https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16817330664970457064📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346📖第435話 ふうん、そうか……ってならんだろう!
試射場の壁を蹴り、天井を蹴り、床を蹴って、雷丸はその名の通り稲妻のように跳び回った。
肉眼では尾を引く赤い閃光にしか見えない。
「ピーーーッ!」
ひときわ高い声を発しながら、雷丸は標的の1つに向かって宙を飛んだ。赤い閃光が標的の胸を撃つ。
「あれ?」
「何だと!」
標的の胸にはブスブスと煙を上げる小さな穴が開いていた。標的を貫通した雷丸は反対側の壁を蹴り、天井や床で跳ねながら宙を飛んで戻って来る。
「おっと! ハウス!」
ビシっという擬音が見えるほどの唐突さで雷丸が静止し、ちょろちょろと床を走ってステファノの頭頂部まで戻って来た。
「いや、待て。いろいろ言いたいことがあるが、何だその『ハウス』という掛け声は?」
「昔、犬を連れた大道芸人が店に来たことがありまして。その人が犬をかごに入れる時に、そう命令していたんです」
「ふうん、そうか……ってならんだろう! どうして雷丸に意味が伝わる?」
「何か、|主人《テイマー》と|使役獣《こいつ》とのキズナみたいなこと? 通じたみたいです」