好きな作家は誰ですか?と聞かれたら、多分、星新一と答える。
どの程度に好きなのかと言えば、学生時代に放課後、本屋に立ち寄って星新一の本を立ち読みしてたくらいには好きだ。熱烈なファンかと言われたら難しいところだ。あいにく単行本は三冊ほどしか持っていないので、ファンを名乗る資格はないと思われる。
ショートショートの作品がドラマ化したりコミック化したときなんかは飛びついたりもしたが、アニメ化された作品を知ったのは割と最近のことで、追っかけと呼べる領域にも達していないと思う。とりあえず好きなんだ。誰かと愛を競えないが、好きなんだ。
今回の作品は、そんなにわかファンである自分が自分なりにリスペクトするつもりで書き上げた作品になる。なるべく、本当になるべく雰囲気を似せようと努力したつもりではあるが、本当のファンの前ではどのような評価になるのかは正直怖い。
「先生はこんな作品を許さない」などと言われてしまわないか、ちょっぴり不安も残るくらい。
自分の思い描く、星新一先生の世界。書いていて多分、こんな感じになるだろう、こういう感じになるだろう、と意識してはいたが、この話と同じ話が存在しないことを祈ってる。それではリスペクトではなく、ただのパクリになってしまうからだ。
果たして、どうなんだろう。二次創作ではないことは確かだし、登場人物や舞台設定をひっくるめてもオリジナルの作品なのも確かだ。リスペクトになっているのか、半端になっていないか、というブレブレ感がなんとも言いがたい。
ちなみに、今回の話のオチは当初の予定では、結構下品な感じになる予定だったが、仕上げていく段階で、自らネタを潰してしまい、あらかじめ考えていたオチが使えなくなってしまったので、方向転換した結果、ちょいとエグいオチになってしまった気がする。
自分個人として願うことは、これを読んだ人が少しでも面白いと思ってくれたら、いいな。
なんて、まあ、どの作品でも大体そうなんだけど。