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「最後に嗤われた」投稿

 この作品は読解力が非常に試される気がする。

 自分の作品ってやつは、そのときその瞬間の描写が無駄に細かい割に、物語の進行が見えにくい。もう少し解説しろよ、と言いたくなるくらいに説明不足なところが多いと思う。この作品も特にそう。

 一体主人公は何をして、何をされて、何を理解してどうなったのか。具体的な物語の展開の描写が欠落していて、ただただ主人公がベルトコンベアに載せられた荷物のように話のオチまで運ばれていくような感じだ。

 しかし、実際のところ、この作品には自分らしくもあり、自分らしくないものがこっそりと盛り込まれている。

 前者はともかく、後者は、主人公が感情的というところか。結構描写も動的だ。普段はあんまこういうのは書かない。そして、あろうことか、この作品にはオチがある。意味のないオチではあるが、なんとオチがついている。

 オチがあるなんて当然じゃないか、と思われるかもしれない。

 自分は話にオチをつけるのは苦手で、過去には5話とか10話とか続けて最終話を書こうとした時、その話を書くだけで他の十数倍時間が掛かるくらいだ。短いながら月に1本か2本ペースだったのが、1年近く掛かったくらい。

 しかもその作品ではそれだけ掛けておきながら、かなりいい加減なオチだったりする。要は、考えに考えすぎて頭がパンクして、もうどうにでもなれという気分になってしまったのだろう。我ながら、なんてしょうもない人間だろう。

 プロットとしては出来上がっている。この後、主人公はこうなって、ああなって、そしてこういうエンド。そういうのは組みあがっているのだが、どういうわけか、それを形にするまでが上手くいかない。

 例えば、自分が有名な「桃太郎」の話を書こうとしよう。物語は進んで、犬も猿も雉も仲間に入り、「いざ鬼が島へ(続く)」となった状態。続きは鬼が島へ上陸して、鬼退治して、帰還する。それで確定している。

 しかし、ここで、自分という奴は、「鬼が島へ向かう船は何処で調達しよう」「船の上で仲間とどんな会話しよう」という無駄な箇所に悩み、「じゃあ鬼を退治したらどう締めよう」で倍悩む。

 桃太郎の帰還だ。「鬼から宝をもらって帰りました。めでたしめでたし」では物足りない。もっと何か表現のしようがあるはずだ。しかしどうしよう。あとは桃太郎が帰れば話が終わるというのに。

 という調子なもので、あとあとから思い返してみても、「そこに悩む必要があったのだろうか」というパターンが多い。そうした結果、ようやく出た内容が「鬼から宝をもらって帰りました。めでたしめでたし」になる。

 本当に、自分は馬鹿なんじゃなかろうか。

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