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アーカ帰還!

 この文章には機巧操兵アーカディアン『残酷な、真実 3/4』、および旧版の展開のネタバレが含まれます。それを知りたくない方は画面をスクロールしないよう、ご注意ください。





























 『残酷な、真実 3/4』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882206044/episodes/1177354054883761964

 での展開に迷い、つまったことがきっかけで長らくお休みしてしまったアーカディアンですが、本日再び更新することができました。


 ゼラトこと布勢主と。
 ヨモギことリズ=ウェルチ。

 ふたりのキャラが、退場しました。


 ゼラトはヨモギの手にかかり、ヨモギはアキラの手にかかりました。これは旧版アーカディアンでもそうで、リブート版でもその骨子は変わりませんでした。

 変わったのは、アキラとヨモギの心情です。

 旧版では、アキラはただ憎しみのままにヨモギを殺しています。ですが今回のリブート版ではヨモギを憎み切れず、ヨモギもアキラの優しさにふれたことで憎み切れず、むしろ心情的にはわかり合っています。


 アキラに毒がありません。


 毒はアキラの魅力の重要なピース、物足りなく感じられた方には申し訳ありません。私としましても別にアキラがいい子に見えるように生ぬるく書くつもりはなかったのですが、作劇上の都合でこうなりました。

 旧版もリブート版も、キャラクターの性格は同じです。
 旧版でも今回のような展開になる可能性はありました。



 その分岐条件が、アキラが竜月の真実を知るか否かです。



 初めての実戦で殺した敵兵が竜月だった。旧版ではアキラはそのことをヨモギに知らされても、悲しむどころかかえって竜月に怒りを向けました。だからこそ、友であった竜月とヨモギへの情を捨ててヨモギを殺せたのです。

 竜月がアキラの地雷を踏んでいたからです。

 竜月がアキラに見せた、アーカディアンでの下位者から上位者へのやっかみ。それはアキラにとってそれほど許しがたいものでした。大好きなアーカディアンだからこそ、その中での嫌な経験は。

 ですが、リブート版では。

 なぜ竜月がそんな態度を取ったのか、旧版より丁寧に語られました。そして、竜月にそんな態度を取らせたそもそもの原因が自分にあると知ることで、アキラは竜月を責められず、ヨモギへの情も捨てられませんでした。

 それで旧版のような復讐鬼にはならず。

 しかしだからこそ、竜月を殺したこと、ゼラトの死の遠因を作ったこと、ヨモギまで殺してしまったこと、その全てが旧版よりはるかに辛くアキラを苦しめます。


 実は旧版でも、書かれることのなかった終盤の展開で、アキラは竜月の真実を知る予定でした。
 しかし、それではあまりにも遅い。竜月の死から時間が経ちすぎている――劇中時間だけでなく、読者の時間的にも。

 それではアキラがいくらショックを受けたところで読者は感情移入しにくいのではないか。という懸念から、リブート版ではヨモギとぶつかるタイミングで知ってもらうことにしました。


 この変更は、果たしてよかったのか。


 旧版のここ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881126072/episodes/1177354054881481046

 はアキラが残虐性を発露し本格的に壊れていく、ターニングポイントとなったエピソード。読者からの評判も良く、自分としてもこれまでで最高の出来だったと思います。

 そして今回は、そのリブート版。
 書き直すからには、旧版を超えなければ。

 超えられた、少なくとも自分ではそう思えるモノを書いたつもりですが。本当に超えられたかどうか、それは読者の皆様ひとりひとりに決めていただくことです。



 今回の展開の変更により、アキラの心情、今後の展開、これらもまた旧版とは大きく変わっていきます。

 今回少し更新を急ぎ過ぎてペースを崩したので、今後はまったり更新となると思いますが、どうぞ今後とも『機巧操兵アーカディアン』を、アキラの物語を見守ってくださいますよう、よろしくお願いいたします。

2件のコメント

  •  天城リョウ様。

     アーカディアン「KRF -カクヨムロボットフェスティバル-」の『素晴らしかった作品』おめでとうございます!
     受賞(?)された作品の中で唯一読んでいた作品でしたが、納得の紹介だと思います。
     まだまだ今後とも物語を綴られると思いますが、応援しています。
     続き、楽しみにしています!
  • >狼狽 騒 先生

     ありがとうございます!

     このような場で評価されるのは初めてのこと、青天の霹靂といった感じで、まだぽかんとしています。

     中々に苦しみながら執筆している本作ですが、それでも書いていけるのは応援してくださる皆様のおかげです。特に狼狽先生にはいつもいち早く読んでいただいて、本当に感謝しています。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

     応援を支えに、続きもがんばって執筆していきます!
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