本当に疲れると「寝たらこのまま永遠に目覚めることなく死ぬ」っていう恐怖が湧き上がるものなんですよ。
数年前のお盆休みの最終日、買い物帰りで突然当時乗ってた原付が壊れたんですよね。で、連絡しようにもスマホを家に置き忘れて連絡もできない。
なので真夏のクソ暑い中を延々と壊れた原付を押しながらバイク屋まで歩いて行ったんですよ。真夏の太陽がギラギラと灼熱の光を浴びせる中を。猛暑日の真昼間の中を。
脱水症状で頭がぼーっとする中を自販機からのスポーツドリンクをがぶ飲みして１時間ほどかけて歩いてバイク屋までたどり着いて、
代車というか代バイクに乗れると思ったんですが、盗まれて自転車しかないというありさま。
さすがに徒歩に比べれば幾分楽でしたがそれでもクソ暑い中を延々とこぎ続けて家まで帰りました。
道中は「神は乗り越えられる試練しかお与えにならない」と念仏のように呟きながら、果てしないゴールめがけて歩き、あるいは自転車をこいでいたんですが、あれは誰もマネすべきものじゃない。
家に帰って同居してる父親に事情を説明しようにも声が出ないのでボディランゲージでなんとか伝えてクーラーをつけた自室で倒れたんですが、
「ここで寝ちまうと一生目を覚まさないで死んじまうな」っていう恐怖があって、風呂に入って汗を流し、３０分ほど座ってぼーっとしてようやく寝ても大丈夫な状態になったんですよね。
本当に疲れると「寝たら死ぬ」「寝たら２度と目が覚めないんじゃないのか？」って思っちゃうんですね。あれは初めてでしたよ。もちろんマネや追体験なんてしなくていいです。
ブラック企業で使いつぶされる人の末期はこんな感じなんだと思います。もうセンサーがおかしくなって自分の感覚すら信じられなくなるというか……。
聞いた話じゃ残業時間が５０時間を超えると幸福度が増す、っていうデータがあるんだけど、それもこういう疲労を感じるセンサーがぶっ壊れた事が成せる業なのだろうか。
２回目になるけど、マネや追体験なんてしなくていい。するもんじゃないし、したところで人生において何の得も無い！ と断言していい。
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