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続オタクの好み

 おそらくカドカワも気がついてるだろうと思ってるけど。オタクの本質に迫ると現実逃避に行き着くと思う。何故私がオタク的なシンパシーを弱く持つか?と言うと私はリアリズムがしっかりした作品でも現実逃避を基本物語に求めてるから。私はオタク的なものじゃなくて、もっと大きな物語全体でオタクと同一の気質を持つ。

 ただ現実逃避ですべて解けないのは私の存在で、かつ多くの一般的視聴者は同様の傾向を持つから。だから私はオタク気質じゃない面もある。じゃ何がトリガーになるのか?だからそれはリアリズムが緩い物語にその傾向が見えると書いた。

 ちなみに過去は違う。SFファンタジーをリアリズムによってリアリティを作るって一般的では当たり前の創作の基本でアニメ漫画など創っていた。どこから変わったのか?だとエヴァだろうなと思う。何もかもあそこに行き着く。

 これが分かりにくくなるのが学園者の大ブームになる。だがこれ良く見れば分かるけど、ゼロ年代後半に氾濫した日常はリアルな日常じゃない。それまでの非日常的舞台と比較した時の比較論に過ぎない。リアリズムの緩い物語による現実逃避になる。

 ここでラノベと言うよりアニメの例外がある。氷菓とユーフォ。これ本当に一般小説の作りでアニメとしてヒットしてる。かつ氷菓はラノベとしてもヒットした異例の作品。ちなみにアニメが成功した割りにラノベがイマイチだった作品で冴えカノがある。メディアの違いを乗り越えられなかった良い例。ユーフォもこの類で。その点ユーフォのヒットはアニメの魅力が大きいと思う。となると実質私の言う例外は氷菓だけになる。これ本当に困る…。ラノベの方が失敗してくれればすっきりできたのが、しかもものすごい大ヒットだった。一時期あのSAOの2位につけていたんだからその売れ行きのすさまじさが分かる。一つ考えられるのは普段ラノベを読まない層が入ったんじゃないの?って点。これかなり大きいと思う。

 後1つや2つの例外どうでも良くない?って話し。所詮確率的な傾向に過ぎないから。何かリアルで何がリアルじゃないか?なんて印象で簡単に分かるものじゃないから。

 ただ私はこの氷菓にどうしても拘ってしまう。ミステリーとしての成功も例外だから。エルの圧倒的なキャラ性は間違いないと思う。その点ホータローのキャラ性の無さはSAOと較べると顕著だと思う。その点物語で売れるタイプの男性主人公じゃない。じゃあそれで解決だろう?私はそんな単純には見て無い。まずリアリズムに関して確率的な曖昧さじゃなくて絶対じゃないと思ってる。意味のある例外ってのがあると見ている。その意味を掘り下げる事によって安直な結論を避けられるから。9割はこれで解決できるって話しなのにこの氷菓の存在がどうしても私は無視できない。ユーフォはあまりラノベの方が売れて無いから冴えカノと同じアニメで化けただけだと見てる。私は冴えカノを高く評価してる。ただ最も魅力的なのはアニメって媒体だろうってのはそうなんだろう。ラノベを見てないのもある。ただアニメで見て丸戸氏のキャラ造詣の深さは最近の作家の中では桁違いの物がアル。それが物語りに深く絡んでいるから。ただあまりにのアニメの魅力の高さから、アニメファンからは丸戸氏のああいったキャラ萌え作品を作る能力の高さはまるで認められて無いけど…。

 そもそも氷菓は元々一度失敗してアニメ化によって火がついた作品でゼロ年代後半のキャラ文化と切っても切り離せない。一つ考えられるのは、当時あった細分化の行き詰まり現象じゃないか?って点。同時期ラノベのキャラ文化の最後の花火になったISの成功がある。ひょっとしたら氷菓は例外として因果関係で説明できるのかもしれない。確かにアノ時期はラノベキャラ文化が細分化によって停滞期に入る手前の時期だった。とらドラ化物語が先行してキャララノベの終わりをつげるサインを出していた。あの花はアニメだから成功したのが大きくて、ラノベが無いのでユーフォなどの系列と同様にナル。ゼロ年代以降のラノベが凄かったのは、文字特有の面白さに溢れたラノベが全く不向きなアニメで大ヒットを連発していたから。これはメディアより大事なオタクのシンパシーを作れているからと見ている。アニメ屋はこれが分かって無いのが残念だ。今のアニオリの失敗はオタクシンパシーを作れないからが一番の原因。アニオリはオタクの方を向いて濃厚なサービスしてくれない。酷い作品になると、オタク向け原作でも儲けてアニオリ作るって頭にくるような作品つくりをしている。これが見事に一般視点でも面白く無いから笑えるけど…。

 氷菓は細分化の徒花で多分意味が無いかもしれない。あくまでアニメでヒットする映像で映える作品であってそういったアニメが持つ実写的な部分を生かした作品の一つに過ぎないと思う。ちなみに京アニは実写的でありながらキャラデザは強いアニメ的エッジをかけてる。この点あれはアニメとしてオタク向け映像表現だと見ている。本当の意味でリアリズム系の作品作りは新海監督の作品が望ましい。あれははっきり言って触れたくない。理由はアニメ物語について見てるので、あれはアニメーション抜きに語れないので物語部分で触れる意味は薄い。敢えて言うと微妙にエヴァっぽい部分があるけど…。どっちにしろオタク系では古い。

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