ。
    なんか住人全員持ってそうな感じです。普通の人が出て来ないので。

    >第3話 talisman・ Kingdom

    >中もどこぞのカウボーイが好きそうな内装
    よくわからない表現。
    示唆したい人物でもいるんですか?

    >一応は喫茶店であるようだ。
    この設定、いります?
    茶も出す酒場で十分では?

    >赤いカウボーイのような帽子
    テンガロンハットといいます。
    一人称ならカウボーイのようなでいいですが、
    三人称ならできるだけはっきりと。曖昧な表現は避けるべき。

    >「いや、その……たいそうな美人さんを手に入れたもんだな……養子まで取って幸せそうなもんだ……」
    しらけるレベルのギャグ展開。

    >イノセンシオ・エリアス・アマトリアン。イノセンシオが苗字で、エリアスが名前、アマトリアンがミドルネーム。

    ミドルネームはそのまんま、名前の真ん中に来るものです。

    >「え、えっと、注文じゃなくて、人探ししてて……その、ピンクの髪で……あ、その前に自己紹介ですよね。橘花未知瑠っていいます。橘花が苗字で、未知瑠が名前、みんなにはみっくんってよく呼ばれます。」

    どうにも小学生が想像されるんですが、実際は大学生なんですよね?

    >「じゃあ遠慮なく、みっくんって呼ばせてもらおうか。
    背中が痒くなってきました。

    >疲労回復魔法を調合したパイナップルジュースなんてどうだい?
    そもそもこの世界では食事が必要なの?とか、
    考えるのも馬鹿馬鹿しくなってくる展開です。

    >まずエリアスはパイナップルを輪切りにし

    何故ジュースを作る様子を長文で描写したのか。意味不明です。
    何かの伏線でもなく面白みも皆無。文字数稼ぎ?

    >あと、身長が高いんです。えっと……倭さんよりちょっと高いくらいかな。
    勢二の描写は大学生っぽい。
    この背格好で、飛行機内でトランプ……
    同じ年のミチルが連れ子と間違われるとかも謎過ぎる。

    >みんな、彼女はルシア・フローベルガ
    この作中の人全員、毎回自己紹介(これは他己紹介だけど)しますよね。
    すごく不自然で、作り物感がします。

    >「みっくん、君が探してる人、多分、うちにいるんだが……ちょっと来てくれないか?」

    ご都合展開ですが、ここまで何ら話が進んでいないので、まあいいかな……

    ……って、ここで終わり?
    あ、完結してない?
    確かに完結作品とは参加要項に書いていなかったとはいえ、
    こんな中途半端な段階で参加するとは……いやはや……

    ⬜️全体の感想

    ・タイトルについて
    前述の通り、長文タイトルには偏見を持っています。
    今作で気持ちが変わるかと思いましたが、結論から言うと、
    「ああ、やっぱりな」という感じでした。

    ・文章について
    誤字脱字が少ないところは褒められます。

    それ以外は「書き慣れていない」の一言に尽きますね。
    文章的には学生の日記レベルです。
    まずは他の人がどう書いているのかよく読み、模倣から始めましょう。

    ・内容について
    世界設定を思いついたくらいで書き出して、途中から思いつくまま適当に話を進めてるって感じですね。
    あちこちに矛盾が転がっていて、突っ込みが追いつきません。
    作者が深く考えていないというのが、ありありと見て取れます。
    企画でなければ、プロローグの時点で読むのやめています。

    初心者の内は、長編を書こうとか思わず、短編から始めましょう。
    終わり方までのおよその道筋を考えた上で、書き始めるべきです。
    アドリブで書きながら考えるというのは、慣れた人間だけが使える技で、初心者がやるとグダグダになってエタるのがオチです。
    この作品も、時間の問題でエタるだろうと予言しておきます。

    内容について多くは言いませんが、作者が何を書きたいのか、漠然として伝わらないのが一番の問題です。
    文章が稚拙でも、作者に書きたいものがあって、その熱が伝われば、わりと面白く読めたりするのですが、今作にはそれがない。

    その象徴とも言えるのが主人公で、あらゆる意味で自主性がありません。何かをしたいという積極性がなく、流れに沿ってただ進んでいくだけ。面白がったり、強烈に感情を出したりもしない。
    これで話が面白くなるわけがありません。

    ⬜️総評
    ・ベルトコンベアに乗ったような、無味乾燥な作品。
    ・文章、キャラ、設定全てが甘く、ぼんやりしている。
    ・長文タイトルに名作なし、がまた証明された感。

    連載途中で、大筋の評価はできなくてこれ。
    せめて、完結作品で参加して欲しかったところです。
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