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2020年5月16日の近況報告 分かりやすければそれでいいのか? と業務連絡

「分かりやすければそれでいいのか?」表現者たるもの一度はぶち当たる疑問である。私はこの問いに対しては2種類の回答をするだろう。

 まず第1の答えとしては「分かりやすければ分かりやすいほどいい」という答えである。

 例えばゲームセンター(今ではアミューズメント施設という気取った名称を使うらしいが)に置いてある「太鼓の達人」というゲームはある意味ゲームセンターの歴史の中でも頂点に位置するほど「究極的にわかりやすい」ゲームである。

 なぜなら筐体を一瞬見るだけで「太鼓をたたくゲーム」だとわかり、想像通り実際に「ドン」と「カッ」だけで遊べるからだ。2001年の稼働開始からシリーズは続いて来年で20周年を迎えるそうだがそれもうなづける。今後30周年、40周年とシリーズは出続けるだろう。

 小説だって「中学生でも分かるように書け」という話は聞くし、それに日本の話に限らずに言えば、トランプ大統領は一説には「小学生でもわかる」英語を使って大統領になったという。彼はわかりやすさで大統領の座を手に入れたのである。


 一方、第2の答えとしては「分かりにくさも重要だ」という答えである。

 一説によると、マンガを読むことすら難しくてできない中高生が増えているらしく、その原因は「分かりやすさ」を追求しすぎたせいでマンガですら「分かりにくい」物になってしまったらしい(マンガの「コマ」と「コマ」の間を補完する技術が必要らしく、それが難しいらしい)。

 これに関しては私も同感で、固いからといって何でも「おかゆ」にして柔らかくするだけでは噛む力はつかない。時代に逆行するようだが「分かりにくい」表現も必要なのである。

 私の作品には時々、普段使わない難解な言い回しをふりがな付きで入れる事がある。あれはインパクトを残したいというのと、分からない表現は自分で調べる習慣をつけさせるためにあえて入れている物だ。


 ……賢明な読者諸兄はお気づきかもしれないが「答えが2つある」のは奇妙な話かもしれない。そりゃ学校のテストでは答えは1つしかないのが定番だが現実社会では当てはまらない。それこそ「正解は無限にあって同時にただの一つも存在しない」という謎かけみたいな話にもなる。

 どっちが正しいか結論が出ない、というよりは「どっちも正しい」のだろう。

 あと【業務連絡】

 現在連載中の「メ〇〇〇女の〇料理人録」ですが更新頻度を増やして月曜日、水曜日、土曜日の週3回更新にしようと思います。

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