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グーグル・アマゾン社会という「異世界」の不都合を描く

ラノベには、何かしら大きな設定があって、読者を「異世界」に誘う仕掛けが待っています。そこには、物語にとって不可欠な罠が用意されていて、名作には「騙された!」と感じる瞬間が訪れるようになっています。また、われわれ著者は、読者の方々に、これからの社会は明るいか、暗いかを明瞭な形で提示して、そこに待ち受けている落とし穴を、飽くまで仮想体験として、嵌ってもらいます。時には、ひどい目にも遭ってもらいます。
したがって、われわれ著者は、好き勝手な「異世界」を制作していれば、読者に相手にされなくなり、手に取って、読んで頂けなくなることは見え透いているわけです。身から出た錆ではありませんけれど、著者というものは、独善的なアイディアから一歩下がっていなければなりません。
その意味では、われわれ著者は、丁寧に、「異世界」を演出して、たとえ、予定調和的であっても、その物語の渦中にプロットを念入りに描き込み、社会のご都合主義に合わせて、序破急の繰り返しを書かなければなりません。
では、現代人が直面しているウェブ文明論の中で、もっとも妥当で普遍的な社会制度とは何だろうか。それを精査した結果、グーグル・アマゾンに牛耳られた知の社会というものが、少子高齢化社会、人口減少社会よりも身の回りのスマホやパソコン、テレワークを支配的なテクノロジーとして存在している。そこから、主人公を語り下ろしてみたらどうだろう、このように考えた次第です。

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