こんなところへ長文投稿してないで、そろそろ続きを書いたらどうか、と、自分でも思っています。
それでも・・・三年以上前に完結させた作品を、ある程度加筆訂正しながら書いているのですが、それを今書こうとしたところ、口調が変、その上キャラブレを引き起こしたので、連載は事実上ストップしています。このままでは気持ち悪いので完結はさせますが、いつになることやら・・・
本当にすみません。
さて、復帰のために次の話に進みましょう。今度は顔がいいだけのダメ男を信じて待ち続けた美しい妻の話です。
以下雨月物語 浅茅が宿ほぼ全文ネタバレになります。
今度の舞台は下総国(現千葉県)です。その葛飾郡 真間の里というところに、この話の主人公、勝四郎という男がいました。
祖父の代から長年この土地に住み、田畑を多く所有し、家は豊かであったけれども、勝四郎は成長すると、物事に拘らない、無頓着な性格のために、農業を面白くないと言って嫌ったせいで、果たして家は貧しくなってしまった。
考えてみると、何かあった時一番強いのって結局農業なんですよね。博識であっても、パソコンを使えても、結局明日のご飯がなければ生きていけない。そこを疎かにしてしまったら、やはり貧しくなっていくのでしょう。
さて、そんなふうな勝四郎を、親族たちはどう思うか?農家の息子が農業嫌いと言って、結果家が貧しくなった、まあ、時代もありますし、お世辞にも立派な息子さんとは言えないわけです。
そのうちにやはり親族の多くに疎んじられるようになっていくのですが、それを勝四郎は悔しいと思って、どうにかして家を再興してやろうと、色々な人に相談します。
いや、中々アッパレじゃないですか。悔し紛れに放火したり、暴言を吐くわけでもなく、ちゃんとした対抗策を考えている。昨今では金庫の中が火の車でも、見て見ぬ振りするくらいのものですからね。
その頃、雀部 曾次と言う人が、足利染の絹を交易するため、 京から下って来ていたが、この里に親族があってしばしば会いに来ているのを、勝四郎は、以前から親しかったそのよしみで、商人になって京に上りたいと頼んだところ、雀部は大変簡単に承知し、 いつ頃(京へ)参りましょうか、と言った。
勝四郎は雀部が頼もしいことを喜び、残っている田を全て売って金に換え、絹を沢山買っておいて、京へ行く日を計画していた。
勝四郎氏もなかなか大胆なことをしますね。
では、今回はひとまず、ここまでにしておきましょうか?次の段落で第2の主人公というべき、勝四郎の美しき妻、宮木が出て来ます。そこまで書いたらずるずると、五千字の憂き目を見そうなので(笑)