急に「おめで塔」が伸びてビビりました。
どういうこっちゃ……?
「おめで塔」は、書いた私の視点では物凄くネガティブな物語です。
ストーリーの流れ的にはポジティブな感じで終わりますけども、
書いている時の気分は終始ネガティブ寄りだったのです。
書いている時の思考は、こんな感じです↓
1.おめでとうがお題だって?
2.ポジティブな言葉がお題だと、ネガティブな設定がついつい浮かんでくる
3.心のこもってない「おめでとう」をばらまく「おめで塔」だ!
4.でも設定どおりにネガティブな話を書くのは気が引けるなぁ~
5.良い感じふうのセリフとか入れて、雰囲気を誤魔化しておこう
それと「私は、おめで塔にはならないぞ」って決意表明のつもりです。
3周年記念選手権をやっていて凄く実感したんですが、
私の発想はネガティブにスタートして、ポジティブな終わり方で誤魔化すってパターンになりがち。
素の人格が……暗すぎる……!!
このパターンだと、最初と最後にポエム的な文章を入れやすいのも、偏りの理由でしょうね。
ともかく作者視点ではなかなかにネガティブな作品なので、
ここまで星をいただけたり、レビューや応援コメントまでいただけたりするとは思っていなかったのでした。
レビューや応援コメントをくださった方、本当にありがとうございます。
そして、なぜ評価をいただけているのか、わかりません!
厳密に言うと、
「なぜこの作品なのか?」
ってところですね。
今回の3周年記念選手権。
6つの短編を投稿して、どれもそこそこ面白いものは書けたと思っています。
少なくとも、現状の力量は発揮できたという自信はあるわけです。
で、中にはコメディ寄りの作品とかもありました。
色々出した中で、なぜネガティブ寄りの「おめで塔」と「記念日が多すぎる」が伸びたのか??
それが大きな謎なんですよね、やっぱり。
考えられる理由、まず一つはタイトルです。
同じネガティブ寄りでも「自殺した親友」はあんまり評価が伸びていないです。
タイトルに「自殺」っていうのがあんまり良くなかったのかも?
という気がします。
人の生き死にって読者としては注目ポイントなので、それをタイトルに入れれば伸びるんじゃないかという仮説だったんですけども。
「タイトルの時点で死なれても困る」ってことなんでしょうかね?
対して「おめで塔」と「記念日が多すぎる」は、ともすればポジティブな物語にも見えるタイトルです。
あと前にも書きましたが「すぎる」はラブコメ系のタイトルでは定番ワードで、そこの文脈に沿ったタイトルというのも強かったのではないかと。
『ラメ入りのペン、私の教科書に落書きされた美しい風景』
がダメだったタイトル。
『私たちには記念日が多すぎる』
『「おめで塔」からの祝福メールをお受け取り下さい』
が良かったタイトル。
それと以前のコンテストで良い結果を出した
『眼鏡が擬人化したせいで、掛けられなくなった』
も良かったタイトル。
この差を理解できたら、PV数に不自由しなくなってくるのかもしれません。
笑える一言フレーズ、とでも言えばいいんでしょうか?
読者がタイトルを見てツッコミを入れられる、というか。
ぼんやりとなら差を理解できますし、たぶん良かったタイトルの模倣をしていくことは可能なんですけども、誰にでも理解できる形でこの差を説明できないのがもどかしいです。
きちんと言語化できれば、他の人とも共有できるし、トレーニング方法や評価方法も確立できると思うんですよ。ううむ。
そして伸びている理由(仮説)その2は、私の得意は実はネガティブな方面でしたってことですね。
以前、計量テキスト分析で自分宛てのレビューを分析したことがあります。
その結果、コメディ要素への評価が多く見られました。
なのでコメディが向いているのかなと思っていたんですけども。
ストーリー的にはネガティブな要素の出ているものの方が私はうまくて、読者の心にも刺さっているのかもしれません。
で、そういう物語の中に、ちらほらコメディ要素があるのが良い、みたいな。
正直、コメディ全振りじゃなくてネガティブな話を書いてもよいのであれば、それは楽なので嬉しいところです。
でもむやみにネガティブを書けばいいってわけじゃなくて、
おそらく私の書くネガティブのどこかに「評価につながるポイント」みたいなのが隠れているのではないかと考えています。
それを発見できれば、なにかが変わるような気がします。
自分がどういう小説を書くべきなのか、それがわかるような気が。
最後に、こうやって振り返ってみてふと思ったんですけども、
おめで塔をぶっ壊す物語でも良かったですね。