こんにちは。天城リョウです。
少し書いては長期休載を繰り返している『機巧操兵アーカディアン』ですが……またなのです。すみません……
お休みします!
次話(戦争の行方3/4)の執筆を始める前に、これまでの投稿分を最初から修正していくことにしました。
文体や記号の表記など、途中で変わっているものに関しては現在のものに改め。
さらに一部の描写を丸ッと差し替えます。具体的に言うと、そう――
ロボットの操縦方法を、変更します‼
以前の近況ノートで「このままいく」と書いた記憶がありますが、前言撤回します! だって!
左右2つずつの操縦桿とペダルを、
どう使ってロボットを動かすのか。
――という命題は私にとって非常に大事なことだから。私の知る限り、そんなものを設定している小説は本作しかありません。
そもそも、旧版を中断して現在のリブート版を始めたのも、旧版での操縦方法に不満を覚え、新しいものに変える際、稚拙だった物語ごと変えようと思ったのがきっかけでした。
旧版の操縦法には致命的な欠陥がありました。
宇宙空間で戦うなら、機体の向きを傾ける左右軸回転のピッチング・前後軸回転のローリングという挙動を「移動しながら」行えなければあまりに不便です。旧版ではそれらをするには一度移動を止めなければいけませんでした。
その問題点に気づき、改めたのが現在の操縦法です。
現在の操縦法は、機体を動かす上では何の問題もありません。簡単でゲームとして大勢の方に遊んでいただくことにも向いている、非常に優れた方法と自負しています。
ただ……
「あんなに動き回るロボットを、たったあれだけの装置でどうやって動かしているんだ。アニメ見てもわかんないよ。設定資料集にも載ってない。それがわかんないと、本物の巨大ロボットができた時に操縦できないじゃないか。くそ、なら俺が考えてやる!」
そうして何日も何日もそんなことを考え続け――遂にその答えを思いついた。これは人類史上最も偉大な発明である。すごい、俺は天才だ! という強烈な自己肯定感が、私のロボ作家としての創作を支える基盤なのですが。
旧版の操縦法の欠陥に気づき、それを失いました。
そして考え直して、現在の操縦法を思いつき、リブート版の執筆を始めたのですが……この操縦法、私はどうしても気に食わない点があったのです。それはまず、
操縦桿の役割が、左右で違うこと。
左操縦桿は水平方向の移動――十字キーのようなものです。
右操縦桿でピッチングとローリングを行う。
左で移動しながら右で傾倒、これで旧版の問題は解決。
ですがこのため、直進する時には右操縦桿は動かさないことになりました。それが嫌なんです。不満なんです。
たとえば前進する時は!
操縦桿は左右とも前に押したいんです!
操縦者が前傾姿勢になりながら、勢いよく!
片方だけじゃ寂しい!
それに操縦桿の働きが左右非対称になったことで、操縦者と機体との一体感が損なわれました。それも嫌だ、俺はロボットとひとつになりたい!
さらにもうひとつ。
右操縦桿で機体の向きを傾けるというのは私のオリジナルのアイデアではありません。現実の飛行機の操縦方法そのままなのです。上下軸回転のヨーイング(旋回)をペダルで行う点もそうです。
他人の考えた飛行機の操縦法に多少手を加えただけ。
これでは「俺が発明した!」とは思えません。
自己肯定感を与えてくれないのです。
しかし、他に方法はない。
正確には、思いつくことができず、現在の操縦法でリブート版を始めました。それでも私は自分が100%納得する操縦法を考案することをあきらめられず、考え続け――遂にその方法を思いつき、自己肯定感を回復しました。
割と前の話です。
ですがこれまでは、アーカディアン内の操縦法をその完成版に変更して書き直そうとは思いませんでした。なぜかって、それは――
書き直すのが! めんどくさかったからです!
私は! めんどくさいのが大嫌いなんです!
現在の操縦法も間違ってるわけじゃない。わざわざ変える必要はない。完成版は次回作から使おう。そう思っていました。
それは、どれだけ手間をかけてもアーカディアンを完璧な物に仕上げようという意欲を、私が失っていたからでもあります。
勢い込んで始めたリブート版でも思うように評価が伸びず、アーカディアンの評価は頭打ちだと、限界を感じていました。
だからきっちり完結はさせようと思う一方、めんどくさい修正作業までする気にはなれなかったのです。
ですが先日。
アーカディアンはKRF-カクヨムロボットフェスティバル-にて優秀賞を頂きました。プロの編集者の方に評価され、180余りもの作品の中の五指(大賞1作、優秀賞4作)に選んでいただきました。
捨てたもんじゃなかったんだ。
そうしてアーカディアンに対する自信を取り戻し、作者であるにも関わらず勝手にその可能性を過小評価していたことを恥じ、もう一度気合いを新たにがんばろうという気になりました。
すると欲もでてきます。
KRF優秀賞の御威光で新規読者を開拓しても、面白くなければ読み進めてもらえない。読んでもらいたい、評価されたい、☆が欲しい! なら、序盤はもっと読みやすく直さないと。そして
どうせ直すなら、この機に操縦法も改めよう。
そう思いました。そう思えると、途端にウキウキしてきました。僕だって本当は、早く完成版の操縦法を公表したかったからです。
完成版操縦法はもう、最高です。
アキラにこの方法で操縦させてあげられないことを内心申し訳なく思ってきましたが、これでさせてあげられる。その様を想像するだけで興奮してきます!
……長々と、失礼いたしました。
ほとんどの皆様は「何を言ってるのかわからない」とお思いかと存じます。笑って流してやってください。こういうヤツなんです。
ロボット操縦狂です。
このことに関しては誰にも負けない自信がある変態です。逆にいえば、だからこそ、これ以外はまるで凡庸な自分がなんとか連載を続けられているのだと思います。
というわけで。
読者の皆々様。
次話の更新にはまた時間が空いてしまいますが、その頃にはよりよく生まれ変わったアーカディアンをお届けいたします。
またがんばっていきますので、このロボ狂いの書くロボ作品を、これからも応援していただければ幸いです。
ロボット、最高!