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右ひじ左ひじ

私が中学生の頃、2700という芸人が一世を風靡した。
「右ひじ左ひじ交互に見て」という歌詞が繰り返され、そのメロディーに沿って男が肘を交互に突き出す。なんとも言えない不思議に私も心を奪われた。突然出てきた男にひたすら肘を見せられるという、ばかばかしさ。
しかし、このネタには種明かしがある。男は美容クリームを買い、効果を確かめるために左ひじにだけ塗った。彼はひじが綺麗になっているか結果を見てもらいたくて例の動きをしていたのだ。このことは歌の中で判明する。
「そういうことだったのか!」と納得する判明、謎の行動が理屈に収まってしまった寂しさがあった。前述の説明パートは、私達を未知のものに対する恐怖から連れ戻してくれる一方で、不可解なものに対する驚きと興味を奪い去っていった。
もちろん、全てを踏まえた上でこのネタは腹がちぎれるほど面白い。それでも、できることならもう一度記憶を消して「右ひじ左ひじ交互に見て」の不条理にぶち当たりたいと願ってしまう。

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