ミディアと、ハルトと、そうして、わたしと。
同じ空を見上げていただき、同じ光を感じていただき。
本当にありがとうございました。
ギストラロムドの大剣
https://kakuyomu.jp/works/16818093075494632838#第6回ドラゴンノベルス小説コンテスト
本日6月14日(金)正午まで、読者選考期間です。
わたしにとって初めてのSF中編。
いろいろ思うところもあったけれど、書いてよかった。
たくさんの応援、たくさんの感想、いただきました。
自分でも呆れる量の設定を、さらに解釈してくださった方がおられました。
膝を抱えてうずくまるハルトのこころに寄り添っていただいた方がおられました。
……。
緑なす丘、紅い果実、土の道を手をつないで歩く家族。
板葺きの屋根、竜祈師校の尖塔、教練に励む生徒たち。
初夏の空、小さな雲、蝉の声。
小川が流れています。
小さな橋。ひと一人がようやく渡れるその橋に、ハルトとミディアは腰かけています。足元をまくり上げ、冷たい水に足を浸し、ぱしゃりと水を跳ね上げて。
なあ、ハルト。
ん、どうしたの、ミディア。おなか、空いた?
ミディアは自分で話しかけておいて、もう黙ってしまうのです。
ねえ、どうしたのってばさ。
……ごめん、な。
俯いて、そのまま水面を見つめています。
ハルトはその横顔に黙って目を向けています。
が、急に怒り顔をつくって、足を振り上げます。
ばっしゃん!
ミディアもハルトも、あたまから水を被りました。
ひゃあああ! なにすんだ、ハルトぉ!
あはははは!
ハルトはおかしそうに笑いながら、さらに足をばたつかせます。もうふたりとも頭からびっしょびしょ。
このやろう! うりゃああ!!
どばん、と水に飛び込んだミディア。もう手でばしゃばしゃとハルトに水をぶつけます。ハルトも飛び込み、応戦します。ミディアの表情は、笑ってるのか怒っているのか、ゆがんでいて。
でも、川の水を頭から被っていますから、目元から落ちた雫を見分けることなど誰にもできないのです。
どこまでも、どこまでも深い、蒼の空。
木々を揺らして、風が一陣、吹きとおりました。
……。
ほんとうに、ほんとうに。
ありがとうございました。
行ってきます!!
ギストラロムドの大剣
https://kakuyomu.jp/works/16818093075494632838