久々にブックストアに行くと、時代小説が多く、ノンフィクションの新書でも、著者が増えていた。表紙と帯など編集が荒れていて、心配になったが、基本的にインフレになっている。
池上彰さんのアメリカ本があって、画像の資料が数多く添付されたもの。そこで巷の話題は、大統領選挙の真っ盛りなのだ。
プーチンとトランプは、一時代を博したけれど、じゃあ、日本の首相とは、どういった人物像を想定すればいいか、誰も覚束ないままである。
たとえば、典型的な英雄の道元が、応仁の乱の直後頃に生まれていれば、太子の政治を念頭に置いて、幕府型ではなくて、宰相制(総理大臣の内閣府)にしていただろう。従って、この時点で、立憲主義に基づいて、政治と外交を行う官僚国家を建設していた。壊してばかりでは、日本社会が衰えるばかりだ。角栄ばかりでも、心が萎えてくる。
そこで道元は、常設軍はないので、吉田茂のような形式で、わかりやすく云えば「曹洞宗国家」を構想していたに違いないのだ。そして、55年体制を300年早く実現したという脈絡である。
トップの資質が、日本の行方を左右できるのだとすれば、誰を総理大臣に据えればいいか、自ずと見当がつく。
では、この先、いつの世も大統領選が混乱してきて、日米の関係史が荒れてくるとすると、もし、元祖・不動産王のトランプが勝ったとすれば、日本の首相は、勝手なことを考えれば、たとえば、誰を首相に就けるかである。
すでに死去して故人になっているが、ぼくだったら、本田宗一郎を首相に担ぎ上げ、ホンダイズムで自動車立国を実現することになるだろう。外交と貿易は切っても切れない関係にあり、基本的に、発明家でもあった本田宗一郎に、日本の経営ができないはずないのである。たとえば、脱原発を成し遂げ、予備電源として、テロの対象にならないように最低限に逓減したら、再生可能エネルギー、水素社会、合成燃料(e-fuel)の推進、電気自動車に対する減税、高速リニアによる超電導に積極投資など、無限に夢が広がっていく。
本田宗一郎については「俺の考え」が、もっとも有名である。
日本は、今後、悔しい立場に追い込まれるかもしれない。そのときに、どのような後悔をするかで、今後の歴史物語は変わってくる。だから、われわれは、本を読むと元気が出るというわけなのだ。