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「最果ての…」Memorandum:「ラスエル」の名を持つ娘達

読者様から頂いた応援コメントを読ませて頂きながら「ああ、そうか。読み手の方はそう捉えることもあるのね〜」とドッキリする事があります。

「最果ての、その先に」も、気づけば連載期間1年と2ヶ月(汗)……こんなに長い期間、しかも1話1話がやたら長くてややこしい当作品にお付き合い頂く中で「あれれ? そんな話、あったっけ〜?」状態になっても全く不思議ではありません。作者本人もたまに登場人物の髪色や名前を間違えたりするくらいですから。


今回の応援コメントから頂いたお題は、「ラスエルフルムはファランの母親なのか?」です。

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最新話の冒頭に登場するウシュリアは、大陸の伝承で語り継がれる聖女です。本作の外伝「夜闇の薄明かり」第3話「贄(にえ)の姫と竜の石」に登場するウシュリアと同一人物です。

ファランの出身地であるプリエヴィラがまだ「名もなき小さな砦」だった頃、大陸を彷徨っていたウシュリアが辿り着きます。それは、スェヴェリス攻略よりもずっと前のお話。少なくとも本作の現時点から振り返ること数百年も前の「七王国時代」と呼ばれる伝説の時代です。


そう言う訳で、ウシュリアの娘ラスエルフルムはファランの遠いご先祖様にあたります。「ラスエル」の名を冠する娘が「石」を受け継ぐのが、ファランの家系の伝統となりました。時代を経て、一つの石だったものが二つに分かれ、いつの間にか銀の装飾で飾られ、腕輪と首飾りの姿に変わっても「守護の石」の名だけは変わらず、ファランの代まで大切に引き継がれてきました。←これは作中では全く説明されていません。「説明しよう!」的な文章は極力避けているので……何となくで良いから感づいてね〜、と読者様に丸投げしてしまいました。スミマセン。


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大陸の歴史は、大まかに分けて「スェヴェリス滅亡後から現在までの百余年」「スェヴェリス攻略以前の七王国時代」「七王国時代以前の神話の時代」に分けられます。

ロスタルとザラシュトラはスェヴェリス攻略直前の生まれ。戦乱の世を知る世代です。


第3部/第2章:4の中で、「聖女ウシュリアの昔から、戦士を鼓舞するために神官や巫女が戦場に出るのは珍しい事ではないはず」とファランが主張し、その後、エレミアとシグリドの会話の中で「スェヴェリス滅亡以降、戦場は戦士の力量を競い合う純粋な殺し合いの場となった」経緯が語られます。神官や巫女が軍に追従していたのはスェヴェリス攻略以前の伝統、とご了承下さい。

大陸の戦乱の世に当たる「七王国時代」。戦場で戦士や神官を補佐する立場だった術師達が、次第に自分たちの術の力に慢心し、王国軍に隷属することに疑問を抱き始め、軍を離れ、祖国を離れた術師達が寄り集まって創り上げたのが「妖術師の王国スェヴェリス」です。が、七王国連合軍に反旗を翻したものの、結局は滅亡へと追いやられました。王国軍に残った術師達が誓約で縛られるようになったのは、武力vs妖術の凄惨な戦いとなったスェヴェリス攻略以後の事です。

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以前、物語の「年表」があれば……というアイデアを下さった読者様がいらっしゃったのですが、上記の説明で何となく大陸の歴史に触れて頂ければ幸いです。


最終話まで、もう少しお付き合い下さいね。

4件のコメント

  • ご丁寧にありがとうございました!
    外伝を再読して納得でした。
    本当に、壮大な物語ですよね。ますます惚れ込みました。
  • 「長っ!」

    と言うコメントでなくて良かったです(笑)
    壮大=ややこしいお話にお付き合い頂き、感謝、感謝です♡
  • おっと、由海さんが、参戦して来たぞッ!(Novel0コン)
     満を持して、ですな^^

     お久しぶりです。お元気ですか〜
    米国はいつ大統領弾劾が発動されるんだろと、遠くアジアの片隅から見守っております(笑)
     
  • 千葉さん、

    ご無沙汰デス。新作、相変わらずのノリの良さですね。「なんだこれ〜、オモシローイ」ってウケながら読ませて頂いてます。

    トランプさん、おバカ丸出しですよね。アメリカ人の恥だ、誰かヤツを止めてくれ〜ってウチの相方は毎日怒ってますよ。

    ただ、彼は南部の支持層が厚いんですよね……いわゆる「レッドネック」(ぜひともWikipediaで調べてみて下さいな〜。ウケますよ、きっと)と呼ばれる方々の支持率が高いので、始末が悪いんです。弾劾しようとすればショットガンで撃たれます、きっと。


    参戦、と言うか、「異世界転生以外ならOK」だったので「じゃあ、参加しまーす」ってな感じです。転生モノ書けないヒトなので、ちょうど良いかな〜って。重くてややこしいお話が好きって言う奇特な方がいらっしゃれば良いなぁ。あとは、カクヨムさんにハイファンタジー派がどれだけいるのか知る良い機会かなぁとも思って。

    ではまた〜。






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