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読書日記たぶん六


 ナンバリングしていくことにした。達成感というか充実感が出てくる。


・「バッカーノ」鈍行編・特急編。

 2、3巻に当たる。前後編という訳ではないが、同じ舞台、同じ時系列の話を異なる人物の視点から……というか、鈍行編では描かれなかった部分を埋める特急編という感じ。二つセットで一つのお話。加えてもう一冊あるっぽいが……。

 特急編の終盤を読んでる頃にちょうどアニメ再放送の三話がやっていた。二話を見た時点ではまだ原作を読んでいない状態だったからほとんど何も知らない状態だったが、読んだ今になるとアニメの見方も変わってくる。
 オリジナルの構成がされているのは気付いていたが、それにしても……正直原作未読の状態だとついていくのがやっと、読んだばかりの人間だって多少戸惑うような……1巻と2、3巻のエピソードが代わる代わる入ってくるうえ、プラスαのエピソードも挿入されるというカオスな感じでかなり困惑した。後続の巻のエピソードなのかもしれないが、それにしても、ですよ。
 1巻と2、3巻では舞台も異なれば時期も異なるのに、アニメではそれが同時進行していく……。このままいくとアイザックとミリアが二か所に同時に登場する展開になるんじゃないかと思う。シーンの転換ごとに今の時間軸を表示してないと、一週間ごとに観てる原作未読の人は普通に何がどうなってるのか分からなくなるのでは……。
 ただえさえ複雑に視点が入れ替わる原作のストーリーを、しかも二つ混ぜ合わせるって……どういう意図でそんな構成になってるんだろう。最後まで観れば分かるだろうか。
 ともあれ、シーン単体で見ると、原作そのままというか、文章を読んで思い描いたままの光景がより分かりやすく、台詞にしなくても原作の文章(心の声とか地の文の部分)が伝わるような映像だったりで……シーン単体で見ると普通にいい感じだった。原作読んだばかりっていうのもあるかもしれないが、火事の野次馬しにいったフィーロを見送るマイザーさんの表情とかからその心の内がよく分かるというか、なんというか。この時こういうこと思ってたよなこの人、と思い出した。
 ……でもカットされてるシーンもあるので、やっぱり原作未読の人は状況を掴みかねるのではないかとも不安になる。
 ……リアタイとは違うかもしれないが、原作読みたての状態でアニメ観てその違いを比較する、というのはもしかすると初めてかもしれない。個人的にはそんなリアルタイムな視聴だった。

 アニメはともかく。
 以前一度読んだことはあったが、完全に内容を忘れていたので普通に楽しめたし、なんかもうすごい構成だなぁって感心通り越して放心してしまった。各車輌で起こるトラブルとか、各キャラの行動とか……別にタイムラインつくって整理してたりするんだろうか。

 構成だけでなく、もちろん本編も面白かった。かなり殺伐とはしてるが、適度にコメディもあって。無賃乗車女と車掌のやりとりとか。
 あと、ちらっと続刊のあらすじを見ていたので、この2、3巻の時点で先の構想もある程度練られてるんだなおそるべし、と思った。

 本編外で気になったのは、特急編……あとがきには校閲のみなさまへの感謝が書かれてたのだけど、けっこう誤字が目についたなー……という印象。「以外」となるべきところが「意外」ってなってたりとか、まあよくある系の誤字なんだけども。

 ともあれ、一度読んだことがあったとはいえ、一日で一気に二冊読めるくらいには勢いがあってテンポが良い、面白い作品でした。まる。

 ……続きを読みたいがいったん置いて、次はミステリーを摂取しようと思う。


 >そういえば、といろいろ書いてまとめて一夜明けて、思う。
  ジャグジーたちはどこで列車に積まれているものの存在を知ったのか……。情報源が明かされていない気が。その辺の細かいとこまで描かれているような作品なので、自分が見落としてるだけかもしれないが。
  NYに列車を突っ込ませる計画については、犯人グループと遠からず接点も因縁もあるし、そこから情報を得たのだろうけど……。問題の積み荷はそれとは別件のはず……。と、ちょっと気になった。

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